☆★ああ、生徒指導日誌★☆

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昔話

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数十年前から数年前のお話です。以前にHPを持っていて、そこで披露した文章のリバイバルもありますので悪しからず。
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懐かしい季節。
夏の薫りがする頃になると思い出すこと。

好きだった女の子がいて、寮の前に訪ねた。
会って話をしたけど、「好きだけど、つきあえないの。」と言われた。
「好きなのにどうして?どうしてつきあえないんだよ!!」と食いさがる私。
でも、泣きながら彼女は寮に入ってしまった。
意味が理解できずに、寮の前に立ちつくし
いつの間にか雨が土砂降りになった。
朝方、あきらめて荻窪の立ち食いそばを食べた。
私の様相を見て、そば屋の親父はそばをサービスしてくれて
話をずっと聞いてくれた。泣きながらそばをすする私を見守ってくれた。

あれから、20年近く経った。
そんな親父になれるかな、、、

そして、「好きだけどもうつきあえない」の言葉の意味が
最近になってようやくわかりかけてきた。

「映ろうとせず、映そうとせず、ただ映る月と水」
学生時代に聞いた、川柳だ。
確か意味は、
「池の水面は、月を映そうなんて思ってもいない。月だって、池にその姿を映そうと思っていない。ただそこに、月と池があるから互いに映り、そして映す。」だった。

 師弟関係。親子関係も同じかも知れない。
我が子に、我が子弟に、何かを意識的に教えるわけでもないのに、似てきてしまう。これがよいことであれば安心するが、得てして違うものである。
教師と生徒の関係も同じだ。僕の注意する口調のまま自閉児に注意をする健常児を見るとギョッとする。
「子供は親の鏡」と同じかも知れない。
 親ぶって、教師ぶって偉そうにその目前だけのきれい事で何かを教えようとしても仕方がないのだ。根気を持って、親としての教師としての姿勢と愛情を持って子どもと接すれば良いのだ。
 入学当初の保護者と生徒の関係に見られがちなのだが、
そして、相手が拒み、聞き入れなくても、しっかりとその内容は子どもの耳や心には伝わっているのだ。

ただ映る、師と弟。親と子。
難しい。

20代の時に、勤務する学校とは別に
雇われ監督としてラグビー部の監督まがいの活動をしていました。
N大T高校。
しかし、その部は学校側の指示によって背部。その最後の日のことです。



数個残った空気が入らないパンクボール。ビニール袋2つにもなってしまった。この整理のために僕はここにきた訳じゃない。
管理人室の扉を叩く。「今日は!!誰かいませんか?」
このグランドのグランドキーパーは老夫婦だ。春夏秋冬と休みなくグランドの整備をしている。ある時は雑草をむしり、ある時はゴミを分別し捨てるなど、来る日も来る日も、生徒が使うグランドの世話をしてくれている。僕とここのおじさんとおばさんとのつき合いはもう長い。七年前にグランドに来るようになってから、多くの部の顧問は変わったが、ここのおじさんだけは変わらずにいて僕とよく話をしてくれた。
 廃部が決定し、最後の大会の終わったラグビー部はもうグランドに立つことはない。
僕は、そのチームの監督として最後の挨拶にグランドにきたのであった。いくつか残った備品の整理と私物を部室から引き取るため、そして、東の生徒がラグビーを初めて覚えたこのグランドにお別れをしにきたのだ。
 ふと、遠くに目をやると遙か彼方、グランドの一番はずれにおじさんがいた。いつものように、台車に赤いトランジスタラジオとゴミ袋、それと、可愛いブチの飼い猫を乗せている。おじさんの格好はいつも同じだ。グレーの作業着に長靴。首に白い手ぬぐいを巻き、手は軍手。頭には濃紺の帽子をかぶっている。旧ラグビー部のダミー小屋の横で草刈りをしているのだろう。しゃがみ込んでグランドに背を向けている。

 この学校のグランドはゴミが多い。野球、サッカー、アメリカンフットボール、ラグビーの部活動が盛んに行われているグランドだが、ゴミの処理をしっかりするのはアメフトとラグビーぐらいだ。おじさんとおばさんは文句も言わず、いつも掃除している。野球部の部室はマネージャーが行わない限り掃除はされない。サッカー部は、グランドをゴミ箱と勘違いするかのごとくの使用である。
 時折、僕は練習の合間にゴミ拾いをする。おじさんに倣って、軍手とビニール袋を持って、端の方からゴミを集める。30分足らずで、大きいゴミ袋がいっぱいになる。その姿を見ておじさんは目を細める。「昔は、そういう先生が多くいたけど、最近の先生は生徒に任せっきりでやらないねぇ。珍しいねぇ。」「生徒の自主性ってやつでしょうかね。」「いやぁ、先生の手本で子どもが動くんだよ。」
そんな会話を交わしたものだった。

