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『熱い雪』に掲載の随筆『小説とテレビドラマ』に大変興味深い話題が書いてあった。
小説『忍ぶ川』がラジオドラマやテレビドラマになって放送されたことがあるというのである。
それは昭和36年のことで、ラジオが2月25日、テレビが3月12日の夜だったというから、2月に芥川賞を受賞して間もなくのことである。
このことは「自筆年譜」に記されていないことで、初耳なので驚いている。
当時、三浦さん宅にはまだテレビが無くて、放送のひと月前にやっと世話をして貰って、ぼつぼつ見始めたところに、いきなりドラマ化の話がありビックリしたそうだ。
そして、放送の時には、スタジオに呼ばれて立ち合ったそうだが、その時の様子も描かれていて、初期のテレビ放送のことが懐かしく思い出される。
テレビ化の際の戸惑いは、相当なものだったようだ。
何しろ、私小説で内容は実話なので、登場人物のニュアンスが違うことは、実在の人物がいるのだから、大変困るのである。
この随筆は、私小説がラジオやテレビで放送されることの、戸惑いが描かれていて一読の価値がある作品である。
私も読んでみて、昨年のイベントの際の、映画『夜の哀しみ』の上映を許して戴けなかったことに通じるものが書かれていることが判った。
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