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6.インフルエンザワクチンの有効性と安全性 インフルエン後に抗体価を測定し、抗体の上昇を指標とする方法です。もう一つは、ワクチンを接種したグループと接種していないグループの間で、インフルエンザの発症率を比較する方法です。後者の方法が一般的で、ワクチンの有効性を実際に反映するものですが、精度の高い調査を行うのは決して簡単ではありません。そのため、ワクチンの有効性を評価するレベルの高い研究は、ほとんどが海外(特に米国)で実施されたものです。日本と米国ではワクチンの接種量(小児において)、接種回数(1回か2回か)、接種ルート(皮下か筋肉内か)などが違いますが、米国からの報告は日本においても参考になると思いますので紹介します。 (1) 小児における有効性 最近まで、小児に積極的にインフルエンザワクチンを接種するという動きは世界的にみてもありませんでした。例外は日本で、1994年まで学童、生徒に対し、予防接種法に基づいて集団接種が行われていました。ところが米国において、乳幼児のインフルエンザによる入院率が非常に高いことを明らかにした研究があり、2002年から生後6ヶ月から23ヶ月の小児に対してインフルエンザワクチンを推奨しています。日本においても、5歳以下の小児においてインフルエンザ脳症が多発し、この疾患に対する社会的関心が高まり、ワクチン接種率が急速に高くなってきています。 生後6ヶ月以上の乳幼児でも、ワクチン接種により発症を阻止できるだけの抗体価を得ることができます。しかし、発症阻止に対するワクチンの有効性は、研究報告により大きな違いがみられます。ほとんど有効性が認められないとする報告から、90%以上の有効性を示したとする報告まで様々です。年齢が高い小児ほど効果があり、1回接種では効果が小さく、2回接種で有効性を示すというのが共通した認識です。小児の場合、インフルエンザの流行規模、流行株の抗原変異の程度、疫学調査の方法の違いなど、様々な要因が有効性に大きく影響しますので、小児に対するインフルエンザワクチンの効果を一言で言うのは困難です。 日本でも最近、国が研究班を組織して乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果を調べました。そこで得られた結論は、1歳未満児については有効性を示す確証は得られませんでしたが、1歳以上6歳未満児については、発熱を指標とした有効率は20~30%となりました。この値は低いようですが、この年齢層はワクチン接種後にインフルエンザ以外の感染症に罹患することも多く、実際の有効性はこの値よりも高いと考えられます。 (2)64歳以下の成人における有効性 この年齢層は過去に何度もインフルエンザに罹患し、またワクチン接種を経験していますので、インフルエンザウイルスに対する特異的な免疫記憶を有しています。したがって、ワクチン接種により強いブースター効果が得られ、ワクチンの有効性が最も期待できる年齢層です。ワクチン株の抗原性が流行株と一致した場合、インフルエンザワクチンは約70%〜90%の発症阻止が期待できます。一致していない場合でも、50%から80%近くの有効性があったという多くの報告があります。 (3)65歳以上の高齢者における有効性 この年齢層は、必ずしもインフルエンザに罹患しやすいということはありませんが、発症すると最も重症化し、死亡者も多く出るグループです。死亡阻止を第1の目的と考えると、ワクチンをこのグループに優先して接種するのは当然だと考えられます。 高齢者や何らかの基礎疾患を有する人達のワクチン接種後の抗体応答は、健康な成人における抗体応答よりも悪いといわれています。また、年齢が高くなるほどワクチンの発症阻止効果は弱くなると考えられています。しかし、ワクチンが高齢者の重症化阻止や死亡阻止に有効なことは多くの論文で証明されています。米国の代表的な論文をまとめると、ワクチンは発症や入院を阻止する効果は50%位ですが、死亡阻止効果は70〜80%はあるとされています。 日本では10年前まで、高齢者に対するインフルエンザワクチンの接種は、ほとんど禁忌でした。ところが、老人福祉施設でインフルエンザの流行が多発し、多数の高齢者が死亡したため、ワクチンの必要性が叫ばれるようになりました。