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4 狂乱のリゾート地パタヤ パタヤはバンコクからバスで東に3時間程度のところにあるタイ有数のリゾート地です。このリゾート地は、ベトナム戦争の際、アメリカ兵の娯楽地(これをR&R, Rest and Relaxationの略、と呼びます)として発展したという歴史があります。アメリカ兵を相手に身体を売る女性がタイ全土から集まり、終戦後も娯楽地として栄えているのです。 パタヤには主に西洋人を対象としたオープンバーがたくさんあります。写真はパタヤの典型的なオープンバーで、カウンターの内側にホステスが立ち、外側に西洋人の客が座っています。この写真の左側にムエタイのリングがあり、客はムエタイ観戦と女性とのコミュニケーションを楽しめます。そして、「交渉」がまとまれば、ホステスは客と一緒に店を出るのです。 オープンバーには西洋人が多く集まるのに対して、日本人は店舗型、さらに女性が制服を着用した店を好むようです。写真の店は、日本語、ハングル、中国語で案内がなされています。(「いらっしゃいませ」ではなく「いらっしゃませ」となっています。) オープンバーやパブばかりではありません。パタヤには街娼がたくさんいます。写真はパタヤビーチ沿いの海岸通で「営業」をおこなっている街娼です。彼女らの近くを歩くと、かたことの英語や日本語で話しかけられます。なかには、ニキビや皮疹の目立つ女性もいて、感染予防上の問題が示唆されます。 5 バンコクの夜の実態 バンコクの人口は公的にはおよそ800万人とされていますが、これには旅行者や中期滞在者の数が正確に反映されておらず、実際は1000万人を超えるのではないかと言われることもあります。 そして、おそらくパタヤ以上に、タイ国全土からセックスワーカーが集まっているでしょう。先に示した、深夜の繁華街のホテルの一光景がそれを物語っています。 バンコクには、ありとあらゆるタイプの売春施設があり、さらにフリーのセックスワーカーも相当な数に昇ると思われます。 下の写真は日本人御用達のタニヤを撮影したものです。タニヤでも、そのほとんどの店で働く女性は、客に対して身体を売っていると言われています。派手なドレスを身にまとった美しきセックスワーカーたちは、日本人受けする容姿の者が多いと言えます。 6 北タイの売春事情 90年代初頭に、北タイでのAIDS蔓延が大きな問題となりました。一部の報道では、北タイのセックスワーカーの4人に1人がHIVに感染しているとさえ言われていました。現在は、さすがにそこまで高い感染率があるとは思えませんが、それでもHIVに感染する者が跡を絶たない現状は続いています。 北タイが、パタヤやバンコクと異なる点はいくつかあります。 そのひとつが、一度の売春価格が圧倒的に安く、一部の売春宿ではわずか数百円で売春させられている女性もいるそうです。価格が安い店で問題なのは、コンドームが使用されているかが疑わしいからです。コンドームの価格と売春の価格がほとんど変わらない状況で、適切なコンドーム使用がなされているかはかなり疑問です。実際、北タイの売春宿でHIVに感染したであろうと思われる患者さんは珍しくありません。 次に、セックスワーカーの年齢の低さです。現在のパタヤやバンコクでは、(最近はそうでもなくなってきたとは言え)、10代前半のセックスワーカーの割合はそれほど高くはありません。それに対して、北タイでは10代前半のセックスワーカーが当たり前のように存在するそうです。 売春の是非というのは非常にむつかしい問題ですが、少なくとも10代前半で身体を売るという行為は絶対にあってはならないことです。セックスワーカーに対して、労働環境を整備し、きっちりと権利を付与するべき、ということが言われることがあり、それはたしかにその通りなのですが、こういったことができるのは、アイデンティティの確立した成人に限ってのことです。 まだ、アイデンティティも性感染症に対する知識もままならない10代前半の女性がセックスワーカーとして働くなどというのは、どんな事情があれ、あってはならないことです。 北タイ独自の問題はまだあります。それは、少数民族、さらには「トラフィッキング」と呼ばれる、ミャンマーを初めとする諸外国から不法に入国した者の売春行為です。特に、トラフィッキングで不法入国したミャンマー人がタイでHIVに感染した場合、AIDSを発症してもタイで治療を受けられず、またHIV感染が理由で母国に帰ることもできなくなる場合があるそうです。