三浦哲郎文学を読む会

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『日本の名随筆』の件で、その後、調べて見たら、Web上でも作品リストと掲載作者が検索できるサイトがあることが分かった。

出版元である作品社のホームパージ『名随筆本巻リスト』『名随筆別巻リスト』の両方が掲載されているので、便利に使えそうである。

Blogを読んで下さったpap*k*man さんから、早速、この全集に収録されている三浦哲郎作品のリストを送って頂いた。
三重県立図書館の蔵書検索で調べて頂いた内容とのこと。
お手数を掛けましたが、有難く活用させて頂くことにして、早速ここに掲載することにする。


■『日本の名随筆』(作品社刊)の三浦哲郎作品所収リスト

鱚釣り         日本の名随筆  4 釣

郷里の菊        日本の名随筆  19 秋

夜のスケーター・ワルツ 日本の名随筆  20 冬

煙草の肴        日本の名随筆  26 肴

蔵書のゆくえ      日本の名随筆  36 読

夜汽車の汽笛      日本の名随筆  37 風

久留米絣        日本の名随筆  38 装

おふくろの筆法     日本の名随筆  42 母 

祭りの笛        日本の名随筆  44 祭 

せんべの耳       日本の名随筆  54 菓 

娘たちの夜なべ・ハバロフスク一夜
日本の名随筆  72 夜

犬の拾い物       日本の名随筆  76 犬 

供養塔         日本の名随筆  86 祈

梅雨の丹後半島     日本の名随筆  92 岬 

朝露とリンドウ     日本の名随筆  94 草



人里風土記       日本の名随筆  別巻21 巡礼 

深川土産        日本の名随筆     夫婦 別巻48

幽霊          日本の名随筆     怪談 別巻64

方言について      日本の名随筆     方言 別巻66

柿の蔕         日本の名随筆     会話 別巻79

武士の情け       日本の名随筆     男心 別巻83





鱚釣り

「鱚釣り」

先日の例会で、田口会員から教えて頂いた作品名だった。
三浦哲郎作のこの題名の随筆は『日本の名随筆』(作品社刊)に載っているというが、どの巻に収められているか分からない。

『日本の名随筆』  ウィキペディア参照

日本の名随筆』(にほんのめいずいひつ)は作品社から出版・刊行された、明治以降の各界著名人による随筆を巻ごとに異なるテーマで編集した随筆集のシリーズ。

各巻ごとにそのテーマ(個々のタイトルとなっている)にふさわしい編者が選定され、それぞれ30-40編程度の随筆・エッセーが収録されたアンソロジーとなっている。執筆者数延べ2,000余名、総作品数7,000余編に上る。
「本巻」100巻(一文字シリーズ:『花』『鳥』『猫』……『命』)および「別巻」100巻(二文字シリーズ:『囲碁』『相撲』『珈琲』……『聖書』) からなり、昭和57年10月より毎月欠かさず1巻ずつ、200か月(16年8か月)をかけて、平成11年6月に全200巻の刊行を完結させた。完結記念として『作家別収録作品総索引』『随筆名言集』も刊行されている。1999(平成11)年、第53回毎日出版文化賞(企画部門)を受賞した。
目次前の巻頭には、その巻に関連したイラストレーションや絵画作品あるいは写真などがカラー印刷で口絵として飾られ、またテーマに沿った詩の一篇が置かれる場合もある。巻末には収録された各随筆の作者プロフィール・出典が記録されている。なお、全巻の装丁菊地信義が担当している。B6変形版にて各巻おおよそ250頁。価格は本巻1200円、別巻1600円(税込み)であったが、現在は本体価格1800円となっている。

三浦さんも第31巻『婚』の編者になっていて、師の井伏鱒二も第36巻『読』の編集を担っている。
釣りの話なので、もしかしたら開高健編 第4巻『釣』に載っているのかもしれないが、まだ確認できていない。

この全集には、三浦さんの随筆も数人の編者に選ばれていくつか掲載されているようなので、探し出してみなければならないと思っている。
しかし、200巻とはすごい全集だ。それも、書籍の大きさの割に1.800円/巻と高価なので、おいそれと揃えることも叶わない。

それでも、読む会の会員の中で、全巻そろえている人は一人だけではないようだから、文学への熱意とレベルの違いを感じた次第である。





こころの中の故郷

「三浦哲郎文学の旅」を終えた神奈川県の川村さんから、無事に帰宅したと、丁寧なあいさつをメールで頂いた。

金田一温泉郷と一戸町の文学散歩をした他に、青森経由で帰る途中で、八戸市に立ち寄り、市内のゆかりの場所も訪れて帰られたとのこと。
読む会発行の「文学散歩ガイドマップ」をフルに活用して楽しんで頂けたようである。
もちろん、青森県近代文学館で特別展の原稿や雑誌「平凡」などの展示物も堪能されたそうだ。
川村さんは、隣の三戸町にある〈繭子の像〉にも興味を持っていたようなので、それは、今度の楽しみになることだろう。

鞄に詰めて持ち帰った林檎を、八戸の文学碑の前で、碑を眺めながら昼食代わりに、また、野辺地の宿と寝台列車の中でも美味しく戴いたそうだ。
鞄の中に入れておいたら、鞄の中がほんのりと林檎の香りがして、食べてしまうのが勿体ないほどだったという。(菅原会員のところで分けて頂いた新種の岩手林檎〈はるか〉で、特急品「冬恋」は一個5,000円もの値が付くほどの高級品である。)

