|
赤ちゃん(母子保健法によると、1才を過ぎたら赤ちゃんとは言わないそうですが、以降この表現で通します)が話す言葉は,2歳を過ぎたころから急激に増加していくそうです。 ◆「決めゼリフ」で話す◆ もちろん,はじめは「決めゼリフ」を話すだけで語尾変化を意識しているわけではないことはありません。 「決めゼリフ」の例(長女の場合) 「あっち行って!」「行きましょか」「さあ行こうか」「行ってきまぁす」「あったぁ〜」「ない」「なくなった」「こわくないよ」「泣いたらあかんなぁ」「誰か泣いてるね」「楽しかったね」「〜のちがう」「〜も(する!)」「痛かった」「○○ちゃんねぇ〜してるの!」「ジャンパー着る!」「バナナ食べる」「牛乳飲む」「寒い寒いっ」「落としてしまった」「読んでちょうだい」「温めてちょうだい」「○○が運転するから」「せっかくつくったのに!」「パパちょっときて」「こっちおいで」「〜て言って」「自分でして」「自分でする」「向こう行って待っててね」「先生怒ってもいいか?」「危ないでぇす!下がってくださぁい」「ちょっと違うな?こっちかな?」長女の場合は,1歳半の4月から通い出した保育園の影響が大です。 保育園で毎日のように新出決めゼリフを学んできます。 ◆語尾変化を意識して話す◆ では語尾変化を意識し始めるのは いつごろでしょうか? もちろん「語尾変化を意識している?」 なんて聞いても答えるはずはありません。 赤ちゃんの話し言葉のようすから把握するしか方法がありません。 手っ取り早いのは 語尾変化を「まちがえ」たときです。 では,どんなときに 語尾は変化するのか? それは言葉を後ろにつけたときです。 =2歳3か月=「〜ない《助動詞》」
私が思うに 《助動詞》の「ない」 が原点ではないかと思います。 うちの娘の場合は 1歳10か月のときに 《形容詞》の「ない」を覚えました。 「みかんあるかな?」→「「ない」!」 オオカミが出る本を見て 「こわく「ない」よ〜」 《助動詞》の「ない」が 話し言葉に登場したのは 2歳を過ぎてから 「い「ない」ねぇ」 「食べ「ない」よ」「起き「ない」!」 そして何でも反抗期の最近になって 本格的に「ない」を使いだしました。 ●「やろうか?」→「やらない!」 ●「保育園行こうか?」→「保育園行かない!」 ●「これで遊ぼうか?」→「遊ばない」 ▲「起きようか?」 →「起きない!」 ▼「ごはん食べようか?」→「食べない!」 ◎「寝んねしようか?」→「寝んねしない!」 上の●や▼の記号はおわかりでしょうか? ●は五段活用の「やる」「行く」が「やら」「行か」に変化。あ段に変化します。 ▲は上一段活用の「起きる」が「起き」に変化。い段になります。 ▼は下一段活用の「食べる」が「たべ」に変化。え段になります。 ◎は変格活用の「する」が「し」に変化。不規則な変化で,ほかには「来る」があります。 これらはすべて動詞の「未然形」と呼ばれる語尾変化です。 さて, あるとき娘がこう言いました。 「読みない!」 やったぁ!語尾の変化を「まちがえ」たぞ! 「読まない!」と言えずに 上一段活用で「読みない!」 としてしまったのです! なぜ「まちがえ」たのでしょう? 答えは容易に察しがつきます。 上一段活用の「起きる」と五段活用の「読む」を比べてみます。 「起きる」の変化は 起きない(おいあい)−起きます(おいあう) 「読む」の変化は 読まない(おああい)−読みます(おいあう) (おいあう)の部分が同じなのです! だから未然形も同じ語尾変化だと 思ってしまったのでしょう。 どういうわけか、赤ちゃんが言葉を覚えるとき、五段活用の単語が登場するのは後になる傾向があり、上一・下一の単語がまず出てきます。そして、未然形よりもまず連用形を覚えるようです。これは前述のとおり、反抗期が関連しているようです。 起きます、寝ます、食べます が代表的でしょうか? 反抗期に入る前に覚えます。 その後、 起きない、寝ない、食べない と反抗期言葉を覚えます。 では,きょうはこの辺で! 次回は,《接続助詞》の「て」「で」について お送りします。 |
赤ちゃんからの言葉研究所
[ リスト ]





