| いつものように5時前に目が覚めて、空を見上げると青空も出ているから、これは良いコンディションで見られそうだとほくそえんだ。 いつものように散歩に出て、東の空にときどき目をやると、怪しい雲がゆっくり北上している。関東は南の方ほど雲が掛かりやすいと言っていたが、なんとか我慢して欲しいと天に祈りながらの歩きに全然気合いが入らない。雲はどんどん厚くなり、家に戻ったときには雨粒が落ちてきた。ああ、神さま・・・! テレビはどの局も今日の天体ショーで持ちきり。東京も静岡も良い天気で、どうやら間の神奈川だけがアウトのようだ。残念無念・・・! テレビではっきり見えるから良いじゃないかという意見もある。しかし、そういう媒体越しのバーチャルな映像で満足するとは、なんてつまらない見方なんだろう。確かに肉眼で見る実際の姿は遠く小さく見難くて、BGMもアイドルもいない。でも、その取るに足らない光景に心を動かされるところが本物の良さなんだけれどね。 ガキの頃、遠足や運動会で天気が悪くなると、普段の行いが悪い奴がいるなんて揶揄された。ふん、それが本当だとしたら、この悪天候は今の総理大臣と電力会社のせいだ!・・・と、そう思うことにして諦めた。 が、いよいよ金環食の時間帯になると、折角だから見てみようよと、晴れ女を自負する老母が庭に出て空を見上げる。すると、どうだ。ときどき雲間に薄っすらとリングが顔を出すではないか! 老母は冥土の土産に有難いものを拝ませてもらったと大喜びだ。いやいや次は300年後だと言うから、誰もかれもが冥土の土産。 自分のいる場所とお天道様の間にお月さんがいるという、そんな位置関係を頭の中で描きながら、じっくりありがてえものを見せてもらいやんした。 |
| ◇金環食(きんかんしょく)_太陽が月に隠されて欠けて見えるのが日食で、月が地球から遠い位置にある場合に金環食が起こる。逆に近い位置にあると皆既日食になる。この位置のずれは月の軌道が楕円になっていることから起こる。(2012/05/21) |
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