日々悩んでおります。

Quid enim stultius quam incerta pro certis habere, falsa pro ver

無題

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索
Preparation of Foot-and-Mouth Disease Contingency Plans



CHAPTER 6 EARLY REACTION CONTINGENCY PLANNING FOR A FMD EMERGENCY
http://www.fao.org/DOCREP/006/Y4382E/y4382e09.htm#bm9


感受性動物の数を減らす

・ 家畜を減らすか、包括的なワクチン接種計画。

選択した戦略は、これらの取組み方のいくつか、または全ての組合せとなるだろう。完全な、あるいは、全ての状況に適用できる唯一の口蹄疫根絶戦略というものは存在しない。口蹄疫の制御と根絶の戦略を検討する際に様々な方法に付けられる重点度は、疫学的要素、家畜飼育体系、地域社会の受容性、ならびに、想定費用に左右される。

殺処分政策は、高度に発達した畜産業がある国、とくに、護るべき家畜および畜産物の輸出を実際に行っているか行おうとしている国にとって、最も適しているだろう。後者の流れの中で、殺処分によって根絶がより速やかに達成され、その結果、口蹄疫清浄の国際的申立てが行われて受理されるまでの期間が短くて済むため、口蹄疫清浄国の資格の喪失および輸出不能の中断期間が短期で終わるだろう。大規模な殺処分キャンペーンは、短期的には、とても費用が掛り、資源を使うが、総合的な生産低下と貿易赤字によりも軽いかも知れない。

殺処分は、発生が早期に発見され、未だ限定的で検疫と家畜の移動制限によって封じ込められている場合に実行可能な案である。そのための必須の前提条件は、感染地区の位置と範囲を迅速かつ正確に決定できる適正な疫学的能力が存在することである。それには、適切な疾病発生動向調査のみならず、感染した可能性がある動物の遡及調査と追跡調査を容易にする個体識別システムも含まれる。

殺処分政策を計画する国は、万一のための備えをもしなければならない。口蹄疫の広がる速度が手の負えない状態になり、殺処分のための資源を凌駕した場合に、予防接種計画を持っていなければならない。特定地域における包囲予防接種、的を絞った全面的予防接種、あるいは、ウイルス感染の広がる速度を抑制するための抑制的(勢いを削ぐ)予防接種を適用することができる。予防接種は、解決困難な感染地帯にも使用できる。貿易のため口蹄疫清浄の申請を早くするため、予防接種した動物を殺処分することが望ましいかどうかの決定は後日可能である。

ほとんどの国において、大規模な殺処分は実行可能な選択肢ではない。そうした場合、家畜の移動制限と慎重な殺処分によって可能な限り支えられた的を絞った予防接種キャンペーンが強調される。系統的に行われれば、この方法で根絶が達成できる。

中略

殺処分 Stamping out

緒言

殺処分による口蹄疫の根絶は、一連の前提条件が実施される場合にのみ成功し、それには注意深い高度の計画を必要とする。

口蹄疫殺処分キャンペーンのために必須の前提条件

● 政治的および地域社会の支持

● 包括的な疾病発生動向調査に基づく明確に定められた感染地区

● 検疫と家畜移動制限によって感染地区を封鎖する能力

● 十分に訓練された要員、ならびに、必要な資金とその他の資源(設備、材料など)の入手

● 適切な法的権限

● 感染した動物をと殺してその死体を安全に廃棄処分する能力、ならびに、清掃と消毒の能力

● 税関、警察、公共事業部および国防軍などの機関からの支援

● 殺処分した家畜および破壊したその他の資産に対する農業者への公正で適時の補償金の支給

● 発生した農村共同体に対する復興計画

補償

自分の家畜を殺処分され、その他の資産を破壊された農業者およびその他の人々が、現状の市場価値で公正に補償を受けるべきことは、基本的なことである。この補償金は遅滞なく払わなければならない。補償金目的のための評定価格は、経験豊富な独立した評価者によって行われなければならない。あるいは、一般的な評定価格は家畜の特定区分に基づいて合意することもできる。少なくとも動物の市場価格を払わなければならない。いくつかの状況において、金銭的補償の代わりに新規家畜の提供も可能である。適切な期間の後で新規家畜の提供が金銭的補償よりも良い代替手段であると考えられる場合、それは家畜所有者との協議において確認されなければならない。

適切かつ適時に補償金が支払われないと、地域社会の怒りを招くことで口蹄疫根絶キャンペーンに深刻な混乱をもたらし、協力と意思の欠如は、損失を避けるため汚染地域からの動物の違法な密輸入と秘密の販売に駆り立てるだろう。


