散策思索語録質種

絵本もどきの落書きと、エッセイもどきのひとりごと・・・

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剣客商売

ああ、また読んでみたいなと思わせる本がだれにでもある。そんな言い方をすると、不朽の名作とか奥深い哲学書のような立派なものを思い浮かべてしまうかもしれない。しかし、ちょっとニュアンスが違う。ざっくばらんに、うーん、あの本また読みたくなったなあという感じである。 池波正太郎さんと言えば、TVドラマでもお馴染みの時代小説の超人気作家。通勤の帰り道に本屋で手に取って、あまりに面白いので次から次へと巻を進めたものだ。 あるとき、一番好きな小説はと聞かれて「鬼平犯科帳」と答えたら、女性たちからクスクス笑われた。オヤジ趣味ということのようだが、大きなお世話だ。おじさんは基本的に侍ものが大好きなのだ。人情がらみで単純明快な筋立て、肩が凝らないのが良い。 無性に「剣客商売」が読みたくなって、番外編も含めた全巻を一気に読んだ。面白かった。「剣客商売」というと、主人公秋山小兵衛は先日亡くなった藤田まことさんの当たり役だったけれど、実を言うと藤田小兵衛は私のイメージとは違う。それは、ドラマより先に本を読んで、自分だけの秋山小兵衛があるからだ。
イメージ 1
私はドラマを先に見てしまうと原作を読む気にはなれない。同様に、評論家の書評を読んだり、ベストセラーという触れ込みに振り回されるのも好きではない。他人が作り上げたイメージが先入観になってしまうのがいやなのだ。実際、秋山小兵衛は、池波正太郎さん自身も、歌舞伎俳優の中村又五郎さんをモデルに風貌を描いたと仰っている。それぞれの秋山小兵衛があって良いと思う。 私の場合は、宮口精二さんという東宝の古い俳優さんを思い浮かべる。地味だけれど、黒澤明監督の名作「七人の侍」で剣の技を純粋に究めんとする使い手を演じた、いぶし銀のような役者であった。私の頭の中では、宮口精二さんがいつも秋山小兵衛を演じているのだ。それがとても愉しい。

ドラマを見たことがない人には「剣客商売」はお薦めの痛快時代小説だ。あまり先入観を与えたくないので、それ以上のことを語るのは控えよう。あなたの頭の中ではどんな俳優が演じるだろう。語り合うことができたら、それもまた愉しいことだろう。 活字離れが進んでいるという。オリジナルの作品に触れる前に、脚色され演出されたドラマや映画を見て、勝手にイメージを刷り込まれてステレオタイプが作られてしまうのは、なんて不幸なことだろう。 ジャンルは問わない。何の予備知識もなく、読んでみて満足感が十分味わえたら、それは本物だ。きっと、いつかまた読み返してみたいと思う。他人にとっては紙クズ同然でも、自分には貴重な宝物なのである。 うーん、また読みたくなったなあ・・・あの本・・・それは秘密・・・。

(2010/03/29)

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こんばんは〜〜

ケーブルテレビで時代劇専門チャンネルという番組があって、そこで
両親は毎日のように時代劇を見続けています。
母は剣客商売が好きだと聞いたことがあります。

ところで、剣客は『けんかく』と読むのだとばかりおもっていましたが、『けんきゃく』でないと変換してくれないということは間違って覚えてしまったのでしょうか???

2010/3/29(月) 午後 10:24 CANDY

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CANDYさん、コメントありがとう。
ね。お年寄りは時代劇が大好きなんです。
話が単純でひねくれていないからですかね。いくら見ても疲れない。
着物姿も目に優しい。
ケンカクも間違いではないと思いますよ。どちらもありだと思います。

2010/3/31(水) 午後 10:43 面白狩り


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