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昨日、久しぶりに盛岡に出かけた。
駅から裁判所の前の石割り桜を見物しながら、目的地の『プラザおでって』まで歩いてみた。
開運橋からの北上川越しの岩手山は、生憎の曇り空で見えなかったが、川岸に咲いている草花や、芽吹きはじめた柳の木の新緑が、通る人の目を楽しませていた。
「やはらかに、柳あをめる 北上の 岸辺目に見ゆ 泣けどごとくに」
啄木の歌を口ずさんでしまうような風景。
ここは、盛岡に来ると足を止めて仰いで見たくなる、私にとって一押しの風景の場所である。
石割り桜はちょうど満開の花がボリュームたっぷりに咲いていて、ごった返す観光客の目を楽しませてくれていた。
隣で鮮やかな桃色の花を咲かせている桜に比べて、白く地味に感じるのは、古老木の貫録でもあるのだろうか。
プラザおでっての前の広場では、古本の露天市が開かれていた。
テントの中には沢山の本が有り、著名な作家の全集など、貴重だと思われるような古本が所狭しと並べられていた。
用足しへの時間が迫っていたが、三浦哲郎の本が気になって、通りすがりに覗いてみた。
ちょっと見回しただけでは、探し出せそうもないので、売店の人に尋ねてみたら、今日女の人が買って行ったから、もう無いかもしれないと言われた。
この古本市にも三浦さんの本が出されていたことが分かり、そして、それを探して買ってくれた人がいたのかと思うと、手にすることができなかった悔しさよりも、盛岡にもそんな愛読者がいてくれたことの方が嬉しかった。
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