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三浦さんの代表作品「とんかつ」は、永平寺で得度修行中の少年僧がとんかつを食べる物語である。
それが戒律規則に抵触するかどうか確認してくれた三浦文学愛読者がいた。
曹洞宗永平寺系の団体「有道会」の方から、それに対する返事を手紙で戴いたという報告をしているブログがあるので紹介する。
■pap*k*manさんのブログ【韓国で頚椎椎間板ヘルニア手術してきました。】
三浦哲郎「とんかつ」と曹洞宗永平寺系の見解 2011/11/21(月)
http://blogs.yahoo.co.jp/papakoman/14259601.html
先週問い合わせたメールに返信が来ていました。嬉しく有り難い真心のこもった返信でした。
三浦哲郎「とんかつ」に関して、永平寺で得度修行中の少年僧がとんかつを食べる事が戒律規則に抵触するかどうか確認したく、曹洞宗永平寺系の団体「有道会」に質問したのです。
有道会 http://www.yudokai.com/index.html
愛知県の某寺の住職の方から、懇切丁寧なメールが2通届いていました。1通は戒律について、もう1通は「とんかつ」を読んだ上での補足回答でした。
要旨は、仏教には不殺生戒があり、永平寺修行において肉食は禁止されている。但し、人に進められた食事については、固辞しなければならないというものでもない。戒律への執着も罪であるし、「寄進」的な食事は受けても「破戒」にはあたらない。そのように私は考える、という趣旨でした。また、「とんかつ」を読んで頂いた上での補足回答には、少年僧が合掌し感謝・受諾の意を表した姿には、1年間の修行による自信と心の余裕が感じられる、との感想を頂きました。
勇気を出して教えを乞うた結果、専門家からご教示を頂けたのは、実に有り難い事でした。「師の拳」などとは無縁の、立派な師と出会えた縁を有り難く思いました。
永平寺の関係者からこんな素敵な回答を頂けて嬉しいです。
先日の文学散歩のイベント会場に来られた元高校の国語の教師だったと言う女性が、国語の教科書で「とんかつ」を教えていたと話していた。
そのこともあって、「とんかつ」は多くの人に馴染のある作品として知られているようだ。
それだけに、このような回答を頂けて本当に良かったと思っている。
いつも訪問戴いているpap*k*manさんの行動力に感謝。
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会長様へ。
ご教示頂きました曹洞宗の住職様にお礼と貴ブログのご案内を申し上げました所、返信頂きました。
詳しくは拙ブログにて書きますが、以下2点ここにお願いとご報告申し上げます。
1点目は訂正のお願いです。どちらも私の粗忽による間違いです。
ブログ名「永平寺派」は文中の「永平寺系」の誤りです。また、「殺生戒」は「不殺生戒」の誤りでした。お詫びしてご訂正お願いします。
もう一つは嬉しい報告です。住職様は「とんかつ」という作品と出合った事をたいへん嬉しくお思いでした。
師は「とんかつ」を僧侶のお仲間に紹介されたところ、涙ぐむような方もみえ、「永平寺の経験者が涙する 文学はすごい力がある」と感じられたと記していらっしゃいました。そして、
「永平寺で修行されなくともこうして愛読され、親子、人間、ひいては宗教、禅について何も説明しなくて理解できるのですから、文学のすごさを感じます。よい小説を紹介いただきありがとうございました。」
とお書き下さいました。
以上、拙ブログご紹介頂いたお礼と共に、師のお言葉をお伝えします。これもみな三浦文学や御仏のお教えの結んで下さったご縁です。感謝
2011/11/23(水) 午前 11:45 [ pap*k*man ]
高校の国語の授業で、
生徒達と一緒に『とんかつ』を読めたのは、
とても幸せな思い出です。
県南部の学校でしたので、
母の台詞の部分で、
南部のアクセントを意識したのを覚えています。
どこまで伝わったかは、わかりませんが(笑)
読み返す度、ラストシーンで、
短期間の修行で成長を遂げた、
凛々しい青年僧の合掌する姿が、
鮮やかに目に浮かびます。
