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三浦さんの作品に『落葉の坂道』という随筆がある。
三浦さんが、秋山駿、川村湊と共に選考に携わっていた木山捷平文学賞の授賞式に出席するために、木山のふるさと岡山県笠岡市を訪れて、生前を偲びながら墓参りをする時のことを書いている。
木山捷平(きやましょうへい)は小説家、詩人で、私小説の代表的作家の一人とされていて短編小説を得意としていた。(Wikipedia参照)
1929年(昭和4年)には処女詩集『野』を自費出版にて発表している。
1933年(昭和8年)に太宰治らと同人誌『海豹』を創刊。この頃、井伏鱒二と知己となり、以後親交が続いたという。
三浦さんと同じ分野でおまけに同名の作品まであるとは驚いた。
三浦さんは学生時代に小沼丹さんのお宅で初めて出会い、以後、井伏宅の将棋会でも対面したりして、先輩作家と交流を深めていたそうで、その頃の思い出がこの作品に描かれている。
木山捷平文学賞は1997年(平成9年)に笠岡市主催で純文学を対象とする文学賞としてして設けられ、2005年迄の9回にわたって受賞作が発表された。
開始時の規定により第9回で終了し、2006年(平成18年)からは公募の新人賞の木山捷平短編小説賞に模様替えされている。
■木山捷平文学賞 受賞作リスト
* 第1回(1997年) - 佐伯一麦 『遠き山に日は落ちて』
* 第2回(1998年) - 岡松和夫 『峠の棲家』
* 第3回(1999年) - 柳美里 『ゴールドラッシュ』
* 第4回(2000年) - 目取真俊 『魂込め』(第26回川端康成文学賞も受賞)
* 第5回(2001年) - 佐藤洋二郎 『イギリス山』
* 第6回(2002年) - 平出隆 『猫の客』
* 第7回(2003年) - 小檜山博 『光る大雪』
* 第8回(2004年) - 堀江敏幸 『雪沼とその周辺』(第40回谷崎潤一郎賞も受賞)
* 第9回(2005年) - 松浦寿輝 『あやめ 鰈 ひかがみ』
笠岡市では、木山捷平さんの業績と、市内にある捷平さんの文学碑・捷平文学コーナー(笠岡市立図書館内)を紹介している。
笠岡市のこれらの熱心な取組みは、三浦哲郎さんの顕彰に取組んでいる私たちの地域でも大いに参考にしなければならないと思う。
先ずは、金田一にも文学碑の建立を願いたい。
『落葉の坂道』は平成13年4月「一冊の本」に発表され、『母の微笑』2001年10月講談社刊と『恩愛』2005年7月世界文化社刊に収録されている。
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木山捷平は、太宰が津軽をどう描くかで、井伏鱒二に相談した際に同席していて、井伏が「俺なら旅をするように書くな・・」と言ったのを聞いたそうです。その後、出来上がった作品を読んで、木山は、「師匠も立派だが、弟子も立派だ」と感じ入ったとか。
2012/3/2(金) 午前 10:47 [ mot*nak*3* ]
とても良い話をありがとうございます。
三浦さんは素晴らしい人達との出会い、巡り合いを大切にした人だったのですね。
2012/3/4(日) 午前 6:09 [ oki*_ ]