散策思索語録質種

絵本もどきの落書きと、エッセイもどきのひとりごと・・・

季節の素描

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雨上がりの街 季節の移ろいを愉しみながら、感じたこと気付いたことを思いつくままに。
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春泥

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駅まで普通に歩いて15分くらい。足の速い人なら10分で着くかもしれない。去年までそこは高い空に雲雀がよく鳴いていた空き地だった。 そこに大きなマンションがいくつも建って、そんな住宅地の中を路線バスが通る。こんなところに路線バスを走らせて、利用する人がいるのかなと思っていたら、近頃は暁闇の中を停留所に並ぶ人の姿がいつも見られる。 公園を一つ抜ければ向う側の通り。2〜3分で6つ先のバス停に出るのに、だれも歩こうとはしない。早目に席を取って楽をしたいのか。そうだとすれば、この健康ブームにこいつらみんなメタボ親衛隊じゃないか。それとも最近越してきて知らないだけなのか。 さすがに子供や学生は立っていないけれど、さりとて公園を通り抜ける姿もなくなった。そろそろ試験も終わって休みに入ったのかと思ったら、そうではない。冬の間なら、霜柱をザクザクと踏んだ道がパサパサに乾いたろうに、このところのはっきりしない春の天気で水分も中途半端に残って泥濘になっているからだ。 公園道は通らずとも、若者はバスを使うほどやわではない。少しくらい遠回りでもしっかり自らの足で駅に向うのだ。 春泥を避ける生徒の急ぎ足

(2010/03/04)

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春の小川

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森林公園を流れる小川。北風が吹いていたときは飛び上がるほどに冷たい水だったろう。手を差し入れるどころか、固く凍りついていたような印象がある。しかし実際は同じようにチョロチョロ音を立てて流れていたはずだ。両側の草もこの通り枯れずにいたと思うのだが、その記憶がない。 ここ数日、空の色も透き通る青ではなく、陽光が乱反射してなんとなく柔らかく感じる。それでも夜明け前の空気に手をさらせば、やっぱり指先が冷たくなって手袋が欲しい。季節が少し進んだ、それだけの違いなのだけれど、水音がはっきりとしている。 歩く人の数は増えているし、鳥のさえずりもにぎやかだ。でも、水の音がこんなに大きく聞こえるのはなぜだろう。これが北の山村なら雪解けで増水したからとも言えるだろうけれども、大都会の郊外にそのカラクリは当たらない。 水音を聞いていると脳波にα波が生じて気分がリラックスすると言う。なるほど、だから歩いていてあくびが出てくるのか。寒さが弛んで起きるのは辛くないのに、顔を洗って一段落しても眠気が取れないのである。 春の小川はさらさら行く、小学校唱歌の如しである。岸のスミレやレンゲの花には咲けよ咲けよと囁くけれど、道行く人には休め休めと囁いているようだ。大通りに出る頃には目を覚ましてしゃんとしなければと思いつつ、立ち止って目を閉じる。 春水の響きを浴びて夢の中

(2010/02/25)
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山のは

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昨日は平成22年2月22日ということで、2が5つも並んだ切符を記念に買った人も多かったらしい。こういうのは日本国内だけのことで、だからどうしたという話でもあるのだが、それで気分が変わるならそれも良かろう。 これと同じような話だが、2月23日は223の語呂合わせで富士山の日なのだそうだ。なるほど富士山なら確かに縁起ものだ。これで実際の山の端が見られるなら申し分ないのだが、残念ながら今朝はどんより曇りがち。西の空は丹沢すら見えないくらい厚い雲に覆われている。ついてない・・・まあ、科学的根拠のない単なる気分の問題でしかないのだけれど。 そう自分に言い聞かせて後ろを向いた目の先に白い壁。なんとなくそこに山の姿が見える。葉の形はプミラのようだが、こんな風に壁を這うものなのだろうか。正しい種類はわからない。面白いのでカメラに撮ってみると、これは立派な緑の富士だ。ちょっと形が急過ぎる感じもするけれど、北斎の浮世絵に描かれるのはこんなもんじゃない。 うむ。富士山の日に立派な山の葉を見たぞ。こりゃあ縁起が良い・・・と少しばかり良い気分になって帰るのである。 日本人というのは単純なものだ。・・・いや、お目出度いのは自分だけか。

