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昨日は、65回目の終戦記念日であった。
NHKテレビで『15歳の志願兵』というドラマを観て、いたたまれなくなって、三浦さんの敗戦体験をつづった『15歳の周囲(旧「遺書について」)』を読み返してみた。
これは、三浦さんの終戦の実体験そのものを描いている作品で、テレビドラマの主人公たちと同じ歳の出来事だったことを思うと、読んでいる内容がドラマと重なってしまって、画面の映像を思い浮かべながら読んでいた。
三浦さんは、文学を志すことを決意し、早大文学部仏文科に再入学して、同人雑誌「非情」を級友七人とともに創刊した。
そして、生い立ちをありのままに書いた「誕生記」、父親の故郷・金田一村湯田(現二戸市金田一)で過ごした一年間を記した「ブンペと湯の花」、敗戦体験をつづった「遺書について」の習作を相次いで発表した。
第三作の「遺書について」が井伏鱒二氏の目にとまり、井伏氏の助言でこの作品を書き改めて、新潮同人雑誌推薦小説特集に発表した。
その「十五歳の周囲」は、第二回新潮同人雑誌賞に選ばれた。
今から55年前の1955(昭和三十)年のことである。
一年に一度、終戦記念日に読み返して置きたいこの作品は、三浦さんの作家活動の原点でもある。
この作品が収められている『三浦哲郎短篇小説全集 第一巻』の巻末に、三浦さんが自身の文学の原点を模索している『文学的自叙伝 揺籃のころ』という随筆が載っていた。
読んでみて改めて三浦さんの文学への初心を確認できたような気がしている。
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