そのため、国は研究班を組織し、高齢者におけるインフルエンザワクチンの有効性を調べる調査研究を実施しました。その結果、1回のワクチン接種で発症を34〜55%阻止し、インフルエンザによる死亡を82%阻止するという、欧米での調査研究と極めて近い成績を得ることができました。因みに、我々は接種回数の影響を担当し、1回接種でも2回接種でも抗体応答にほとんど差のないことを明らかにしました。この研究が基となり、2001年の予防接種法の改正の折に、65歳以上の高齢者に対するインフルエンザワクチンが定期接種2類疾病と位置付けられ、一部公費負担で接種できることとなりました。 (4)ワクチン接種後の副反応 インフルエンザワクチンの接種後に起こる副反応には、接種部位に認められる局所反応と、発熱、全身倦怠感などの全身反応があります。また、ワクチン接種後、偶然に別の感染症に罹患して発症し、ワクチンの副反応と紛らわしい症例もしばしば経験されます。これを紛れ込み事故と呼び、ワクチン接種後に発熱や呼吸器疾患を呈した場合には、鑑別診断が重要となります。接種直後の局所反応(接種部位の疼痛、発赤、腫脹)は高い頻度(10〜64%)で発生しますが、ほとんどは軽症で、2日以内に消失します。 全身症状として、発熱、全身倦怠感、筋肉痛などが起こります。接種6〜12時間後から始まり、1〜2日間持続します。わが国で使用されていますスプリットワクチンは全身症状を起こしにくく、発生頻度はコントロールグループとほとんど差は認められないとする報告も多くあります。 接種直後、稀にアレルギー反応(ジンマシン、血管浮腫、アレルギー性喘息、アナフィラキシー)が現れます。ワクチンに含まれている成分が原因と考えられ、残存している卵由来の蛋白の可能性があります。現行の鶏卵を材料としたインフルエンザワクチンにはごく微量の鶏卵蛋白が含まれ、卵アレルギーのあるヒトへの接種は注意を要します。特に、卵を食べた後にジンマシンや口唇が腫れる、あるいは呼吸困難に陥ったという経験のあるヒトは、予防接種の専門医を受診することを薦めます。現在は予防、治療に有効な抗インフルエンザ薬が使用できるので、これらの人にあえてワクチンを接種する必要がないのかもしれません。 高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)によるヒトへの感染事例がこの数年急速に増加し、新型インフルエンザによるパンデミックが危惧されています。現段階での具体的な対策として、タミフルの備蓄と新型インフルエンザワクチンの開発が挙げられています。日本でもH5N1のワクチン株を用いたプレパンデミックワクチンが製造され、備蓄が始まっています。 プレパンデミックワクチンの製造方法は現行のワクチンと基本的には同じですが、スプリットワクチンではなく全粒子型ワクチンです。また、水酸化アルミニウムなどのアジュバントを加えています。これは、免疫原性が弱いH5N1ワクチンの効果を増強するための措置です。H5N1の抗原性は刻々と変化しており、現在の流行ウイルスの抗原性はすでにプレパンデミックワクチンの製造株の抗原性とかなりの違いが認められています。パンデミックが起これば、その時の流行ウイルスと同じ抗原性を持った製造株でパンデミックワクチンを製造することになりますが、発育鶏卵の確保から製造の終了まで約1年はかかると考えられています。限られた量のワクチンを、流行のどの時点で誰に接種するのか、十分に議論しておく必要があります。 インフルエンザワクチンの有効性に関しては様々な意見がありますが、インフルエンザの重症化阻止や死亡阻止に有効なことは疑いのないところです。しかし、感染阻止や発症阻止に関しては、必ずしも満足できるほど有効でないのも事実です。この点を良く理解しないで議論すると、間違った結論が出されます。いままで日本におけるインフルエンザワクチンの評価は不当に低かったように思いますが、このワクチンの本質を理解した上で議論されていたかどうか、疑問が残ります。インフルエンザワクチンは局所感染症であり、局所感染症に対して有効なワクチンを開発することは大変難しいのは良く知られています。局所免疫を強く誘導するアジュバントの研究、生ワクチンやリコンビナントワクチンなどの開発が進んでいますので、将来は今まで以上に有効なインフルエンザワクチンが登場するものと期待されます。 4.インフルエンザワクチンの製造量の推移 に関しては、ワクチンを開発製造可能な諸国との対比ですので、他のワクチン開発製造との検証が必要です。 