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一戸町の駅前に佐々木旅館という旅館があったそうだ。
先日、『第34回一戸町読書に関する作文コンクール』に「忍ぶ川」を読んで応募した御婦人Nさんが、そこの娘さんと同級生で、そのお母さんのことを三浦さんが作品に書き残していると話していたというのである。

それは『笹舟日記』に掲載されている「お銀さんと夜ふけの道」のことである。

〈郷里の駅前でちいさな旅館をしていたお銀さんが、先日、急になくなったということを姉の便りで知って、驚いている。〉

で始まるこの随筆の内容は実際のことが書かれていると話しているそうなので、その娘さんにお会いして確かめてみたいと思っている。

〈… そんなときはお銀さんのところの客間を借りて閉じこもった。私は、その町にいた一年間に、たった一つ、『村の災難』という短篇をかいたにすぎなかったが、これはほとんどお銀さんのところの客間で書いたものである。〉


『笹舟日記』は昭和47年4月から一年間、毎日新聞日曜版に連載した小作品のすべてが収められているので、順番からすると5月掲載の作品になるから、お銀さんが亡くなったのはその少し前のことだろう。

佐々木旅館は既に廃業して無くなっているが、娘さんがその跡地でスナックを営んでるそうなので、客として店を訪れてみることになるだろう。

一戸町での三浦さんの作品との関係など、色々解明の糸口になりそうな気がしている。
どんな話が聞けるか楽しみである。






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