| ちょうどこの時季、真っ赤な薔薇と香りのジャスミン。巧い具合に組合せて、道行く人の目を誘う。きっと、この家の自慢のコラボだ。 本当は薔薇にだって香りがあるのだけれど、ジャスミンと一緒にされたら到底太刀打ちはできない。いくら香りのブレンドと銘打っても、ほんの隠し味にもならないだろう。その代わり姿形は文句なしに薔薇の勝ち。ジャスミンの白は専ら脇役に回る。 単体の美しさを楽しむのも良いが、こうして組合せた花もまた面白い。その構成美の粋が生け花なのだろう。組み合わせる、協力する、1+1が3にも4にもなる、その調合の妙は芸術そのものである。 ブレンドと言うと、喫茶店などで最も手頃で安価なコーヒーというニュアンスになる。ところが、自家焙煎の珈琲屋のマスターが言っていた。コーヒーを知らない奴ほど、ブルマンとかモカといった単品の銘柄を飲みたがる。ブレンドとは、その店で最も上質の味と香りを追究した自慢のコーヒーのことなのだと。納得である。 組み合わせる技巧。組み合わせる面白さ。確かに他の芸術も、素材を組み合わせて作品を作る。単色の絵、単音の音楽、単語だけの詩歌では、味もそっけもない。裏返せば、ブレンドによって至高の域にいかに達するか。恐らく、そこにジャンルは関係ないだろう。その追究によって意外なものに芸術的価値が生まれるのである。 |
(2010/05/18)
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