 グランドを横切り、おじさんに近づく。すると、猫の方が先に気がついたらしく、僕目がけてかけ来て、ゴロゴロいってすり寄ってくる。「今日はスーツだから、そうすり寄るなって。そうか、よしよし。しょうがないか。おまえともお別れだな。元気で暮らせよ。」
その声で、おじさんが気がついた。「やぁ。今日はなんだいそんな格好をして。」
 そういえば、スーツ姿はここ7年間見せたことがなかった。
「今日は、最後のお別れをしに来ました。ラグビー部は大会も終わって、もう解散です。長い間ありがとうございました。」
 そう、7年間だ。一口に7年といっても長い。アメフト以外は、指導者も替わった。甲子園出場経験のある野球部も、私が指導しはじめた2年目に監督が替わった。結果を出せないでいると首が飛ぶことを知った。サッカーも持ち回り顧問なので、すぐに交代する。
おじさんと親しく話すのは私くらいのものだったのかもしれない。この7年間いろいろな事があった。「そうかぁ。寂しくなるねぇ。でも可哀想なのは、、、子供だねぇ。」心なしか、おじさんの目が潤んでいた。「ニャァ、、」猫も私を見上げて鳴いた。「いつか、また。何処かで会いましょう。」しばらくの沈黙の後、「うん。さよなら。」グランドをいつも見守っていてくれたおじさん。来る日も来る日もただ黙々とスポーツをする若者の元気な姿を見守ってくれたおじさん。
僕は、おじさんに背を向けて、私は歩き出す。最後に部室をあけて、部屋を見回す。
部室の入り口に、数年前オーストラリアに行った私が買ってきたブーメランがあった。
折れてしまって、テーピングで補修してあるブーメラン。ブーメランを手にして部室に一礼。いよいよ最後だ。次に来るときには、他の部の部室になっているのだろう。
部室から、グランドの入り口まで歩く間に、また思い出が頭の中で展開される。
さようなら。N大T高校。

さようなら。20代の青春。

小学校4年生。4年1組。同じクラスに東原千鶴ちゃんがいた。

女の子だけど、目がギョロリとしていているも虚ろ。髪はおかっぱで、常に少し乱れていた。顔色は浅黒く、口は半開き。鼻からはいつも青いハナが垂れていた。友達が遊びに誘ってもいつも一人で校庭の隅っこでしゃがんだり、ボーっと立ちつくして空を眺める。話しかけても、人を下から覗き込んで反応しない。いつしか誰も近づかなくなった。そして、近づかないどころか「ヒガシハラ菌!バイ菌!ヒガシハラ菌!」と言って馬鹿にされる。それでも彼女は反応しない。反応しないと「つまんねーな!」といって一人が泥を投げつける。泥が服に命中しても反応がない。子どもとは残酷なもので、一人の行動につられてみんなが泥を手にして彼女に投げつける。そのうち彼女は泥だらけ。顔に深泥が命中する。さすがに、投げた方向をギョロリと睨む彼女。「ゲ!!睨んでるぞ!呪われる〜!逃げろ〜!」と全員一目散に退散する。彼女は表情をなおして、みんなの逆方向にトボトボ歩き出す。

授業中、先生は彼女には当てない。皆、不公平だといって授業後にヒソヒソと教室の隅っこにいる彼女をにらんで話していた。机の上には教科書は置かれているが、ノートには鼻水が垂れていた。学校から離れても、地域の公立小学校だっただけに町中で彼女を見かける。友達と遊んでいても彼女を見つけると合い言葉のように「ヒガシハラ菌!!」と罵る。興味深く観察はしていたが、私もそれまでは罵る側だった。

そのころ私は、LL英会話教室に通っていた。いや、通わされていた。地域の中央にある桃園川公園のわきに教室はあった。この桃園川は父親の世代には、鯉釣りや水泳、水遊びの場だったらしい。しかし、私の世代ではアスファルトの下に川が流れているんだという認識しかない遊歩道になっていた。