殺処分キャンペーンは、補償のための適切な規定がない限り検討してはならない。

迅速な査定は、口蹄疫侵入時点で殺処分キャンペーンが開始される前に、発生の規模およびその他の疫学的要素の吟味とともに上記の全ての要因を考慮に入れて、「緊急動物疾患に関する諮問委員会 CCEAD: Consultative Committee on Emergency Animal Diseases)」によって実施する必要がある(Chapter 7, Vaccination campaigns in an endemic situation参照、)。不測の事態に関する計画は、予防接種キャンペーンを開始するための鍵となる要素を特定しなければならない。

FMD 事態。

現状は深刻です。

(社)宮崎県家畜改良事業団 
308頭:肥育牛259頭 種雄牛49頭  5頭の陽性確認

101例目 児湯郡高鍋町 肉用牛肥育(308頭)
陽性(5/5)5月15日(土)

注射器で立ち向かうなど、愚の骨頂。

最低でも と殺銃の使用と、緊急埋設地の提供。 自衛隊員の増員要請。

リングワクチンネーションは無意味であろう。

発生地の500mを処分





 殺処分は法律上、専門家(主に獣医師)がやらなければならない。

電気、心臓注射、炭酸ガス等の方法がある。獣医師さんの中でも、特に大型家畜の扱いに慣れた方々しか出来ない。人員不足というのは、特にそういう獣医師さんや保定作業員の方々が足りないということである。

      −−−−−−−−−−−−
知事の見解は、理解不能、誰がそう進言したか不明だが、投薬での殺処なら、薬事法から獣医となるが、投薬をもちいないなら、なんら必要ない。獣医の本来の専門である、疫学調査、診察、観察、いくらでも必要な事はある。 獣医を無駄な、仕事に就かせて、まったくの無駄に資源を消費しているだけである。




動物の保護及び管理に関する法律は、無用な苦痛を極力与えないような方法を用いた方法となっているだけで、殺方法までは規定されていない。



(と殺の義務)
第16条 次に掲げる家畜の所有者は、家畜防疫員の指示に従い、直ちに当該家畜を殺さなければならない。ただし、農林水産省令で定める場合には、この限りでない。
1.牛疫、牛肺疫、口蹄疫又はアフリカ豚コレラの患畜

2.牛疫、口蹄疫又はアフリカ豚コレラの疑似患畜
2 前項の家畜の所有者は、同項ただし書の場合を除き、同項の指示があるまでは、当該家畜を殺してはならない
3 家畜防疫員は、第1項ただし書の場合を除き、家畜伝染病のまん延を防止するため緊急の必要があるときは、同項の家畜について、同項の指示に代えて、自らこれを殺すことができる。

(死体の焼却等の義務)
第21条 次に掲げる患畜又は疑似患畜の死体の所有者は、家畜防疫員が農林水産省令で定める基準に基づいてする指示に従い、遅滞なく、当該死体を焼却し、又は埋却しなければならない。ただし、病性鑑定又は学術研究の用に供するため都道府県知事の許可を受けた場合その他政令で定める場合は、この限りでない。

1.牛疫、牛肺疫、口蹄疫、狂犬病、水胞性口炎、リフトバレー熱、炭疽、出血性敗血症、伝達性海綿状脳症、鼻疽、アフリカ馬疫、豚コレラ、アフリカ豚コレラ、豚水胞病、家きんコレラ、高病原性鳥インフルエンザ又はニユーカツスル病の患者又は疑似患畜の死体


焼却は、化製場等に関する法律での
第一条1項3号
この法律で「死亡獣畜取扱場」とは、死亡獣畜を解体し、埋却し、又は焼却するために設けられた施設又は区域で、死亡獣畜取扱場として都道府県知事の許可を受けたものをいう。
となる。

第二条1項2 号 
死亡獣畜の解体、埋却又は焼却は、死亡獣畜取扱場以外の施設又は区域で、これを行つてはならない。ただし、食用に供する目的で解体する場合及び都道府県知事の許可を受けた場合は、この限りでない。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律

(焼却禁止)
第16条の2 何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。
1.一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却
2.他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
3.公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの

※環境省見解では、家伝法の焼却処置は、廃処理法の適用を受けないとの事。 周りが文句を言わない限りは。

屠畜銃(スタンナー  要許可)は、警察の管轄であります。 
銃刀法



追記、5.19 リングワクチネイショーンが決定されたが、 外円は、半径7キロ範囲になりそうで、半径10キロは、ぎりぎりの範囲の可能性が、疫学調査を行う、獣医をと畜に駆り出している状況で、停滞している。この上に、ワクチン接種を実行する、獣医をどこから?。




