散策思索語録質種

絵本もどきの落書きと、エッセイもどきのひとりごと・・・

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シェル=シルバステイン

電車の中で読める手頃な英語の本を探していた。ペーパーバックスでも良いのだけれど、それほど英語力もなかった(今でも自慢できるほどではないけれど)から、コミックでも良いと思っていた。 ところが、コミックすなわち漫画と言えば、普通、子供向きと短絡的に考えてしまう。実際は一筋縄の相手ではないのだ。チャールズ=シュルツのピーナツなど代表的なものだが、ネイティブでなければわからないような言い回しが使われていたり、アメリカの生活文化にも明るくないと理解できない情況設定も多い。初級者にはかなり手ごわいと覚悟しなければならない。
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そんなある日、近くの書店で古書フェアをやっていたので、ぶらっとのぞきに入ってみたら、1冊の絵本が目に止まった。 The_Giving_Tree(邦題:おおきな木)という本で、手にとって開けてみると、魅力的なイラストと共に短い数行の英語が書かれてある。しかも、ほとんど気にせずに読み進められるくらいに簡単な英語である。ページをめくるほどに、完全に虜になってしまった。 なんて素敵な絵本なんだろう!

裏表紙を見ると、スキンヘッドで髭面の男性の写真が載っていた。作者のShel_Silverstein(シェル=シルバステイン)という人は漫画家であり、詩人であり、音楽家でもあったシカゴ生まれの自由人。1999年、69歳で惜しまれながら亡くなってしまったが、彼が残した作品は今でもアメリカの多くの人に愛されている。 以来、手当たり次第にシェルの本を手にするようになった。和訳も悪くはないけれど、原文が良い。原文の方がシェルと直接対話している気分になるからだ。そんなわけで、どのような邦題がついているのか全く知らないのだが、LAFCADIOというライオンが人間になってしまう話は大笑いだし、A_Giraffe_and_a_Halfは声に出して読むだけでとても愉快な気分になる。 ガキの頃漫画家になりたかった私にとって、絵本とか童話というのはあまり興味のわかないカテゴリーだった。あこがれの人はやはり、手塚治虫さんとか石森章太郎さんという、神様みたいな人たちばかりだった。ところが、シェルの作品に触れてから考え方ががらっと変わった。絵本とか漫画とか型にはめるのはやめた。要するに、読む人が愉しめて、かつ、心にメッセージが届けば良いのだ。 子供から大人まで共感できるテーマで、表現方法にこだわらずにみんなが愉しめる作品を作る。それが理想である。もちろん、私など才能のない、ただの面白がり屋にすぎないけれども、どうせ下手くそな落書きなんだから、シェルのように自由奔放に描いてみたい。そんな風に思うのだ。 そういうものは、おそらく日本の出版業界やメディアには受け入れられないだろう。それより、漫画やアニメのような世界に誇る文化で、金になる作品でなければ日本では価値はないのだ。 しかし、海外を見渡せば、そんな既存の枠から飛び出した実験的な作品が少なくない。世界は広い。例えば、アンディ=ウォーホルのようなポップアートだって、何かにつけて型にはめようとする日本の風土の中では生まれないのではないか?日本はいつも二番煎じで、質の良さで先駆者を追い抜くのが昔からのお家芸だ。品質は私の専門分野だけれど、最後は独創性に敵わないといつも思う。 「ビリオンズ」や「幸福の村」は、そんなささやかな抵抗から作ってみた作品である。あるいは、HPの「品質でもうけなさい」というシリーズも表現上の実験を兼ねて書いている。確かに一般受けはしない。けれども、近作の「鉄の猫」のように面白がってくれる人もいることは事実だ。それが励みになる。 シェルにはなれないけれど、シェルと同じスタンスでこれからも記事が書ければと思う。

(2009/09/03)

閉じる コメント(8)

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こんばんは〜〜

実は…
ここ数年読書から遠ざかっていたのですが、『y』や『鉄の猫』を読ませていただき、図書館通いを始めた次第です。
ただ、どんな本がいいか?それが問題なのです。
今のところ、手当たりしだいといった感じで、タイトルに惹かれるのもがあれば読む。それだけなのです。

『鉄の猫』を読んで思ったことがありまして…
童話のような内容で大人が楽しめるなんてすごいなぁ〜
そんな本が他にはないかなぁ〜

サスペンスのように頭を使うのではなく、イメージを頭の中で膨らませて一人ニヤニヤできるようなそんな本と出会いたいです。

2009/9/3(木) 午後 9:34 CANDY

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CANDYさん、おはよう。
私も読書にのめりこむ時期があるかと思えば、全く読まない時期もあるという、そのくり返しです(笑)。
ただ、読むときは手当たり次第というより、同じ作者を追ったり、共通のジャンルで探したりという感じです。
以前読んで、面白かったのを再読することも多いです。前とは違った感想を持つことがあって興味深いです。
メディアで紹介される話題の書やベストセラーは、どういうわけか読んでがっかりすることが多いので、あまり追いかけることはしません。
自分だけのお気に入りを見つけることが、私のお薦めです。その意味では、今は手当たり次第で良いのではないでしょうか。

2009/9/4(金) 午前 7:45 面白狩り

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こんにちは。
私は、表紙に魅かれて本を買う時もあります。
きれいな写真が載っていたり、目をひく絵が描かれていたりするとついつい手が伸びてしまい、食事のおかずが一品減るのです。笑い
表紙に魅せられて買った本は最後まで読まない事が多いのですが、
「あ、こんな本あったんだ。」と思う頃読み返したりします。

面白狩りさんとの共通点見っけ!です。
私も、ある作者が気に入ればその人の本を読み続けるタイプなのです。

2009/9/4(金) 午後 4:18 aoba

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aobaさん、こんばんわ。

表紙に魅せられた本は、その表紙に価値があったんですよ、きっと。
だから、中身をすべて読まなくても、ちゃんと元は取っていると思いますよ。

一人の作者に集中する読み方は良いのですが、
偏りが過ぎると、友だちと話が通じなくなって困ります。
この場合、完全にオタク扱いされますね(苦笑)。

2009/9/4(金) 午後 8:38 面白狩り

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おはようございます。
はい、まさにオタク扱いされています・・・・。
そこで、私は家族引き込み作戦に出るのです。
そうすれば、家族間だけでも話が出来ますので・・・。
ちょっと、さみし〜ですが・・・。

2009/9/5(土) 午前 8:31 aoba

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aobaさん、おはようさん。
でも、まあ、紹介したり推薦したりして、相手が興味を持ってくれるのを見ているのも愉しいですけれどね。
内輪だけでも、共感してくれる人が一人でもいれば嬉しいものです。
この書庫はまさにそんな感じの、私の個人的な趣味を気ままに書いているんですけれども、独りよがりの記事ばかりでなかなか感化させるのは難しいですね(汗)。

2009/9/5(土) 午前 10:49 面白狩り

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こんにちは〜〜

トラックバックできましたぁ。

2009/9/11(金) 午後 3:12 CANDY

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CANDYさん、トラックバックありがとう♪

2009/9/11(金) 午後 8:01 面白狩り

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