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皆様、ご無沙汰しております。お元気ですか? 先日、ある生徒さんがふと仰ったことで、考え込んでしまったことがありました。私は週に2回、その方の お宅でプライベートレッスンを行っています。その方は体が柔らかい方ではなく、床に楽にあぐらをかくように 座っても、両膝がぺタリと床に着かない方です。この3週間程で、目に見えて股関節が柔らかくなったようで、 大分開くようになってはきているのですが、両足のスネと膝の辺りを床につけることはまだできません。 伝統的に床に座る習慣のあるアジア人や、中近東の人々に比べて、欧米人が最初からそのように床に座る ことができないのは、よくある事ですので、私は最初の頃から「気になさらないで下さい。これは文化の 影響でもありますから。ご自分で楽だと思われる体勢でお座りになって結構ですよ。ヨガブロックや クッションを使用されても結構です。努力されることで、股関節は少しずつ必ず開いてきます」と言って きました。 昨日のレッスンで「○○さん、股関節が開いてきたのがお分かりですか?3週間前よりも随分床に近づいて きていますよね!素晴らしい進歩ですね!」と私が言うと、その方は嬉しそうに「そうなんです!クリスマス には、自分へのプレゼントとして、貴女みたいに床に両膝がぺタッとつくようにしたい。絶対そうなるように 頑張らなきゃ!」と仰いました。 それを聞いた時、私は「あまり頑張り過ぎないようにして下さいね(笑)。努力していれば、いつかは必ず できるようになる!くらいの意気込みで宜しいと思いますよ」とお答えしたのですが、そう言ってすぐ、 果たしてどちらの考え方が望ましいのか、良く分からなくなってしまったのです。 私の最初の考えは、「未来に目を向けて、△△ができるようになる!」と思い描くのはとても良いこと だけれども、「絶対そうでないとダメだ」と思うのは、かえってマイナスになるのではないか、というものでした。 加えて、体の柔軟性やアサナの上達は、計画通りに進歩してくれる可能性がそれ程高くありませんので、 「クリスマスまでに」という短い計画よりも、「来年の今頃には」という長期プランの方が、いいのではないか、 とも思ったのです。 ですが、たったの3週間で、この生徒さんの股関節は既に柔らかくなり始めていますし、実際にとても具体的な 短期プランを立てた方が、彼女にとって励みになるのかもしれない、とも後から思いました。人によっては、 自分を追い込むような状況を作った方が上手く行く、という方もいらっしゃいますし、「頑張る自分」が大好きで、 そこから活動力を得る方もいらっしゃいますよね。 ここは個人の意見が分かれるところだと思いますが、私は、「どれだけ完璧なアサナの形ができるか」よりも、 「昨日や先週の自分のアサナと比べて、今日はどうか。肉体的にはどこに変化があり、精神的に感じる事の 違いはあるか。そして違いの原因はどこにあるか。」というようなことを考えたいと思っていますので、 アサナの完成度を心配するよりも、生徒さん達にヨガの時間に自分の心身のことを考え、観察して頂きたい、 と思っています。レッスンの途中で、そういう姿勢を取って頂く様に語りかけてもいます。とは申しましても、 難解なアサナを美しくとる楽しみや満足感は、何物にも代えがたいですが(笑)。 私が修行をしたトランスフォーメーショナル・ヨガでは、「完璧な、美しい『正解』であるアサナの形」というものは 存在せず、各個人が「ああ〜伸びてる伸びてる。効いてる効いてる・・・」と思う形が「自分にとっての正解」である、 という個人の感覚を重要視します。そこが、完璧なアラインメントを重視するアイアンガーヨガや、実際に 「万国共通正しいアサナの形」が存在するアシュタンガヨガなどと少し違うような気が、個人的にはします。 インドでトランスフォーメーショナル・ヨガの修行をしたとき、実にびっくりした出来事がありました。あるアサナ をしている時、私が「このアサナは、これまでの経験では私はこういう風に取り組み、こことここのアラインメント に気をつけるのが正しいやり方、という風に習ってきたのですが、先生はあまりそういうことを仰いませんね。 どうしてですか?」と、ある先生に質問したのです。 すると、彼女は「じゃそうやってみて?そして貴女の体のどこにプレッシャーを感じるか、私に教えて頂戴」と 言われ、私が「ええと、あまりプレッシャーは感じないのですが」とお答えすると、「そうでしょ、だって貴女は 柔らかいもの。じゃぁ足をもっともっと開いて、上半身を垂直じゃなくて斜め前に伸ばして御覧なさい? 今の時点はどう?」と言われたので、私が「うわ〜きついです。でも凄く効いてる感じがする」と言うと、 先生は「それが、今の貴女にとっての正しいアサナの取り方なのよ。貴女が習った取り方は、間違っては いないの。でも、初心者がそのアサナをとる場合と、ヨガに慣れている人がとる場合は、両方が同じやり方で すると一方の効果がでにくいのよ。プレッシャーを感じることで体内の毒素やストレスを溶かして外に 出すんだから、慣れれば慣れる程、基本的なアサナでも、もっともっと体を曲げたり伸ばしたりしないと 効果がないの。まあ、そういう人は難易度の高いアサナに進むのが普通だけど、本当は基礎的なアサナでも 充分効果がでるようなやり方をするべきなのよ。」という風に説明して下さったのです。 これがトランスフォーメーショナル・ヨガにおけるアサナの取り方の基本なのでした。このヨガでは、どんな
アサナでも、どんなに柔らかい人でも、どこかにプレッシャーを感じるまで曲げ続けたり、そらし続けたりする のが普通です(プレッシャーというのは、痛みを感じるであろう状態の2−3歩手前ということです)。 この流派は、終わりの無いヨガ、そして「万国共通完璧なアサナの姿」のないヨガであり、それが醍醐味だ、 と私は思っています♪ |

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