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八戸市に、今では「幻の詩人」と呼ばれている村次郎という詩人がいた。
この詩人はあまり知られていないが、三浦哲郎が文学的な影響を大きく受けた人だろうと私は思っている。
■過去ブログの関連記事
【ゆかりの旅館「石田屋」取り壊し】 2011.6.21
URL: http://blogs.yahoo.co.jp/onikosato/33283069.html
その村次郎の全集がこの程出版され、その記念パーティが八戸グランドホテルで開催されたというニュースが先日報道されていたので紹介する。
■デーリー東北新聞 2011年9月25日(日)の記事から
【八戸で詩人村次郎全集出版記念会】
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2011/20110925141652.asp?fsn=eb33f76037153e93cde084f7e7644d6f
写真:村次郎の遺影の前で演じられた「墓獅子」
八戸市出身で“幻の詩人”と呼ばれた村次郎(本名・石田實)の「全詩集」出版記念会が24日、八戸市の八戸グランドホテルで開かれた。約200人が刊行したばかりの全集を手に、14年前に死去した詩人をしのんだ。
全集を制作した11人の実行委員を代表して、同市の仁科源一さん(60)が「私たちの心の内に刻まれている村さんは(今後も)郷土や全国で、文学史上貴重な存在として語り継がれていく」とあいさつした。
死者と生者が互いを思いやる「墓獅子」の舞を、鮫の神楽連中がしめやかに披露。村の弟で実行委員でもある同市の石田勝三郎さん(72)は「若い世代も含め一人でも多くの方に、村の作品を読んでもらえればうれしい」と話した。
中央詩壇で高く評価された村は、1952年に家業の旅館・石田家を継ぎ「詩人廃業」を宣言。作品発表をやめたが生涯詩作は続けた。
全集は八戸市内の一部書店で販売。問い合わせは仁科さん(電話0178-29-4671)へ。
■毎日新聞 9月25日(日)12時18分配信記事から
【村次郎:「幻の詩人」全集を出版 市民有志が尽力】−−八戸 /青森
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110925-00000064-mailo-l02
八戸市出身の詩人、村次郎(1916〜97)の全詩集が市民有志により自費出版され、出版記念会が24日、同市内で開かれた。村次郎が知名度向上に力を注いだ県無形民俗文化財「鮫神楽」が演じられ、参加者は在りし日の村次郎をしのんだ。
村次郎は慶応大で仏文学を専攻し、48年までに詩集2冊を刊行。程なく家業の旅館「石田家」(現在は廃館)を継ぐため詩人廃業を宣言した。その後は公に詩を発表しなかったため「幻の詩人」とも言われてきたが、詩作は続けており、今回初めて未発表の詩が出版された。
東日本大震災の津波で、詩集の編集作業に使っていた同市鮫町の旧石田家は1階が浸水。村次郎の弟、石田勝三郎さんが直筆原稿を2階に運んで守った。石田さんは「出版にこぎ着けて感無量。兄も喜んでいるだろう」と語った。【鈴木久美】
9月25日朝刊
実は、この全集の出版は3月11日の東日本大震災の影響で延期になっていたのだった。
■デーリー東北新聞の記事
村次郎さんの全詩集 9月に出版延期 (2011/03/29 16:01)
http://cgi.daily-tohoku.co.jp/cgi-bin/news/2011/03/29/new1103291601.htm
5月初旬を目標に進められていた、八戸市出身の詩人村次郎(本名・石田實)の全詩集出版が、東日本大震災の影響で、9月下旬に延期されることが分かった。村が当主を務めた鮫町の元旅館「石田家」が被災したのをはじめ、多くの被災者の心情面なども考慮した。出版は9月24日で調整中という。
今回の津波で、石田家の1階は大きな被害を受けた。村の原稿や関連資料などは一部がぬれたものの、現在住んでいる村の弟石田勝三郎さん(72)がすぐに2階に上げたため、流失は免れた。
出版準備を進めてきた「村次郎の会」が震災後に協議し、延期の方針を固めた。会の代表で同市の詩人仁科源一さん(60)は「9月にずれ込むということで現在、関係者全員に連絡をしている段階」と話す。
メンバーで同市の詩人上條勝芳さん(55)によると、時期については7月や11月などの案が出たが、半年ぐらいで少しは落ち着くのではないか、との意見でまとまったという。全集は、村の誕生日である5月4日の出版を目指し、会員が校正を進めていた。
以前に話題にした八戸市で発刊されている詩誌「朔」の第170号(定価700円)に、「三浦さんのこと」を書いている三浦さんの中学高校時代の学友M・Tさんは、三浦さんと村次郎との間柄のことを詳しく知っているというので、機会を作って是非話を聞いてみたいと思っている。
Mさんは三浦作品に出てくる「鉄棒の神様」のモデルで、三浦さんに小説の魅力を知らせる切っ掛けとなった学友の船越泰昌さんの親友でもあったという。
このことも船越さんとの交流から見えてくる三浦さん像が聞けると期待しているのである。
三浦哲郎さんの文学の道への逸話を秘めている人のようなので、今後の執筆に期待したい。
三浦さんが作品の中で村次郎の詩を一つ紹介している
「マスゲーム」 村次郎
マスゲーム
マスゲーム
まちがった少女
まちがった少女
もしも、三浦さんが存命であったらこのパーティーにお祝いに駆けつけたのかもしれない。
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