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2010年1月8日(金)
弘大法医学講座 人手不足で限界
人命にかかわる事件捜査に欠かせない司法解剖。死因究明で大きな使命を担ってきた弘前大学医学部法医学講座が昨年11月から、県警からの解剖要請を受け入れられない事態に陥っている。教員1人が昨春、他大学に転出して以来、執刀医が黒田直人教授(52)1人になり、負担が限界に達したためだ。「解剖の質を維持できず、責任ある仕事ができない」と、苦渋の決断をした黒田教授。人手不足解消の見通しは暗く、再開のめどは立っていないが、県警は隣県の大学に解剖を依頼しており「捜査に支障はない」としている。 「体力的、精神的に限界を超えた。無理をして仕事がずさんになり、事件にかかわる事案で万が一間違った判断をしたら、最悪の場合は冤罪(えんざい)につながる。もはや引き受けられない」。黒田教授は無念そうに語った。 かつては同講座に複数の教員が所属していたが、2009年春以降、執刀医は黒田教授1人になった。残るは検査専門の非常勤講師1人、補佐員1人だけだ。扱う解剖は年間100件前後。1件の解剖にかかる時間が2時間半としても、組織標本づくり、組織診断と作業が続き、一つの鑑定書ができるまで何日もかかる。解剖後の清掃、廃棄物処理などの雑務も、黒田教授がほぼ1人で行ってきた。 10月からは学生の講義と実習が始まった。前年度まで他の教員と分担できていたが、月曜から金曜まで毎日、1人で受け持つことになった。書き切れない鑑定書が次々たまり、ついに11月、県警本部長に受け入れ不能の意思を伝えた。 ただ、問題は突然起きたわけではない。「法医学は瓦解寸前、いつかこんな日が来る−と、インフラ整備の必要性を何年も前から訴えてきた」 医師不足で臨床医の需要が高まり、医学生の意識も変わる中、法医学など基礎講座に人材が入ってこない。せめて補佐的人員を、と大学側に要請しても、大学も法人化後、不採算部門に予算を回す余裕はない。県警にも人的支援を依頼したが色よい返事はなかったという。 死因究明制度をめぐり、政府は10年度予算に調査研究費など約7千万円を盛り込み、「法医科学研究所」を各県に設置する案などを検討している。だが、全国の法医学教室の解剖医が140人程度にとどまる現状では「期待はしたいが、遅きに失した。今後、私たちのような事態が全国の地方国立大で間違いなく起きる」と黒田教授。 県警は昨年11月以降、司法解剖を岩手医大と秋田大に依頼している。最近では1月3日、鶴田町で起きた救急車とトラックの事故で、病院搬送後に死亡が確認された患者男性の司法解剖が秋田大で行われた。 ただ、両大学とも執刀医は1〜2人体制。今後も他県からの要請を受け続ける保証はなく、裁判に証人として出廷要請されるなど、物理的負担がかかることも予想される。 こうした状況について、県警側は本紙取材に対し「どこにどういう事情があろうと、捜査に支障のない体制を取っている」(捜査1課)、「現状では他県に要請できているので、捜査に影響を及ぼすことはない」(刑事企画課)と答えるにとどめている。 ※写真=弘大医学部内にある法医学講座の研究室。解剖は受け入れなくても、黒田教授は過去の鑑定書作り、講義や事務作業で多忙な日々を送る 医学部は文部科学省の管轄で、大学運営交付金です。 ※大学付属病院は、付属病院運営交付金です。 死亡しても、生ある時と同じに、丁重に検査もされなけばなりません。 この危機を、法務省はどういたします。 県警だけの事だけではありません。警察庁。 地方検察庁、高等検察長、最高検察庁まで含む問題です。 刑事司法ににもかかわる問題です。 法医学講座は、大学院に所属します。 物品役務等(随意契約)の契約情報の公表について 公共調達の適正化について(平成18年8月25日付財計第2017号)に基づく随意契約に係る情報の公表 (物品役務等) 青森県警察会計担当官 石川威一郎 青森県警察本部 青森県青森市新町2−3−1 平成20年4月1日