個人的には、日本の現状はよろしくないと思います。 岡部先生が現状にたいして、警告を発せられていた通りかと思います。 にも有るように。 イ.ワクチン生産体制の整備 1980年代の半ばから、我が国のインフルエンザワクチンの出荷量は減少の一途を辿り、さらに1994年(平成6年)に行われた予防接種法の改正においてインフルエンザの予防接種が任意接種になったこと等により、ワクチン需要量の減少が続き、このため製造を中止する企業や生産設備の縮小を検討する企業が出現し、その結果、ワクチン出荷量の減少が続いている。この傾向は、欧米におけるワクチン製造企業からのワクチン出荷量の大幅な増加に対して正反対である。通常期のインフルエンザ対策におけるワクチン生産体制の縮小は、今後予想される新型インフルエンザの出現に際して、新型インフルエンザに対応すべきワクチンの緊急増産の大きな障害となると予想されることから、需要量のワクチン確保に向けた普段からの生産体制の整備と緊急時の生産工程の再整備、さらに新型インフルエンザウイルスに予想される強い感染力に見合った病原微生物による危険への対策の必要性等の検討が求められる。 某方からの助言。 、平成8年か9年頃にインフルエンザで老人の死亡率が急増したため、ワクチン推奨に方向転換したんですが、接種数の増加とともにワクチンとの因果関係が不明な有害事象の顕在化も予想された訳です。有害事象が顕在化してマスコミにたたかれ、再びワクチン接種率が低下したのでは元の木阿弥です。 そこでインフルエンザ流行期に入ったらワクチン接種中止が推奨されました。流行期にインフル潜伏期の方にワクチンを接種し、その方が翌日潜伏していたインフルエンザを発症し、脳炎にでもなったものならインフルエンザそのものによる脳炎にもかかわらず、ワクチン接種による有害事象としてマスコミの餌食になる(ワクチン原因説を否定できませんから)可能性を極力排除するためです。他にも平成10年から12年頃のインフルエンザワクチン接種は今よりずっと慎重に行うように推奨されていた記憶があります。 インフルエンザワクチンは公費も含まれるために、摂取期間が過ぎれば、摂取不可ですし、すべて廃棄されます。 摂取期間が、1月31日と成っている所多いと思われます。 因果関係を少しでも明確にするために。 慢延期間中での摂取は副反応への因果関係の解明が困難となります。
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ワクチン
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乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン・商品名ジェービックV 2009年6月2日 発売 定期摂取の第1期予防接種のみに使用 定期摂取の第1期予防接種の初回を従来ののマウス脳由来のワクチンで行った場合は、1期追加摂取は、マウス脳由来のワクチン 定期摂取の第2期予防接種には、従来ののマウス脳由来のワクチン 日本脳炎ワクチン接種に係るQ&A (平成21年5月末改訂版) |
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豚インフル:予防ワクチンを優先製造 舛添厚労相 政府は27日午前、メキシコを中心に世界的な広がりをみせる豚インフルエンザ問題で、全閣僚が出席して対策会合を首相官邸で開いた。検疫・入国審査の強化など「水際対策」の実施など当面の対処方針を決定した。また、舛添要一厚生労働相は27日、報道陣の取材に、豚インフルエンザの発症予防ワクチンを、今冬向けの季節性インフルエンザのワクチンより優先して製造する考えを示した。 政府が備蓄するワクチンは、鳥インフルエンザのウイルスから製造されたもの。型が違い、今回の豚インフルエンザには効果が期待できない。発生国からウイルス株を分けてもらい、新たにワクチンを作る必要がある。ただこの時期、各メーカーは今冬に流行する型を予測して季節性インフルエンザのワクチン生産に入りつつある。 この日、豚インフルエンザによる死者が報告されてから初めて厚労省入りした舛添氏は「季節性ワクチンの製造を一時停止してでも、早急に作る態勢を組みたい。製造ラインにも限りがあり、一気に全部はできないが、優先順位をつけて半年くらいで完成させたい」と語った。 感染の広がるのが、想定していた鳥インフルエンザではなかったことについて舛添氏は「発生源がどうあれ、対策に変わりはない。政府の行動計画は鳥であれ豚であれ使える」と説明した。その上で「新しい情報が入れば必ず公表するので、冷静に行動してもらいたい。一般的なインフルエンザと同じように、うがいや手洗いなどを励行してほしい」と、国民に呼び掛けた。【清水健二】