今回の旅を経験したことで、これから三浦文学を読むときに、実際に、情景を目の前に浮かべることができ、また、新たな視点で、三浦文学を体験できそうで、とても楽しみだという。

生まれも育ちも神奈川で、故郷というものを持たない彼女は、三浦文学を読むことで、又、実際に舞台を訪れたことで、これからは、金田一や一戸を〈こころの中の故郷〉と位置づけ、彼の地に思いを馳せたい。そして、思いを馳せるだけでなく、ぜひぜひ、再訪したいと思ってくれているそうだ。

「読む会」の例会にも参加して、会員たちと交流を持てたこともあって、会の活動への協力も頂けることになった。

川村さんには、文学散歩途中で宣伝しておきながら、手渡せなかった冊子「作家生活50年 三浦哲郎の世界」を、注文されたので送り届けることにしている。


今回は、全国の数多の三浦文学愛読者の中から、一人の勇気ある人に出会い、そして、ふれあい、このような充実した「三浦哲郎文学の旅」を体験して頂けたことを、大変嬉しく思っている。
こちらも良い体験をさせて頂いた。
今度は、寒くない季節に再訪頂けることを楽しみに待ちたい。


先日の「割烹旅館おぼない」で、別の遠来のお客さんが、来宿してから三浦哲郎ゆかりの場所であることを知って、とても残念がって発っていったそうだ。
三浦哲郎の愛読者たっだそうで、散策する時間が無かったので、今度、改めてゆっくり訪れて見たいと話していたという。

又、同じく一戸町の広全寺でも前日に、神奈川から来たという中年夫婦が、三浦さんのお墓を訪ねて来たと話していた。
そして、九州から毎年わざわざ訪ねてくれる熱烈な三浦文学ファンもいるというから、頭が下がる思いがしている。










新たに2作品

三浦さんの著書に無い作品が新たに2編手元に届いた。

1.松田毅一著『黄金のゴア盛衰記-欧亜の接点を訪ねて』「解説」
(昭和52年9月10日・中央公論社刊 文庫)

2.『今官一作品下巻』月報 「『幻花行』のことなど」
(昭和55年8月30日・津軽書房刊)

今回、青森県近代文学館にお願いして、これらの複写を提供して頂くことができた。

三浦文学ファンなら、それぞれの本の著者の略歴を見れば、三浦さんとの間柄が想像できるだろう。

※wikipediaより

松田毅一(1921.T10.5.1〜1997.H9.5.18) 香川県高松市出身の歴史学者。
専門は戦国時代から江戸時代初期の日欧交渉史。特にポルトガル・スペインとの関係史。
著書に『天正少年使節』(1965年 角川新書刊)もある。

今 官一(1909.M42.12.8〜1983.S58.3.1) 青森県弘前市出身の小説家。
早稲田大学露文科中退。同郷出身の太宰治と親しく、桜桃忌の名は今によって名付けられた。
1956年(昭和31年)、『壁の花』で第三十五回直木賞を受賞。


この2編を読んで、又、三浦さんの新たな思いを知ることができた。
今度の例会で会員の皆さんに披露することにしよう。
そして、ご協力頂いた青森県近代文学館に感謝しながら、読む会の「ゆのはな文庫」に所蔵させて頂くことにする。






弘前市在住の鼻和会員から教えて戴いた、三浦哲郎作品が載っている雑誌『鉄道歳時記4 冬』を、ネット通販で購入した。

先日の例会でも取り上げて、皆で輪読したその作品は「我が思い出の冬の旅 夜汽車の思い出」というタイトルで、8ページ弱書かれている。
〈セピア色の記憶〉〈冷えとぬくもりの記憶〉〈酒の匂いのする記憶〉の三章からなっている。

内容は、三浦文学の愛読者なら誰でも興味を持ちたくなるいくつかの発見が見られるから堪らない。
そして、何よりも私たちにとって懐かしい一昔前の一戸駅や八戸駅、上野駅の写真が掲載されているから、購入しないでいられなかったのである。

〈酒の匂いのする記憶〉では、都落ちして一戸町で暮らしている時に生まれた長女に、父親らしいことを何一つしてやれないでいたので、せめてクリスマスのプレゼントを買ってやりたい思いで、短編小説を書いて八戸の総合雑誌に持込むのだった。
そして、貰った原稿料でデパートに行ってセルロイド製の起き上がり小法師を買い、残りのお金で同僚と酒場で飲んでから、夜半の汽車に乗って帰る。
しかし、酔いが回って盛岡まで二時間半も乗り越してしまった。
それでも運良く、直ぐに下りの夜行列車に乗ることができて引き返し、一戸駅まで戻った時は、既に夜中の三時半を過ぎていたそうだ。
足跡ひとつない雪降りの道を、途中から足袋はだしになり、脱いだ雪下駄を片手に持って、おもちゃの箱包みを抱えながら、除雪車のように歩いて家路に急いだという。


ここで、書かれた小説とは、この頃書いた唯一の小説は「村の災難」だったと記憶しているが、果たしてそれのことだろうか。
お銀さんの旅館の部屋を借りてそこで書き上げたもので、仕事が見つかって上京するために背広を買う原稿料稼ぎが目的だったと何かの作品に書いていたことを思い出すのだが、これを読むと、少し話が違っている。
はたして真相は如何に。

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■写真:三浦さんの「我が思い出の冬の旅 夜汽車の思い出」が載っている雑誌「鉄道歳時記4 冬」
(昭和60年12月10日 小学館発行)
表紙写真は北上線陸中大石〜陸中川尻間とのこと。


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