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『私の踊子物語』という本には三浦さん自信が踊子とともに旅し、描いた『夕雨子』と、哀しみに耐えながらも、ひたすらに生きる北の『踊子ノラ』が収録されている。
昭和46年の6月に講談社から刊行された『夕雨子』と、それから3年後に同じ講談社から出た『踊子ノラ』を一冊にまとめて、『私の踊子物語』としたもので、どちらも一人旅の踊子の浮草のような暮らしを書いた連作小説集である。
八戸の伊吉書院から平成2年に発行され、盛岡の杜陵印刷が印刷を担っている本で、今はなかなか手に入らないのが残念である。
先日、北海道を旅していて、オホーツクの海が見えたり、輓曳競馬が盛んだという町を通った。
あの踊子が旅した町もこんな所だったろうかと、車窓の風景を眺めながら、小説の舞台を想像してみたりした。
夕雨子やノラの桐子のような踊子に会える機会が無いままに、広大な大地北海道を駆け巡る1,000kmのバスの旅は終わった。
阿寒湖畔の宿で投稿した記事の踊子は、「夕雨子」ではなく「踊子ノラ」の「桐子」の思い違いだった。
アイヌコタンの舞踏のステージに飛び入りして踊ったのも、酔いに任せてあの踊子を探していたのかもしれない。
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オホーツクの海を見ながら踊り子の姿を追うなんて、とても感傷的な旅でしたね。私もこの前、仏事で埼玉県の古河市に滞在したとき、時間があったので、永井路子の生家と文学館を訪ねてみました。生家は中は復元したものでしたが雰囲気はありました。文学館は数人の出身文学者をテーマとしており、収蔵品なども豊富とはいえませんでしたが、木造のヨーロッパの古民家をイメージさせる設計で落ち着きのある素敵な設計でした。暖炉のある大広間があって朗読会や小さなコンサートを開くのにサロンの雰囲気があって、もってこいのようでした。どうも私も旅先で三浦文学を意識するこの頃です。
2007/10/9(火) 午前 9:55 [ まつの実 ]