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ユタと不思議な仲間たち

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ラジウム温泉

東北もずっと北の方の山間にあるこの湯ノ花村。
そこが、小説『ユタとふしぎな仲間たち』の舞台である。
三浦さんは、この小説の中で、この村のことを、「ラジウム温泉」だと言って次のように書いてくれている。

《この湯ノ花村は、その名のとおり湯の花のにおう村である。湯の花というのは、温泉の中にできる沈殿物のことだが、においとしてはそんなにいいにおいとはいえない。ちょっとアンモニアに似たにおいだ。それが、どこへいっても空気のなかにかすかににおっている村なのである。…
…村に湧いている温泉は、ラジウムを含んだ鉱泉で、温泉宿が三軒ある。その三軒のうちで一番大きな銀林荘は、ぼくのお母さんの実家とは親戚同士で、お母さんはいま、かよいでその銀林荘の帳場を手伝っている。
…温泉といっても。湧いている鉱泉は温度が低いから、風呂は湧かさなければ入れない。
その風呂を沸かすための薪を割るのが、寅吉爺さんの仕事なのだ。》


一方、随筆『時のせせらぎ 若き日の追憶紀行』('94.H68.20講談社発行)の『金田一温泉』のところでは、

《岩手県の北はずれ、青森県との境を間近にした山地のすそに、ラジウム含有量の豊富な鉱泉の湧く村がある。そこが私の父の生まれ在所で、今でこそ十数軒の旅館や簡易ホテルが散在するいっぱしの温泉地になっているが、私たち一家が住み馴れた八戸市を引き揚げてきたころは、たった三軒の古びた温泉宿が、谷川のふちや、森かげや、村道端にひっそりと湯煙を上げているだけの、近隣の村人相手の湯治場にすぎなかった。
いまは二戸市の金田一温泉と呼ばれているが、戦後間もなくのころは二戸群大字金田一村字湯田で、実際、地名の通りに、ぬるくて白く濁った鉱泉が、とある田んぼの脇から湧き出ていた。それが唯一の湯口で、三軒の温泉宿ではそこから長いパイプで鉱泉をそれぞれの浴場へ引き入れ、薪を焚いて沸かしていた。》


これらを、比較して読んで頂くと、三浦さんが住んでいたことがある金田一温泉郷のことが、そのまま小説に描かれているのが良く分かる。
紛れもなく、小説『ユタとふしぎな仲間たち』の舞台が金田一温泉であることが良く分かる。

ここの金田一温泉は、私達が子供の頃の旧金田一村では「ラジウム温泉」として大々的に宣伝していた。
それが、いつの頃からか「ラジウム」の文字が使われなくなった。
あれは、偽りではなかったのか?と不審に思い、気掛かりだった。
そのことを、年配の先輩方に話したら、役場職員OBの田中孝香さんが、是非君に見せたいものがあると言って、旧金田一村が実施した調査書を探し出してくれた。

『金田一温泉地域 温泉総合科学調査報告書』('69.S44.3金田一村)

である。
これを読んでみて「ラジウム温泉」は間違いではなかったことが分かった。
それでは、どうして今は……。

つづきは、この次に…。


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