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芥川賞選考

今夜のニュースでは、今回発表された芥川賞選考の結果、該当作が無かったと報じている。
このことは、三浦哲郎さんが選考委員を辞退した時のコメントに繋がるような気がして、考えさせられる。

■芥川賞…「文章が一番大事」 選考委員を退任した三浦哲郎さん
(2006年1月19日 読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20060119bk09.htm

ポートレート写真掲載
「この賞を取るか取らないかで、将来が大きく違ってくる。僕自身、身をもって分かっているので、軽々に作品を判断することはできなかった


時代性重視の風潮に違和感

 作家の三浦哲郎さん(74)が、芥川賞の選考委員を退任した。1984年の第91回から昨夏の第133回まで20年余。退任を決意した経緯、選考会での思い出などを語ってもらった。(聞き手・山内則史)

 病気(脳梗塞(こうそく))はいっこうに良くならないし、段々体力がなくなってくるでしょう。年齢もあって、一人になると、もうおしまいだなあと思うことがしばしばなんですよ。そういう身体の状態で、人の作品について言うのは、どうかと思いましてね。
 時代も変わって、今、作品の中に出てくる高校生の生活なんか、僕には理解できないんだ。僕らの高校生活とは全く違いますから、読めないんですよ。先に進めない。
 吉行淳之介さんが健在のころ、「自分は芥川賞をもらって世の中に出たから、いくらでも後輩のために力になろうと思ってやってきたんだけど、もういいだろう。もう勘弁してくれ」と言っておられたのが70の時。非常に印象的でした。いかにもくたびれたっていう感じでね。僕も、「もういいだろう」と言いたいな。
 僕は本来、選考委員なんていう役目の素質がないんだ。人と争って、言葉で相手を圧倒するようなことはできない。こういうのに芥川賞を出してはいけないと、テーブルを叩(たた)いて反対意見をいう勇気がないんですよ。そういうのがなければ、選考会では駄目ですね。
 川端康成っていう人は強かったんだなあ。何も言わないで、最後にポツッと「これは駄目ですね」って言ったんでしょう? 今、そういうのはないんです。一人ずつ順番に意見を言って。あれは本当に嫌なんだ。
 僕が選考で重視したのは文章です。文章が一番肝心なことで、文章さえよければ気持ちよく読めるわけですから。作品の中に、作者はいろいろな思いをつぎ込みます。それがより伝わって来る。自分の中で推敲(すいこう)しながら読むみたいな作業になりますから、文章が悪いといけませんねえ。
 で、選考会で文章が大事だってことを力説するんだけれども、段々効力がなくなってきた。それは職人的な考え方ではないか、という風潮が強くなった。文章が大事という思いを、編集者も作家も持たなくなってきた気がします。何か別に大事なものがある。例えば、時代性のようなことでしょうか。
 その点、開高健は、わりに文章を重視するところがありました。作品の中に人をドキッとさせるような一行があればいいんだ、その一行をあらわすのが新しい小説なんだと言っていた時期があったんです。僕も、その通りだと思うなあ。
 読者にとって忘れられない一行というのがあるわけです。そういう一行でぴたっと文章を終わらせなければいけないといつも思っている。だから僕は、どうしても少数派の肩を持つことになる。僕の推薦したものはいっこうに受賞しない。
 しかし何行かでも、いいところがある作品を推したかった。そして、励ましたかったんですよ。だからせいぜい、選評でそれを書く。もったいない人だな、という気持ちもあるし。会心の選考会というのは、だから残念ながら経験がない。
 でも、松浦寿輝さんが出てきたときは、文章がいいと思った。それと藤野千夜さん、受賞に至らなかったけれど栗田有起さんの「お縫い子テルミー」も好きな作品だった。
 何しろ、病気ですからね、なかなか思うようにいかない。力の調節がつかなくて、鉛筆をうまく握れないんですよ。僕は原稿の字がきれいなので有名だったんですが、今はミミズの行列になってしまいました。
 しかし、病気の状態にもある程度慣れてきましたので、群像で近々、連載小説「肉体について」を再開します。おととしの夏以来ということになりますか。自信がなくて編集者に聞いたら、面白いっていうんで、もう何回か頑張ろうと思って。
 「モザイク」は、これまで70編ぐらい書いたのかな。そっちもとても気になっています。何とか100編書きたい。『白夜を旅する人々』の続編もやりたい。早々に山の方(八ヶ岳の山荘)へ行って「モザイク」を書いてみたいな。去年は一度も行けなかった。そんな年は今までなかったんですよ。



 みうら・てつお 1931年青森県生まれ。61年「忍ぶ川」で第44回芥川賞。著書に『拳銃と十五の短篇』『白夜を旅する人々』など。100編を目指して書き継いできた短篇集〈モザイク〉は、第3集まで刊行されている。


(2006年1月19日 読売新聞 記事より転載)

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知事に差し上げるために持参した箱入りの「湯田のりんご」を目の前にして、先ずは、その説明をしない訳にはいかなくなったお陰で、三浦文学への話しが自然に繋がり、正式な挨拶もそこそこに、話に夢中になってしまった。

イベント当日に、プレゼントの林檎に付ける予定の「しおり」は、松本会員が作成を担当してくれて、とても良い内容になっているものなので、皆さんにも先に公開することにしよう。

