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■画像:9月に発刊された単行本『三浦哲郎、内なる楕円』深谷考著
私は今、昨日入手した深谷考という人が書いた『三浦哲郎、内なる楕円』という本を読み始めている。
こんな本が出されていたことは知らなかった。
先日、田口会員が、二戸市立図書館のS職員に新書が入ったと言って紹介されので、会長は知っているのかなと言って、電話で教えてくれた。
初耳のことなので、早速、調べてAmazon comの通販で注文して入手したのだった。
…最後に、この「あとがき」が三浦哲郎の命日(2010年8月29日)の日付をもつことが、著者として三浦哲郎への供養になればと思う。それ以上に、本書が三浦哲郎の文学全体への再評価への契機になれば、と願ってやまない。
2011年8月29日
深谷 考
著者の「あとがき」である。
本の題名にある「楕円」が、私のお気に入りの短篇小説「楕円形の故郷」に拘っているところに、この著者の作家三浦哲郎への思い入れを強く感じたのだった。
なるほど、読み掛けではあるが、相当に広範囲に渡って「三浦哲郎文学」の解説・評論が綴られている。
郷里の八戸や金田一温泉も訪れたようで、金田一温泉郷や、観光案内所の「ゆのはな文庫」の書棚のことなどもページを割いて書いてくれているのには驚いた。
三浦哲郎は研究や批評されることはあまり無いだろうと、ある編集者の方に言われていただけに、このような本が著されたことを歓迎したい。
これは三浦ファンにとって興味を持ってもらえる1冊になるに違いない。
■書籍紹介
『三浦哲郎、内なる楕円』
深谷考 著
四六判 290ページ 上製
定価2,600円+税 2011年09月22日 (株)青弓社発行
ISBN978-4-7872-9202-5
■青弓社HP
http://www.seikyusha.co.jp/books/ISBN978-4-7872-9202-5.html
▼紹介
肉親や故郷を題材に作品を書き続けた三浦哲郎。その文学世界には郷里・青森と東京とを行き来する「楕円形」の空間が存在する。三浦の故郷を歩き感じた経験を作品の読解に結び付け、「楕円」をキーワードに「血」「風土」「宿命」などの三浦文学の本質に迫る。
▼目次
まえがき――北国の、北国による挿話(ルビ:エピソード)
I 「野」の光景
1 ある短篇のこと
2 出稼ぎの父
3 「東京」がまだ遠かったころ
4 あふれる「野」の光景
5 生と性
II 八戸紀行
6 八戸へ 1
7 八戸へ 2
8 金田一温泉へ
III look at me
9 〈座敷わらし〉のこと
10 出生の秘密
11 『忍ぶ川』をめぐって 1
12 『忍ぶ川』をめぐって 2
13 文章について
14 look at me
IV 白夜
15 次姉貞子
16 “一族再会”――『白夜を旅する人々』 1
17 きょうだいのなかの“白夜”――『白夜を旅する人々』 2
18 清吾とれん――『白夜を旅する人々』 3
19 母
20 海嘯
V 歴史小説
21 『少年讃歌』をめぐって 1
22 『少年讃歌』をめぐって 2
23 北の不条理
24 サムサノナツハオロオロアルキ
VI モザイク
25 三浦哲郎の死
26 『モザイク』の小宇宙(ルビ:ミクロコスモス)
27 拳銃
参考文献
あとがき
▼著者プロフィール
深谷 考(フカヤ コウ)●著…1950年、茨城県結城市生まれ。文筆家。著書に『滝田ゆう奇譚』『幸田文のかたみ』『海辺の人間』『阿部昭の〈時間〉』(いずれも青弓社)、ほか。
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