|
三浦作品の随筆『せんべの耳』では、南部せんべいのことを詳しく書いてくれている。
三浦さんは「八戸せんべい」が、いつの間にか「南部せんべい」と呼ばれるようになったと書いているが、真相は如何なものか。
その南部せんべいは、今では機械焼になっているが、昔は手焼きだった。
店の片隅で炭火の炉に向って何人かの職人が並んで、せんべいの鋳型をガチャガチャ動かしながら焙って焼いていたものである。
当地に、今でもその手焼きに拘って作り続けているせんべい店がある。
老夫婦二人で続けていたのだが、先年、ねた作りを担当していた奥さんに先立たれた上に、焼き方専門のご主人も健康が優れず、存亡の危機にあった。
暫く振りで店に立ち寄ってみたら、息子さん夫婦が店にいて手伝っているので驚いた。
東京で銀行勤めをしていた長男夫婦が、父親のせんべい店を継ぐために、定年を待たずに辞めて戻って来て、親が築いた伝統の味を引継ぐ為に、奥さんと一緒に修業を続けているとのこと。
何とも、ほほ笑ましく有難い話である。
金田一の『藤原せんべい店』の伝統を絶やさないで守って欲しいと期待し、応援して行きたいと思う。
この夫婦が、1月に開催した盛岡キャラバンのイベントにわざわざ出掛けてくれたそうで、その上に、会場で「三浦哲郎の世界」を購入して読んでくれていると言う。
随筆『せんべの耳』についても、是非読んで欲しいと話しておいた。
新たな三浦文学の理解者が確実に増えているのは、嬉しい限りである。
皆さんも、金田一・藤原せんべい店の「南部せんべい」を宜しくお願いします。
本当に(安くて)おいしんです!
|