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長編小説『まぼろしの橋』に、西会津地方が描かれている場面がある。
只見川の流れる町柳津が一場面に描かれているこの小説を、福島県では『ふくしま文学のふる里100選』に選んでくれている。
ふくしま文学のふる里100選-026/30page
http://www.fks.ed.jp/DB/47000.1994fukushima_bungaku100/html/00026.html
71 まぼろしの橋
三浦哲郎
小説 昭和四六年(一九七一)
まぼろしの橋
橋をつくることに夢を抱く土木技師の霞五郎は、山中で遭難しそうになった若い女性塔ノ沢香織を救助する。香織は豚汁を初めて食べて元気を取り戻し、二人の仲は愛へとむかう。
やがて霞は、只見川の流れる橋の多い町柳津へ、橋の補修工事のため出張して来る。そこへ一二月の或る日、豚汁が食べたいといっている霞のことを聞いて香織が現れる。だが二人の愛は、決壊したスノー・ダムの急流に二人がのまれてしまうことで、悲惨な終わりをむかえる。
三浦哲郎さんは、『忍ぶ川』、『初夜』、『妻の橋』、『ユタとふしぎな仲間たち』、『はまなす物語』、『愁月記』等々、多くの小説に、この岩手県北地方を描いてくれているが、残念ながら、どれも架空の地名になっているのが、今一つ印象が弱いのだろうか。
世界遺産石見銀山の島根県大田市や、湯殿山の即身仏を描いた『贋お上人略伝』の山形県、芥川賞受賞の頃に住んでいた調布市などは、芥川賞作家・三浦哲郎をゆかりの作家として公認して宣伝に活用している。
岩手県も、早く「芥川賞作家・三浦哲郎」を『岩手にゆかりの作家』として認めて、確立して頂けないものだろうか。
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