FMD  資料

流石は、いい加減な事を書く、報道機関


社説:口蹄疫感染 全力で拡大の防止を




朝日新聞

2010年5月17日(月)付

社説
口蹄疫被害―拡大阻止に万全を期せ 宮崎県で広がる家畜の伝染病、口蹄疫(こうていえき)の影響が深刻になっている。



宮崎県が口蹄疫感染見逃す、初確認3週間前

(2010年5月18日 読売新聞)



「普段の下痢」…宮崎県が口蹄疫発生見逃し





極めつけ

宮崎県議会議員 横田照夫氏のブログ「心豊かに暮らそうよ」

マスコミに怒り

2010-05-17 Mon




パロマ元社長ら有罪判決 湯沸かし器事故で2人死傷
 東京都内で2005年、2人が死傷したパロマ工業製ガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故で、業務上過失致死傷罪に問われた元幹部2人の判決公判が11日、東京地裁であり、半田靖史裁判長は元社長小林敏宏被告(72)に禁固1年6月、執行猶予3年、元品質管理部長鎌塚渉被告(60)に禁固1年、執行猶予3年を言い渡した。

 判決は「元社長ら2人は事故発生を予見することが可能だった」と認定。「消費者に注意喚起を徹底し、すべての製品を点検・回収する安全対策を講じるべき義務を怠り、放置し続けた過失があった」と指摘した。

 製品自体の欠陥ではなく、修理業者による不正改造に対する安全管理をめぐり企業トップが刑事責任を問われたのは異例。求刑は小林被告に禁固2年、鎌塚被告に禁固1年6月。両被告は無罪を主張していた。

 検察側によると、不正改造に基づく同様の事故は1985〜01年に全国で13件発生し、計15人が中毒死。両被告が(1)05年の事故発生を予見できたか(2)消費者への使用中止の注意喚起や全製品の点検・回収など安全対策を講じる義務があったか―が主な争点だった。

2010/05/11 14:16 【共同通信】



  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−

刑事訴訟として、だけで、今後の事故への究明、再防止へは、どうなりますか。

 消費者庁は、原因究明に役立つのでしょうか

臨時 vol 4 「日本のマスコミは死人に口なしを許すな:パロマ事件に寄せて」医療ガバナンス学会 (2007年2月25日 16:12) |

           千葉大学大学院医学研究院法医学教室
                  教授 岩瀬博太郎




 昨今、パロマのガス湯沸かし器事件がマスコミで盛んに報道され、企業の品質管理体制が問われています。はたして、この事件の原因は、企業の品質管理体制だけなのでしょうか。この事件は我が国の監察医制度や司法解剖の問題点を浮き彫りにしたという側面もあります。もし、我が国の監察医制度や司法解剖の体制が整っていたら、多くの死亡は防げた可能性が高いと推測されます。しかしながら、現在のマスコミでは、監察医制度の問題は議論されていません。おそらく、法医学分野の専門性ゆえ、壁が高くなっているためでしょう。パロマガス湯沸かし器事件は企業の品質管理体制の強化に加え、監察医制度や司法解剖の体制が整って初めて、解決したと言えると考えています。

 今日の投稿は千葉大学法医学教室 岩瀬博太郎教授です。岩瀬教授は我が国の法医学研究の第一人者で、解剖にCT検査などを取り入れたユニークな試みで知られています。日本の監察医制度や司法解剖の現状を述べ、その見地からパロマ問題も議論しています。




 法医学とは、法律に関わる医学的諸問題を広く取り扱い、これらに対して医学的に公正に判断を下していく学問であるとされており、本来死人とばかり接する学問ではない。そのため、諸外国の法医学は、生きた患者さん(虐待やレイプ被害者など)にも接することも多いようだが、日本の法医学は死人とばかり接しているのが現実だ。それにはいくらかの理由がある。

 生きた人が交通事故で鞭打ち症になれば、首が痛むなどの訴えをすることができる。場合によっては、損保会社から治療費を請求することも出来るだろう。しかし、死人は喋ることができない。

