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ドイツ語に翻訳されたというので「赤い衣裳」を読み直してみた。
う〜ん、読んでみて小町英恵という人がこの物語をドイツ語に訳そうと選んだのはどうしてだろうと思った。
ドイツも日本と同じ戦争の敗戦国で、貧しさから這い上がって復興を遂げた経緯があるから、貧困からの脱却や都会と地方の格差など、日本と同じような境遇だったと思うので、このような物語も理解しあえるのかもしれない。
それにしても、作中の方言や風俗、習慣など、こんなところはドイツ語でどんなに訳すのだろうかと思うところが幾つもあって、日本のこのような情景がドイツ人に理解して貰えるのだろうかと思いながら読んでいた。
鉛筆を舐め舐めしながら書かれた葉書のシーン。
郵便局で印鑑を落とすシーンの水晶の印鑑や三文判のこと。
秋刀魚の塩焼定食を食べるシーン、特にも「おろ呑み」。
銭湯に入ったあとで、一緒に同じ布団で寝るところ。
自分の命を絶ってしまった妹の結末。
これらにピッタリ当て嵌まるドイツ語なんてあるのだろうか?
将又、ドイツ人って、こんなことを想像し、理解することができるのだろうか?
朗読を聞いているドイツ人の反応をみてみたいなどと思ったりしている。
地方の情景とともにある方言に拘って作品を描いていた三浦さんの作品は、異文化の外国人へ理解して貰うように訳すのは大変難しいことだろうと思うのである。
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