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三浦作品を読んでいると、色々なことを考えさせられる。
ごく日常的な、些細なことでも三浦さんの手を経て文章になると、とても味わいのある事柄になってしまうのである。
人と話していて、何の気なしに問い掛けて、後で、何とも愚かな質問をしてしまったことかと、自己嫌悪に陥ってしまうことが、間々ある。
三浦さんが郷里の放送局の企画で、作曲家の間宮芳生氏や相撲の栃ノ海関と「新春座談会・ふるさとの正月をしのぶ」という番組に出た時の、そのような出来事を、『熱い雪』の中に随筆『愚かな質問』(新潮・昭和39年6月号初出)という題で書いている。
話しが相撲のことに及んだ時、当時大関だった栃ノ海関に「ときに、栃ノ海さん。あなたはやはり横綱になりたいですか?」と質問をしてしまって、なんと馬鹿なことを言ってしまったものだと、反省しても後の祭り。
この文章を書いたのはそれから2〜3年経ってからだから、三浦さんにとっては、とても忘れられない出来事だったことだろう。
言葉は色々な方面に解釈できるから、思考を巡らせながら話をしていても、全く違った意味で捉えられて、突然憤慨されて面食らうことがある。
兎に角、日本語は厄介である。
『愚かな質問』は、する方も、される方も、共に後味の悪い思いがするるので、気を付けなければいけない。
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