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三浦哲郎『完本 短篇集モザイク』は、100篇を目標に書きつがれた連作《モザイク》の全作品を総合したものだ。
『三浦哲郎自選全集』全13巻(新潮社S62〜S63)の月報に連載された13篇からスタートした《モザイク》は以後、「新潮」「群像」「波」など各紙誌に場所を移して発表されたものを、『みちづれ』(H3)『ふなうた』(H6)『わくらば』(H12)の順に新潮社から単行本として刊行された。
100篇の目標は残念ながら59篇で途絶えてしまった。
しかし、その中には川端康成文学賞受賞『じねんじょ』(第17回)『みのむし』(題22回)の2篇も含まれる。
今回は、それに未刊行の3篇
「カフェ・オーレ」
「流年」
「山荘の埋蔵物」
を加えて62篇を発表順に並べ替えて収録されたものである。
冒頭の『やどろく』は連作以前の作品だったがモザイクの一篇にくわえられたものである。それから未刊の3篇まで、年数にして16年、三浦哲郎さんは書き続けたのだった。
※『完本 短篇集モザイク』巻末の荒川洋治氏の解説より引用紹介。
多くが原稿用紙10枚そこそこの短い小説だが、無駄の無いことばひとつひとつを全力を注いで選び連ねて、生きた物語を生み出している。それらはどれも味わい深い作品なので、読み出すと止められなくなってしまう。
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