通わされていたのが何故だかわからなかったが、とりあえず毎週教室には行った。時間10分前に到着すると、前の授業の終了を待つ。西日が差し込む長い廊下に、小学生たちが一列になって立ったままテキストを見ている。しかし、「通わされている」私にとってテキストを読もうとする気力すらわかない。いつも、窓から外に見える桃園川公園遊歩道の砂場と滑り台を見ていた。前のクラスが終わると、教室になだれ込む。目の前にあるマイク付きのヘッドフォンを装着。この瞬間だけは好きだったような気がする。空のカセットテープを目の前のデッキにセット。テキストテープをもらってその反対側のデッキへセット。レッスンの始まりだ。約1時間のレッスンが終わると、帰宅前のお決まりがある。それはジュースを飲むこと。最後に教室を出て建物の入り口にあるチェリオの自動販売機を目指す。当時の自動販売機は、瓶の横置き式。お金を入れると1本だけ引き抜けるようになっている。上の方から、オレンジ、メロン、ソーダ、、、6種類ほど縦に並んで瓶の首だけ出している。そこで、鞄から栓抜きとストローを出す。お金は持っていないので、好きなジュースを選んで栓を抜いて、すかさず口を当てる。ストローは最後の一滴まで飲めるようにとの工夫である。今思えば、立派な犯罪行為的な悪戯だが飲み物を無駄にしていないあたり救いようがある。業者に申し訳なく、必ず1本で我慢して帰宅する。

楽しみはそれくらいで、後はつまらなかった。妙にアメリカンナイズされたクリスマスパーティーだけは少し楽しかったような気もする。

ある日私は、いつものように前の教室が終わるのを待っていた。夕暮れ。西日が差してまぶしい季節だった。まわりの優等生はテキストを読んでいる。いつもの光景だ。だから私もいつものように、桃園川公園の砂場を見た。すると、彼女がいたのだ。そう、東原千鶴である。砂場の縁にジッとしゃがみ込んで何かを見つめているのだ。少しも動かないが、その瞳は何かを見つめていた。しばらく見ていたが、一向に動く気配がない。やがて、前の教室が終わり入れ替えの時となる。でも、気になる。何を見ているのか。一度は教室に入りかけるが方向転換。教室を出て、脱兎のごとく廊下を走って建物の外へ。何故か、急がないと彼女が居なくなるんじゃないかとドキドキした。砂場には彼女が居た。まだ、砂の上をジッと見ている。砂の上には、アリがいた。行列を組んで何かを運ぶアリがいた。そばに一緒にしゃがんでアリを見た。「東原さん。アリ、好きなの?」罵声ではない真剣な言葉を掛けたのは初めてである。

「う、ん。ア、、リ、、す、、、き。」東原さんは私の見て辿々しく話した。それも、口元が笑っていた。心の奥が暖かくなり、その笑顔に引き込まれた。

「そう。アリが好きなんだ!東原さん話せるんじゃない!みんなの前でもそうやって話せばいいのに!笑うとかわいいじゃん!そうだ、「東原さん」なんていうからダメなんだよ。千鶴だから、、、そうだ、チヅちゃんってどう?うん、いいよチヅちゃんだ。」一方的に話しを続けた。東原さんはジッと私の方を向いていたが反応はなかった。ただ、一言返してくれて笑顔を見せてくれたことによって、私が舞い上がっていたのだろうかその後も話し続けた。しばらくすると、「さ、よ、なら、、」と言って東原さんはトボトボ去って行った。英語教室はさぼってしまったけれど、英語を習うよりドキドキして家に帰った。「誰とも話さない彼女が話してくれた。きっとどこか自分たちとは違うのだろうけれど、彼女が笑ってくれた!!」そう思っていた。「僕たちとどこか違う」は、誰しも思っていたことだ。

翌日、彼女は学校を休んだ。その翌日も。そして翌日も。数日後、担任の先生から転校の話を聞いた。

その時、我に返った。自分もそれまでは、馬鹿にしてみんなの流れにのって虐めていただけ。たまたま、話ができただけなのに英雄気取りで、いい気になって。

彼女にとっての味方はいたのだろうか。彼女は何故それまで休まずに学校に来ていたのだろうか。

色々な思いが頭を駆けめぐった。それまで、気がつきつつはあったけど目をそらしてきたこと。思わないようにしていたこと。

彼女の髪の毛がいつも少しだけ乱れていたのは何故?そう。家を出る時にはお母さんがきれいにしてくれていたのだろう。でも、学校に着く頃には無造作に頭を掻いて、その部分だけ乱れるんだ。

彼女の泥だらけの服は帰ったらどうなるのだろう?お母さんが、学校で彼女が受けた仕打ちを想像しながら、洗濯するのだろう。

彼女はなんで校庭の隅っこにいたのだろう?アリが好きな彼女は、校庭の隅っこで頑張るアリの応援をしていたのだろう。

そして、、彼女は何故転校したのだろう?それは、、、、、幼いながらも何となくわかっていた。自分がやってしまったことの罪悪感。そして、最後に話しかけた時の笑顔。頭の中に響いた。

「せっかく友達になれたのに、、、ごめんね。辛かったんだろうね。」


現在、知的障害の生徒が1/3通う本校に勤めて、新たに思うことがある。保護者の方の苦労。公立小学校や世間での理解。チヅちゃんの気持ち。そして、お母さんの気持ち。

で、頑張ろうと思う。

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