 作業中に2メートルの高さから転落して死亡した作業員を解剖したことがある。一見すると大した外傷もない死体で、病院に搬送された時に、全身のレントゲン写真とCTを実施し、死因が外傷によらないと判断され、臨床医は状況からも心筋梗塞と診断していた。しかし、警察のほうで、転落直後の死亡であったため、念のため解剖すると、第2頚椎が骨折していたことが判明した。ヘルメットをかぶっていたため、転落の際の頭部打撃時に、頭部に損傷を残さずに頚椎が骨折したのだ。生きている人間であれば、首が痛いと主張もでき、頚部に対しての三次元-CTなどを実施できるが、死人は、首が痛いとは言えないので、臨床診断も誤るのだ。もし、臨床医の診断したように、心筋梗塞での死亡となれば、労災での死亡と認定できずに、遺族など生きている人間に不都合が発生することは明らかだ。このように、死人は喋ることができないが、だからといって、死因診断を誤ると、生き残っている者にとって法的問題が発生する。だから、法医学者が解剖という手段により死人の声も聞く必要性が出てくるのだ。しかし、日本の法医学は、大変貧困な状況にあり、死者の声ばかり聞く羽目になってしまった。しかも、最近はそれすらする余裕がなくなっている状態である。そのため、死者の祟りか、多くの犠牲者が同じ原因で死亡するという事態が続発しつつある。また、医療界においては、遺族の医療不信の増大から、訴訟が増え、医療崩壊が叫ばれるようになっているが、こうした医療崩壊に先行して法医学、死因究明制度の崩壊があったのではないかと思えるふしもある。いくつか例を挙げてみたい。


1. 続発する一酸化炭素中毒死

 数十名の方がパロマ社製のガス湯沸かし器のせいで、一酸化炭素中毒で死亡した。しかし、多くの事例は、日本の法医学が発達していれば死なずに済んだ事例であるといえる。例えば、北海道の北見市では、1989年に、遺族が一酸化炭素中毒ではないかと騒いでいるのに、警察が事件性なしということで、司法解剖もせずに心不全と診断したケースがあった。この被害者は、その後パロマの被害者と認定されるのにさえ困難を来たしている。また、1989年の時点で、一酸化炭素中毒と診断されていれば、その後のパロマの事件や、リンナイ製のガス湯沸かし器の事件も予防できた可能性がある。一連の事件で死者が多発したのは、パロマ社の責任だけではない。簡易な初動捜査で犯罪性がないと判断されるものは、充分死因究明されないし、また警察の得た情報が捜査上の秘密として開示されないという日本の死因究明制度の不備と密接な関係がある。


2. 茨城の保険金殺人事件

 2000年8月21日に、宇都宮で監禁致死事件が発生した。この件で逮捕され、死刑判決を受けた死刑囚が2006年になって衝撃的な上申書を提出した。2000年8月15日に茨城県城里町で男性の死体が発見された件に関して、自分が殺害したというのだ。当時、警察は、簡易な状況捜査の結果のみから、犯罪性なしとし、司法解剖もせずに、検案した医師から病死との診断を取り付けて捜査から手を引いていた。上申書によれば、この件は、アルコールを多量に飲ませて保険金目当てで殺害したものだった。もし、この件が、司法解剖され、病死ではなく、アルコール中毒での死亡であることが発覚し、どこで飲んだのかや、保険金の掛け金などの調査がされていれば、加害者に対して心理的プレッシャーをかけることで、数日後に発生した監禁致死事件を防げた可能性がある。この事件も、簡易な初動捜査で犯罪性がないと判断されるものは、死因究明されないという日本の死因究明制度の不備により発生した事件といえる。


3. サリチル酸を用いた保険金殺人事件

 1998年8月に松戸市の病院に、男性が心肺停止状態で運ばれてきた。病院は、死因が不明であると思ったものの、異状死届出はせずに、死因を急性心不全(病死)と判断していた。その後、男性には多額の保険金が掛けられていることが発覚し、保険会社が民事訴訟をおこしたところ、民事裁判の方で、フィリピン人妻による殺人認定がされた。しかし、この件では血液保管などが充分されておらず、刑事事件としての立件に難航している。また、この男性の前にも、同じフィリピン人妻周囲で男性が変死し、多額の保険金が掛けられていて、そちらも病死とされている。このケースは、日本の医師が異状死届出をしない独特の風土と密接な関係がある。日本では、司法解剖をするインフラも、検視専門の警察官も不足しているため、病院が異状死届出をしても、警察官が真面目に死因調査をしてくれない。その結果、医師は、異状死届出をしてもそれが無駄であることを知っていて、異状死届出率が世界的にも低くなっている。その結果、死因不明の死体であっても死因が調査されないので、病院内外の死亡事例で、薬物を用いた他殺事例が多く見逃される事態に陥っている。