契約担当役 国立大学法人 弘前大学
大学院医学研究科長 佐藤 敬 弘前市在府町5
会計法第29条の3第4項
司法解剖を嘱託できるものは、法医学についての学識経験が豊富な人材が在籍し、解剖に必要な資機材を有する施設、かつ、警察の要請に迅速に対応するところでなければない。これらの要件を満たすところは、法医学講座のある国公私立大学の医学部だけであり、本県においては契約者のみである。@30,000円外 15項目
単価契約
年間予定金額 17,023,800円 各大学(法医学教室),研究機関のホームページ 法医学者の悩み事 より 全国の国立大学が法人化された。法人化後、各大学は、任期制をとるようになった。文部科学省が、任期制を置かない大学には助成金を削るという方策を採っているためだ。また、文部科学省は定員を削減できなかった大学には罰として補助金を削減するということもしている。大学としては、任期制をしいた上で、ダメな者は削っていくという方針を採らざるをえない。実際、研究業績としては相当数の英文科学論文を書くことと、外部からの相当額の研究費獲得をすることを、再任要件とする大学が増えている。 その中で、大学の法医学教室は、内科、外科などの臨床系教室ではなく、生化学や細菌学教室などの基礎系教室に分類されている。司法解剖という実務を担っているにも関わらず、他の実務を持たない基礎系の教室と同列の扱いを受ける。各大学の法医学教室の定員が3から4名程度に過ぎないのもそのせいだ。さらには、一律定員削減の対象とされているので、最近解剖数が増えてきているのに、定員は減少傾向にある。 現在、多くの法医学教室が、解剖業務でアップアップしており、既に研究業績を上げられるような状況にない。大学からは、ちゃんと論文も書けとか、研究費も獲得しろと言われながら、その中で解剖もしていると、いずれかの業務を疎かにせざるをえなくなっている。解剖を熱心にやれば、おのずと研究業績は疎かになり、大学から首になる可能性が出てくる。一方で、大学に残ろうと、研究に熱心になれば、鑑定書を書かないとか解剖数を減らすなどの措置をとらざるを得ない。一方で、我々法医学者が司法解剖を断ったとしても、今日も殺人事件が発生し、それを誰かが司法解剖しなければ、国民の権利の維持はできない現実がある。国民にとっては、この状況はどう思えるだろうか。 先日、供述調書を取りに来た検事さんに質問してみた。 「もしかしたら、数年後大学を首になるかもしれません。大学が法人化されても、司法解剖は公務と考えられると話している法曹家がいますが、そうだとすると、公務に専念するあまり、大学を首になるわけですが、その場合、誰を訴えればいいのですか?法務大臣を相手にした国賠ですかね?」との質問したところ、「法務大臣を訴えてもダメでしょうけど。大学ですかねえ。」と困惑するだけで、何の答えもなかった。私からは「裁判員になったものは、会社から不当な扱いを受けないようにする法律があるけど、何で善意で鑑定を引き受けるものが、法的に保護されないんですかね?」とだけ話した。まあ、一検事さんに話しても、どうしようもない話ではある。 結局、国民に奉仕しようと思うものがバカ損をして、誰も補償してくれないというのが現実のようで、正直自分達のしていることがアホ臭くなってしまった。このままでは、近いうちに、解剖を拒否するか、大学を首になるかの選択を迫られることになる。 こうしたことは、法医学研究所を作って、独自の内規で運営しない限り変わらないだろう。その設置なしでは、数年後には、日本の法医解剖は間違いなく崩壊し、犯罪も事故も見逃し放題となる。 先日、国会では、スポーツを保護するのが国の責務であるという法案が可決されたとか。なんだかなあという気もする。それ以前に国会で決めるべきことはないのだろうか。 質問本文情報 平成十六年五月十九日提出 質問第一〇四号 検視、検案、司法解剖等に関する質問主意書 提出者 細川律夫
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