日本のワクチン開発の足を引っ張ってきた事が、仇に成らなければ良いのですが。 日本はワクチン開発製造では、後進国になってしまいましたから。 至急、輸入可能な所と契約を結んでおく必要があります。 と言ってもこの様な緊急事態に、分けてくれる所が有るとも思えませんが。 これを期に、本気でワクチン開発製造を可能とする事を検討したほうが良いですよ。
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3月11日16時13分配信 産経新聞 ■10年遅れで発売も…品薄で接種困難 乳幼児が感染しやすく、かかったら重い後遺症が出たり、亡くなったりすることもある細菌性髄膜炎。この原因菌の中で最も多い「Hib(ヒブ)(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)」に対するワクチンが昨年末、日本でも世界から10年遅れでようやく発売された。ところが、ワクチン不足で予約すらできなかったり、接種まで1年も待たされたりするというケースも起きている。(武部由香里) 「かかったら高い確率で重症化し、亡くなってしまうこともあります。ワクチンで予防できるので、受けてほしいですね」 大阪市の中野こども病院の予防接種外来担当医は、他の予防接種に訪れた子供の親に、ヒブワクチンについて丁寧に説明をしている。生後2カ月から5歳未満が対象だが任意接種のため有料で、接種するかどうかは親の判断次第だ。 副院長の圀府寺美(こうでらうらら)医師は「重症化するまでの時間が早いため、初期治療が大事で、救急でも非常に重要な病気として位置づけています。ワクチンで予防できるのに品薄で打てないことは非常に残念です」と話す。 ワクチン不足の原因は単純で、需要に供給が追いついていないため。ヒブワクチンを輸入し、日本で販売している第一三共は「任意接種なので、絶対数が分からない。2月からは需要が供給を上回り、すべての発注には応えられなくなった」(広報)。現在はワクチンの割り当てを病院には1カ月10人分、診療所には3人分としている。 兵庫県に住む2歳児の母親は、今月初めにかかりつけ医に予約したら1年待ちで、多くの病院に問い合わせ、ようやく自宅から2時間かかる京都府内の病院で4月中旬に予約が取れた。しかし「入荷の状況によっては接種日が延びることもある」と言われたという。 一方、細菌性髄膜炎のもう一つの大きな原因菌の肺炎球菌に対して2歳未満にも接種可能なワクチン(小児用7価ワクチン)は、治験が終了し承認申請されているが、承認はまだだ。 こうした状況に対して、「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」代表の田中美紀さんは「一刻も早く、ワクチンを子供たち全員に打てるよう、定期接種化してほしい。ワクチンさえ打てば、救われる子がいます。子供たちを守るワクチンや薬があっても、私たちのもとに届かないことは問題だと思います」と訴える。 田中さんの長男(5)は、5カ月の時に肺炎球菌が原因の細菌性髄膜炎にかかり、水頭症、てんかん、肢体不自由、難聴の後遺症が出た。まだ首はしっかりとは据わらないが、声を出しておしゃべりに参加したり、名前を呼ばれてほほ笑んだり。保育園にも通っている。 同会では今、ヒブワクチンの早期定期接種化、肺炎球菌ワクチンの早期承認を求める署名活動を行っている。 ◇ 「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」への問い合わせ、署名は同会(http//zuimakuen.net)。 |
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ヒトパピローマウイルス(HPV)は、子宮頸がん、皮膚がんの原因ウイルスとしてだけではなく、口腔癌、咽頭癌、外陰癌、肛門癌などに関わりがあることが報告されています。 |




