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高齢化社会の時代が訪れている。
遠く田舎を離れて暮らしていて、郷里の年寄りの心配をしながら過している人も多くいると思う。
私の住んでいる地域も、ご多分に漏れず、子供たちが遠くに住んでいて、高齢の老人だけで暮らしている人が多く、増え続けている。
元気で過しているうちは良いが、あたって(脳梗塞などになること)倒れでもしたら、それこそ看病をどうするかが大きな問題になる。
元気を取り戻しても、狭くて使い難い便所や風呂、台所、段差だらけで、寒くて古い家では、自宅療養で看病するには環境が悪すぎて困ってしまう。
闘病生活が長引けば、息子娘たちの負担や気苦労は大変なものである。
三浦さんは、あたって倒れたおふくろさんの長い入院生活の間に、東京から郷里の一戸町へ見舞いに何度も帰って来ていて、そんな看病の色々な体験を多くの作品に書き残している。
今、同じような境遇にあり、思い悩んでいる人がいたら、三浦さんのこのような体験ばなしの作品を読んで頂いたら、少しは励みになるのではないだろうか。
昨夜は、そんな郷里のおふくろさんを思う三浦家のとても温かい思いが伝わってくる随筆『娘たちの夜なべ』を読み返してみた。
あたって寝たきりになってしまった郷里のおふくろのために、夜、娘たちが茶の間に集まって縫物をする…という話しである。
12、15、19歳の三人の娘たちは、母親の助言に頷きながら、古着の浴衣をほどいて手縫いでせっせとおむつにする。それは、2カ月ほど前に寝たきりになった娘たちの祖母に使って貰うためのおむつなのだ。
生まれた時、祖母が自分で縫って送ってくれたおむつで育った娘たちは、今、なにやらくすくす笑い合ったりしながら祖母のおむつ作りで夜なべをしている。
そのおむつを土産に娘たちが祖母の見舞いに帰るというのである。
三浦さん家族が、みんなでおふくろさんのこと思って上げているところに強い家族の絆を感じさせられる。
折角、読書を推薦したのだから、三浦さんの著書で郷里の親の看病のことが描かれている本を整理してみることも考えてみよう。
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