知事には、三浦さんは瀬戸内寂聴との出会いにもエピソードがあり、その二人が、今、二戸に大変ゆかりの深い著名な作家となっていることや、二戸には他にも『馬淵川』の直木賞作家・渡辺喜恵子や、九戸城落城を描いた『天を衝く』の高橋克彦など、文学的に大変ゆかりのある著名な作家達がいるので、『誇れる我が市にゆかりの作家たち』としてそれらも絡めた活用と情報発信に大きな可能性があることも話させて頂いた。

「座敷わらし」の話しで知事は、遠野市で今年『遠野物語』100周年記念のイベントを大々的に開催することで盛上っていることに触れたが、岩手で「座敷わらし」のこととなると「遠野」というイメージが強くて、金田一温泉の座敷わらしがまだまだ知名度が低いのは淋しい。
それでも、今回の「緑風荘」の焼失で、全国に知られるようになったことについては、テレビの有名番組で今でも取上げられているのを見て、反響の大きさに驚いていると言っていた。

先日の『天声人語』の記事も読んで頂いたそうなので、私の思いとして、あのような記事に三島由紀夫よりも、三浦哲郎のことに触れて欲しかったこと。それに相応しい方で、その価値があるのに、知られていないのは勿体ないことなので、『座敷わらし』と言えば「三浦哲郎」というイメージを持ってもらえるように、ゆかりの深い地元が、もっと情報発信をしなければならないことを伝えた。                    
そして、埋もれていた作家を、地元が熱心に情報発信して、全国に知られるようになり、地域おこしに繋がり、今では全国から大勢の観光客が訪れるようになった、山口県長門市の「金子みすゞ」のことを話して、私たちもあやかりたいと思っていることを伝えた。

そのためには、今までの行政の縦割りのやり方では、上手く機能しないのである。
私たちも、これ以上のイベント活動を続けるための、助成金申請などの手立ては何も取っていないので、今後の行方は分らない状況にある。

明後日の、来場者の反響によって鋭気が違ってくることになるだろう。

日毎にイベント参加を希望する会員が増えてきていることも、今回の企画が読む会に良い成果をもたらす兆しのように感じている。

岩手県知事訪問

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■画像:知事室にて

昨日、夕方、県庁に出向いて、達増岩手県知事に面会させて頂いた。

今回も、唯一盛岡の会員である中村恵美さんに同行頂いて、二人で訪問した。
知事室には、県立図書館を管轄する県教育委員会生涯学習文化課の総括課長も同席されていた。

入室早々に、持参した大きな風呂敷包みを解いて、箱入りの金田一温泉郷の「湯田のりんご」を差し上げた。
「湯田のりんご」は、三浦さんが作品の中で絶賛してくれている、大変ゆかりのあるもので、今度のイベント会場で入場者にプレゼントすることを、しおりを見せながら、説明させて頂いた。
「金田一温泉観光りんご園」のことは、知事もご存知で、視察に来たことがあるそうで、生産者の名前も記憶されていた。

知事にはイベントのポスターとチラシ、それに「金田一温泉郷・三浦哲郎文学散歩のしおり」を渡して、「盛岡キャラバン」の趣旨と、三浦哲郎と岩手のゆかりについての話をさせて頂いた。

知事は、三浦哲郎のことは良く分らなかったそうなので、持参した3冊の書籍(「三浦哲郎の世界」、「自作への旅」『ユタとふしぎな仲間たち』…講談社青い鳥文庫)に目を通して貰えるように、そして、以前に、二戸で行われた三浦さんの講演会の録音CDも聞いて頂けるようにお願いして、一緒に差し上げた。

知事は、『ユタとふしぎな仲間たち』の本を見て、「座敷わらし」のことでは、自分も力をいれていると言って、机の上に飾ってある写真を見せられた。
それは、金田一温泉のある集会の場所で撮られた写真だそうで、後ろ姿の知事の頭の脇に、白い丸玉の「オーブ」が写っていた。
そういうこともあって、座敷わらしの話には大変関心を持っていて、来訪客にこの写真を見せて座敷わらしの話しているそうだ。

劇団四季の『ユタと不思議な仲間たち』は知っていても、原作者のことまでは分らなかったと言っていた。
劇団四季よりも前の昭和37年に、NHKでテレビドラマ化されていて、当時は、約1年掛かりで金田一温泉に泊まり込んでロケされたゆかりの作品であることを、持参したDVDを見せながら説明させて頂いた。

『ユタとふしぎな仲間たち』や、地元の中学校で習っている国語の教科書に載っている『盆土産』などは、金田一温泉を舞台にして描かれている作品で、全国的にも知られていて、他にも色々な作品に金田一や一戸を舞台に描いてくれているのに、地元では認識されていないことも話させて頂いた。

三浦哲郎文学には、りんご生産地のことや、文学散歩、青森県八戸市との連携と言った、多方面に渡る要素が含まれているということを、知事に分って頂けたことは、大変嬉しいことだった。
これまでは出生地八戸から発信された情報が主で、岩手から見た三浦哲郎文学の検証が成されていないようなので、県立図書館の学芸員などのような部門で、取組んで頂けるように、お願いした。
知事は、今回の資料を教育委員会だけでなく、庁内の各部署に回して、検討するようにさせると言って下さった。

集客宣伝の為に期待していた新聞社の取材は、全く無かったのは残念だったが、知事に、三浦哲郎氏と岩手のゆかりのことを知って頂いて、理解を示して頂けたことは、今後の進展に大きな希望を持てるような気がして、心を弾ませて帰ってきた。

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