2011/11/23(水) 午後 8:19 [ shook ]
ap*k*manさんから申し出があり、文中の次のところを訂正しました。
ブログ名「永平寺派」は「永平寺系」の、また、「殺生戒」は「不殺生戒」の誤りでした。
2011/11/24(木) 午前 9:34 [ oki*_ ]
shookさん、先日は、雨の中、文学散歩に参加して頂いて大変有難うございました。
身近に新たな三浦文学ファンを得て大変嬉しく、又、心強く思っています。
例会の情報などは、このブログで発信していますので、気軽に出席してみて下さい。
「贋まさざね記」の読後感想もお聞きしたいので、例会で会えるのを楽しみにしています。
2011/11/24(木) 午前 9:39 [ oki*_ ]
曹洞宗永平寺修行経験僧侶の一老師との往復書簡が一応完結しました。A4で22枚、7往復でした。
その老師のお許しが得られましたので、最も感銘を受けた箇所を一部引用します。
「永平寺に修行の経験を持つ者の おそらく全員がこの小説に納得し、「とんかつ」を食したこの雲水を積極的に断罪する僧はいないと思われる」
「雲水はこうした問題(引用者補足;他人に勧められた肉料理を断るべきか否か)は比較的楽に乗り越えています。作者に、あるいは語り手の女将に、そんな意識(引用者補足;作者が、雲水に「とんかつ」を出す女将に、永平寺という倫理的権威に対する挑戦的な「たくらみ」を含ませているとする熊倉千之氏の見解を指す。)があれば、この小説がこの者達(引用者注;永平寺で修行した僧侶達)に共感されるとは思えません。」
実際に永平寺で修行された立派な僧の意見であるだけに傾聴すべきものがあると思います。三浦先生が生きていらしたらどうお感じになられたか、そんな事を思います。
2011/11/29(火) 午後 7:42 [ pap*k*man ]
pap*k*manさん、貴重な情報を有難うございます。往復書簡は大変なボリュームでしたね。
他にどんなお話をされたのか興味があるところです。
このような話を聞くと、三浦さんは禁断の食「とんかつ」をあえて取り上げたのではないかと思わずにいられません。
それだけに「思いやり」の強調が増したのだと思われます。
短編なのにとても奥が深い小説ですね。
2011/11/30(水) 午前 0:19 [ oki*_ ]
会長様。ご返信有難う御座います。
禅師は、「もし、三浦氏の他の小説、あるいは思想書にそのような主張が見られれば、再考します。」と書かれています。「そのような主張」とは、熊倉千之氏の言う「『十六歳の修行僧がとんかつを食べるのを善しとする』、ここには永平寺の権威をものともしない、一人の日本人の秀でた感性がある」とも書いてみえる「感性」の事です。
「読む会」の方々に、私の方でお伺いしたく思っています。三浦先生の仏教界あるいは曹洞宗に対する考え方について、私には特別の記憶や印象がありません。
禅師は繰り返し、「一年の修行で得た少年の余裕」を強調してみえました。永平寺の修行力と三浦哲郎の筆力が拮抗して、緊張感ある名作となった、ということかなと私は思います。
愚考ですが、私は「とんかつ」の影の主役を亡き父と考えています。今はこの世にいない人の残した思いと残された人のその人への思いが見えるようです。
「盆土産」の「エビフライ」もそうですが、【三浦哲郎 一品料理短編集】とかできるといいですね。
2011/11/30(水) 午後 9:59 [ pap*k*man ]
大変親交の深かった春覚和尚のいる一戸町の菩提寺・広全寺は曹洞宗なので、ここから刺激を受けたのかも知れません。
小説に書かれている三戸郡の曹洞宗のお寺に問い合わせてみたことが有りましたが、接点は見つかりませんでした。
広全寺に尋ねてみることにします。
又、『ユタとふしぎな仲間たち』のお寺のモデルとなった金田一の長寿寺も同じ曹洞宗です。
三浦さんの仏教感についての記述は、私も心当たりが無いので読む会で話し合ってみます。
料理のことでは、先日、鎌倉で行われた朗読会での、シェフの拘りで出された筈の三浦文学料理に関心を持っていて、報告を楽しみに待っているところです。
金田一温泉にも拘って出してくれる店が欲しいと思っています。
2011/12/1(木) 午前 7:46 [ oki*_ ]