(2010/02/23)
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童話の道

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チャリンコをとばして久し振りに森林公園を訪れたら、一番お気に入りの水生植物園が改修工事のために一部通行止めになっており、少し興ざめの土曜日の散歩である。それでも、蝋梅の根元に今年も福寿草が可憐な黄色い花を開いていたし、ところどころ紅梅が香っていて、見どころは尽きない。 そんな公園の中。高台の広場の脇に、ちょっと面白い垣根が並んでいる。葉の感じからツバキの仲間、多分ヒサカキと思うのだけれど、木の種類はよくわからない。前々から気付いていたのだが、二列に並んだ垣根の中が小径になっており、子供たちの格好の遊び場になっている。 枝が低くて幅も狭いので、さすがに中に入る物好きな大人はいない。いつか中に入ってみようと思っていたものだ。散歩人が通り過ぎた後に、思い切って入ってみるとどうだ。これはヘンゼルとグレーテルの世界。チルチル・ミチルかムーミンか。まるで童話の中に出てくるような小径ではないか。 ニヤニヤしながら童話の小径を通り抜けたら、ミニチュアダックスを連れた若いお母さんと男の子からジロジロ見られてしまった。まあ良いではないか。むさ苦しいおじさんもたまには無邪気な頃に帰ってみたいのだよ。

(2010/02/20)

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08/11/24 山茶花 09/03/05 金柑 09/05/22 定家 

水の変容

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先週の前半は初夏を思わすほどの陽気で水も温み加減だった。あちこち黒い泥の踏み跡が残り、その後空気が乾燥してパサパサの土となっていた。この冬はこれでもう霜柱を見ることもあるまいと思っていたら、ここ数日の降雪である。雪を降らせた低気圧が東に抜ければ、冬の気圧配置となって一気に気温が下がる。雪が解けて土に含まれ、それが凝固して見事に霜柱が立った。日が高くなれば温められ、春風が水分を奪い、再びパサパサの土になる。 「人間の意図とは全く関係のないところ」で、こんな大規模な水の変容を何回も繰り返して冬が去り、春がやってくる。そう思うと、やはり自然とはすごいものだなあと素直に感動してしまう。そう思うのはノンキな閑人だけかもしれないが。 ところで、もしこの変化を人工的に作るとしたら、どれくらい大きなエネルギーが必要となるのだろう。難しい計算なんかしなくても、ちょっと想像力を働かせるだけでよい。例えば、目の前のこの霜柱を作るなら、この敷地くらい大きな冷凍機が要る。霜柱が立っているのは街中、いや、関東地方全体が冷気に包まれるわけだから、それはそれは大きな冷凍機が必要になるわけだ。その冷凍機を動かすのに必要な電力の大きさたるやもう想像をはるかに超える。 自然とはなんと偉大で、それに比べて人間はなんとちっぽけで哀れな存在なのだろう。 そのように言えば、ほとんどの人が共感する。例えば、アルプスのような峰々や太平洋のような広大な海を眺めていると、同じような感動を覚えるだろう。そして、人間の営みなど高が知れていると、無邪気にみんながそう思うのである。普通はそれで満足し、それ以上の追及はしない。良い気分に浸りながら、そのうちこんな話は忘れてしまうのだ。 こうして、事あるごとに勝手に心を動かし、人間の些細な日常生活について正当化するのである。しかし、それが温暖化や自然破壊をもたらしているという事実に注意を向けようとする人は少ない。 「人間の意図とは全く関係ないところ」の変容が恐ろしい。オレは関係ねえとは言えない現実から目を背けてはいけない。ふとそんなことを思う寒い朝だ。

(2010/02/19)

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