90年代半ばには、タイでHIVに感染したミャンマー人の女性がまとめて処刑されたという話もあります。 7 恋愛、結婚、叶わぬ恋 「売春はいいことですか、それとも悪いことですか」、と問われれば、おそらくほとんどの人は、「悪いこと」、もしくは「善くないこと」と答えるでしょう。もちろん、「いいこと」でないことは自明でしょうが、古今東西を問わず、人類の歴史とともに「売春婦=セックスワーカー」が存在してきたのは事実です。 現在の日本でも、風俗店というのは存在しますし、成人どうしが金銭の介入の伴う性交渉をおこなっているのは事実です。 では、売春は「必要悪」なのかと言うと、それほど単純には片付けられないように思われます。なぜなら、最初は、たしかにセックスワーカーと顧客の関係であったはずの二人が、後に恋愛関係を結び、さらには結婚にまでいたることも珍しくないからです。こういう話が、タイではごく当たり前のように存在します。 タイのセックスワーカーのなかには、「誰にでも身体を許すわけではない」女性がいるということも、恋愛に帰着する要因のひとつでしょう。彼女らは、自分の気に入った男性に対してのみ身体を売り、なかにはしっかりと貞操を守る女性も少なくないそうです。 『今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ』では実際のラブストーリーを紹介していますが、何もモテない男性がセックスワーカーと恋に落ちるわけではありません。 たとえ、「売春」が「悪いこと」「善くないこと」あるいは「必要悪」であったとしても、結婚して幸せな家庭を築いている二人を誰が責めることができるでしょうか。 100個の恋愛があるとすれば、それは100通りの恋愛であるはずです。セックスワーカーと顧客の恋愛であったとしても、その経過や転機は様々です。幸せな結婚生活を送っている夫婦もたくさんいますが、不幸な結末となるケースも少なくないようです。 例えば、男性が恋愛だと思っていたのに、実は女性(セックスワーカー)に本当の恋人(タイ人であることが多い)がいたという話がよくあります。全財産をつぎこんだとたんに本当の恋人のところに逃げられた日本人男性の話などタイにはごまんとあります。 また、自分の恋人と思っていた女性に、本当の恋人がいることを知り、自殺を図った若い日本人男性の話が、ときどきタイのマスコミで報道されています。 不幸な転機をたどるのは若い男性だけではありません。最近、日本での仕事をリタイヤした後タイに長期滞在し、現地でタイ人女性と結婚する日本人男性が増えていますが(なかには初めから結婚目的で長期滞在する日本人も少なくないそうです)、結婚した(籍を入れた)とたんに謎の変死体で発見されたという事件が頻発しています。疑惑が大きいため警察が捜査をやり直すこともあるそうです。 結局のところ、セックスワーカーと顧客の間に生じる恋愛というのは、他のかたちで始まる恋愛と本質的な意味では大差がないのではないかと思われます。 しかしながら、セックスワーカーや買春を繰り返す顧客が、HIVを含めた性感染症のリスクが高いという現実はしっかりと認識する必要があります。 恋愛の威力に足元を見失い「盲目」になる前に、正しい知識を持つ必要があるのです。もちろん、正しい知識を持たなければならないのは、施設のセックスワーカー、フリーのセックスワーカー、顧客、のいずれもが、です。 つまるところ、性行為をおこなう以上は、すべての人が、正しい知識を持ちHIVや他の性感染症のリスクを把握することが必要なのです。こういった話をしたり聞いたりする機会はそれほど多くはないかもしれませんが、生活習慣病には予防が最大の治療であるのと同様、HIVや性感染症を防ぐには正しい知識をもつことが最善の対策なのです。
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2010/2/24(水) 午後 1:01 さま
○○観念の方は、むつかしかも、でも、性感染症の方は、しっかり教えておく必要があります。 感染しても、発症にならないようには薬でできるようにはなってきましたが、時間、労量、金銭の負担が多き過ぎますし。
アフターモーニングピルに走り回るのも、問題でありますし、 妊娠の危険もですが、性感染症の危険もあります。
2010/2/24(水) 午後 1:15 [ おみぞ ]
最近は、日本国内でも売春以外でHIVや梅毒に感染する人が増えてるようです。コンドーム使わないでピル服用で感染や妊娠するのでしょうかね?。
2016/12/4(日) 午後 7:10 [ tak*to*bo7*7 ]