4. 医療事故で解消されない遺族・医療者のストレス

 米国型の思考が広まるにつれ、日本国民の権利意識は増大しつつある。医療事故が発生した場合も同様で、従来は遺族が納得していたケースでも、納得しなくなってきている。遺族が医療行為に疑問を持ったとき、亡くなった病院で病理解剖をしてもらうのは客観性に欠くのだが、死因を客観的に調べてもらう機関は、警察以外に存在しない。結果、遺族は警察に泣き付くしかない。しかし、日本の警察はマンパワーがなく、業務上過失致死の疑いの強そうなものだけを捜査対象とし、その他のものは、捜査中として棚上げしてしまうことが多い。また、司法解剖の結果は、捜査情報として開示されず、民事裁判や裁判外紛争処理機関(ADR)で解剖結果等を活用できないため、刑事手続以外の手段での真相究明は妨げられている。さらには、日本では、異状死届出をして、警察が関与すると犯罪として捜査されるという認識があるため、臨床医が医療関連死を異状死として届け出ることには著しい抵抗感がある。このように、現在の貧弱な死因究明制度は、遺族、医療者双方へ、大きなストレスを発生させている。一方、他の先進国においては、異状死届出後の司法解剖は、犯罪捜査の目的ではなく、死因究明のため
に実施されているので、医師に異状死届出のストレスはさほどないという。また、司法解剖の結果は日本より柔軟に開示されるので、刑事手続以外での真相究明も望めば可能となっている。

 ざっと列挙してみたが、その他にも、薬物を用いた保険金殺人の見逃しや、労災、事故、流行病等の見逃しは多発しているとされているのが日本の現状だ。

 何故こんなことがおきるのだろうか。それは、解剖の執刀医と検視専門の捜査官が少なすぎ、薬毒物の検査拠点が1つも存在しないという状態が、縦割り行政の下で放置されてきたことが最大の原因だ。日本の死因究明におけるキャパシティーの低さは、他の先進国では、諸地域ごとに立派な法医解剖施設が存在するのに対し、日本の各県にはそんな施設は1つも存在しないことを見れば一目瞭然だろう。
日本では、解剖などの医学的検査を実施するインフラがないので、殆どの死因不明事例で死因究明ができないのだ。そのため、初動段階で犯罪性の有無で死体に線引きし、極力解剖しないように運営せざるを得ないのだが、そうした運営では、犯罪も見逃すし、医療事故を含む事故や災害などに対応できなくなってきているのだ。

 日本は、死因究明に関して予算化を怠ってきた。大学で実施される司法解剖は文部科学省任せであったが、法人化された現在は、文部科学省が経費を支払う根拠を完全に失った。行政解剖(監察医制度)については、費用負担者を決める法律すらなく、横浜では遺族に費用を負担させているし、東京、大阪、神戸、横浜以外の自治体では、行政解剖を広める気配すらない。今後、死因究明を巡る法整備や予算化がされなければ、法医学者は絶滅し、死者の祟りは益々強くなっていくだろう。

 不思議なのは、死因究明制度の不備といった同じ社会的病理から発生する死亡事件が後を絶たず、被害者が続発しているというのに、それについて騒がない日本のマスコミでもある。マスコミが死因究明の現状をあまり報道しないのは、日本人が解剖を嫌いだからという背景があるのかもしれない。しかし、解剖の必要性について充分説明をした場合、遺族の解剖承諾率は8割以上であるとされるし、鹿児島、千葉の変死体解剖率がそれぞれ1%、3%なのに、沖縄、東京の解剖率はそれぞれ12%、18%で、この地域較差を「日本人の解剖嫌い」で説明することは困難だろう。日本人の国民性が他国に比べて解剖嫌いというわけではなく、警察が面倒な解剖を避けている、あるいは、解剖したくてできないから解剖率が低いだけなのだ。仮に百歩譲って日本人が解剖嫌いだとしても、何故解剖の代わりに、CTやMRI、血液検査を導入して、適正な死因診断をしてこなかったのだろうか。よく考えれば、死因究明に関してはおかしな点はいくらでもあるのだが、これまで、国民が、真実を知らずに、考えてこなかっただけだ。それも、マスコミが真実を報道してこなかったためでもある。

 生きた患者や犯罪被害者は、自己の正当な権利を主張することができるし、その声を聞いた政治家も動き易いだろう。しかし、死者は喋ることはできない。死者を代弁するのは法医学者かもしれないが、法医学者はもはや絶滅危惧種で、死者の声を代弁することもできなくなっている。マスメディアはこのことを充分認識し、死因究明の現場で起こっている真実をこれまで以上に積極的に伝えていくべきではなかろうか。法医学者が絶滅し、被害者が続発した後に気づくようでは、これから犬死にする国民とその家族があまりに気の毒だ。

.
おみぞ
おみぞ
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事