散策思索語録質種

絵本もどきの落書きと、エッセイもどきのひとりごと・・・

庭先の博物誌

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お天気花 毎朝、小1時間のブラブラ歩きを続けています。庭先や野っ原、街角で出合った草木、虫、鳥たちに寄せて二言三言。このブログのメイン書庫です。                                                                     
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むかご

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お天道様が出るとまだ蒸し暑さを感ずる今はもう十月の半ば。日の長さだけは暦通りに短くなって、肉眼では明るい朝なのに、シャッターを切るとストロボが自動で焚かれてしまう。そのレンズの先に写るのは山芋のツル。葉の根元にむかごが付いている。 むかごは塩ゆで、油炒め、炊き込みご飯などにして食べられる。が、実は食べた記憶がない。田舎育ちの母に聞くと、あまり美味しくないので普通は食べないという。食べるつもりなら根っこを掘って本物の山芋を食卓に上げた方がましだと言う。なるほど、そんなもんか。 山芋は自然薯と言い、地上はこんなに華奢な姿でも、地下茎は立派な姿の芋になっている。むかごが落ちて、枯れ始めるころが掘りどきだという。 山が好きだった叔父は、折らず傷つけず小さな髭まで残らず丸ごと掘り出したものを持ってきては自慢していた。友人と三人掛かりで掘ったという、そんな芸術的自然薯を摺り鉦にかけるわけにもいかないとみんな呆れていた。 山芋は種子でも増えるが、雌雄異株で花の咲いているところは見たことがない。もっぱらむかごで増えるようだ。家の庭にも生えていたが、あまりに繁茂するので取っ払ってしまった。黄色く色付いた葉は庭の秋の彩りだったのだけれど。

(2010/10/14)

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ひさご

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散歩道の途中にある工務店の建屋をひょいと見上げると、大きな瓢箪がぶら下がっていた。 果肉を取り除いて乾燥させれば、時代劇に出てくるお馴染みの酒器となる。それ以外にこれといった用途がないので昨今はほとんど見ない。観賞用のつる植物というと、朝顔やヘチマの方がポピュラーだ。こんな風に実際に生っているのを見るのは稀で、私自身、前回見たのがいつだったか覚えていない。 言わずと知れた太閤さんの旗印だけれど、千生り瓢箪というのはもっと形が小さくて数が多く生る種類なのだそうだ。それを考えると、この瓢箪はまさに酒を入れる大瓢箪に違いない。まさか、工務店のおっちゃんたちがこれで酒盛りするわけでもあるまいが、見事なひさごの実である。 中国やインドでは邪気を祓う仙人の実とされ、様々な言い伝えがあり、諺も多く作られている。若者が仙人にもらった瓢箪を覗くと、中に青い炎に包まれた自分の姿。その炎は欲望の炎で、金や遊びにうつつを抜かして身を滅ぼす姿が見えるという話を思い出した。(←手塚治虫『ブッダ』象頭山の教え) 人懐っこい小型のポインターが飼われていて、頭を撫でると大喜びで立ち上がって顔をペロペロ舐めるのには参った。散歩着が泥だらけになってしまった。

(2010/10/08)

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瓦茸

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秋めくといっても、この急激な気温低下は一体なんだろう。平年並みに戻っただけというから、如何に今年の夏が暑かったかということだ。気象庁も異常気象と認めたそうだ。 認めて問題が解決するわけでもない。農作物の不作や海産物の不漁はそれを営む人々に深刻な打撃を与えているし、巡り巡ってわれわれの生活に影響が及ぶわけだから他人ごとではない。デフレが問題と言われても、庶民にとっては安い値段でようやく命をつなげているようなものなのだから。 おや、こんなところにキノコが生えている。カワラタケといって古い広葉樹に生えるサルノコシカケの仲間だ。暗がりにモノトーンが映えて、アラベスクのような自然の造形に目を見張る。 その一方で、こんなにびっしり生えていると、少しは食えないものかと思ったりするサモシイ根性。毒ではないが、残念ながら食用にはならない。ただし、制癌剤の成分を含んでいて、乾燥させて保存しておくとよいという記述を見つけた。役には立つようだ。 同じキノコのマツタケは全然だそうで、秋の味覚は軒並み高値のようだ。もっとも、そんなもの普通の年だって、一度口にできるかどうかの高根の花だけど。

(2010/09/24)

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山桑

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ヤマグワは正しくはお蚕さんの餌になる桑のことだが、初夏に白い花を咲かせるヤマボウシの別名でもある。この時季の赤い果実を桑の実に見立てて、そう呼ばれるようになったのだろう。実際、熟したのを口に入れると、果肉たっぷりで優しい甘さが広がる。 ヤマボウシの街路樹が並ぶ広い道。例年、実がつくのはその内の数本だけで、根元に数個落ちているのを見て気付く程度である。ところが、今年はほとんどの株に結実が見られ、高い梢に鈴なりになっている。あるいは、これも異常猛暑の所産かと疑ってしまう。 道行く人はだれも興味を持たないが、スーパーやコンビニで買ったものしか食べない都会人の普通の姿。気になるのは、鳥の姿が少ないことだ。 雑食のカラスやスズメ、ムクドリなどが来てもおかしくないと思うのだが、ほとんど姿を見ない。まさか、彼らもスーパーやコンビニの味に慣れてしまったとは思わないが、多分まだ豊富にいる虫の方が美味いんだろう。 暑さを嫌って山に逃げている、甘党のヒヨやメジロがいたら大喜びだろうに。もっとも、ヤマボウシ自体もともと山野に多く生える木だから、わざわざこんな殺風景な人里に下りてくる必要などないのかもしれない。 今日は久し振りに雨の予報。この雨が過ぎると、ようやく秋の気候と聞いた。長い夏だったなあ。

(2010/09/23)

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秋の香り

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ひと頃に比べると、さすがに夜は夏掛けだけでは寒い。それでも、この数日の朝は少し蒸す。今日はまた35度近くまで上がるというから、まだまだ真夏の暑さだ。 そんな中で、まさかこの香りに出合うとは思わなかった。緑地公園に向かう裏の通りである。どこから匂ってくるのだろうと周りを見回すと、大きな屋敷の塀の向こうにギンモクセイがあった。確かに白い花がついている。 ギンモクセイは、一般に人気のあるキンモクセイの原種。キンモクセイより少し早く咲き、香りも穏やかで微かに感じる程度なのが奥床しい。 植物が花を咲かせるのは、気温や日照時間など色々な要素が絡んでいると思うのだが、こんなに暑いのに秋の香りを漂わせるとは、カレンダーでも見ているのではないかと思ってしまう。自然の不思議を感じる。 今夜はひと雨来るとのこと。この雨で暑さは一段落になるという予想で、異常猛暑の今年でも、やはり、暑さ寒さも彼岸までということか。ちゃんと辻褄を合わせて来た。

(2010/09/22)

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