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| 少しヒザを曲げてみれば、かつてだれもがその目の高さでした。覚えている?こんな景色、あんな遊び、そんな出来事・・・
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| 地方によっては 同じ名前の違う遊びがあるかもしれない うちの学校ではこれを天下取りと呼んでいた 1対1の勝ち抜き戦で ドッジボールなどで使う大きめのボールを 両手で股間から放り投げる ボールが取れなかったり足の位置が動いたら負け ただし 両腕をクロスしてボールを取ったら三歩動ける 片手でボールを取ったら片手で上から投げられる 手を伸ばしても届かないところに投げるのは反則 でもそれを取ろうとして動いてしまったら負け それほど広いスペースがいらないので 校庭が他の子供たちで一杯で ドッジボールの広さが取れない場合に 隅っこで遊んでいた マイナーな遊びだったけど やればそれなりに面白かった |
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| お母ちゃんが来て 無言で座布団を敷くと そこに座りなさいと言われて 両手を前に出しなさいと言われて うむも言わさずに毛糸を掛けられて もくもくと毛糸玉を巻き始めて 肩と腕が痛くなってきて もう止めたいなあと思ったら また新しいのを掛けられて 足がだんだんしびれてきて ようやく全部巻き終わって お手伝いしたんだから お駄賃をくれるのかなと思ったら はいありがとうのひと言だけで さっさと片付けを始めるから なにか頂戴と言ったら これあなたのセーターなのよって うーん、ボクはセーターより お小遣いの方が良いんだけどなあ |
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| 多分きっと誰も見たことがない ボクだけが見ることのできるモグラの道 大通りの石畳の歩道を 足元を見ながら歩いていると ときどきカクカク動いて見える あれれと思うと普通の道 でもまた見てるとカクカク動く 一体全体なぜなんだろう? 地面の下で何かが動いたのかな それならモグラかもしれない あ、また動いた、モグラの道だ って、ずっと信じていた 実は目玉が視界の動きについていけずに カクカク動いているだけなんだと 知ったのはずうっと後のことだった それまではボクは地面を見通す スーパーマンの目を持っているんだと 本気で信じていた |
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| 松落葉は夏の季語 でも、松は常緑樹なので一年中葉が生え変わる 松の木の根元に行ってみよう 針のような細い葉が枯れた色して落ちているよ お友だちと松落葉を拾って 二股を引っ掛け、ゆっくり慎重に引っ張りっこ 切れちゃったら負けぇ 一番強いのはだれの松葉かな 連戦連勝と思いきや だんだん根っこがくたびれてポワンと切れてしまう よーし、もっと強いやつを見つけるぞ 松葉はいくらでも落ちてるもの |
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| ばあちゃんニコニコ手招きし おいで良いものあげるって お目々つぶれば手の中に 六角形の紙の束 小さな孔に口つけて ぷーっとふくらませてみると 四角い形の紙風船 お手々でポンと打ち上げて フワフワ揺れて落ちてくる ばあちゃんどこでもらったの 越中富山の反魂丹(はんごんたん) 鼻くそ丸めて万金丹(まんきんたん) それを飲む奴アンポンタン ばあちゃん笑ってシャレを言う 薬屋さんがくれたのね だからちょっぴりこの風船 風邪コンコンや腹いたの 時に飲んだお薬の 苦いにおいがするんだね |
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