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■画像:岩手日報新聞3月23日記事「文化人近況」より。
「手がけた装丁 思い出数多く」画家・司修さん
前回と同じく盛岡の工藤様からコピーを提供頂いた記事で、三浦文学のファンならご存知の、三浦さんの作品の装幀を多く手掛けた司修さんである。
この度、装幀を手がけた本の思い出を綴ったエッセー集「本の魔法」(白水社刊)で大仏次郎賞を受賞されたそうで、横浜での講演会のことが紹介されている。
司修さんは、三浦さんの著書の装幀に係わるに際してこの金田一温泉も訪れている。
「白夜を旅する人々」文庫本の表紙がそのことを物語っているので、皆さんにも確かめて頂きたい。
司さんは三浦さんとの思い出も多い筈なので、エッセー集「本の魔法」に取り上げられているその内容を読むのが楽しみである。
■Amazon.co.jp
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%AD%94%E6%B3%95-%E5%8F%B8-%E4%BF%AE/dp/4560081433
本の魔法 [単行本]
司 修 (著)
単行本: 264ページ
出版社: 白水社 (2011/6/3)
言語 日本語
ISBN-10: 4560081433
ISBN-13: 978-4560081433
発売日: 2011/6/3
商品の寸法: 19.2 x 13.8 x 2.6 cm
■内容紹介
古井由吉『杳子・妻隠』、島尾敏雄『死の棘』、中上健次『岬』など、戦後を代表する文学作品の創作の過程で、作家に寄り添い、深い読みを装幀に表現してきた芸術家が語る濃密な背景。
【取り上げた作品】
『杳子・妻隠』古井由吉
『富士』武田泰淳
『埴谷雄高全集』埴谷雄高
『硝子障子のシルエット』『死の棘』島尾敏雄
『岬』中上健次
『なつかしい本の話』江藤淳
『癩王のテラス』三島由紀夫
『月山』森敦
『白夜を旅する人々』三浦哲郎
『修羅の渚―宮沢賢治拾遺』真壁仁
『明恵 夢を生きる』河合隼雄
『私のアンネ=フランク』松谷みよ子
『河原にできた中世の町』網野善彦
『寺泊』水上勉
『弱い神』小川国夫
■内容(「BOOK」データベースより)
古井由吉『杳子・妻隠』、島尾敏雄『死の棘』、中上健次『岬』など、戦後を代表する数々の文学作品の装画・装幀を手がけ、作家と密につながり、深い読みを表現してきた芸術家が照射する、文学と人間の深淵。
■Amazon.co.jp のカスタマーレビューより紹介
【「本」という不思議な存在】 2011/9/27 By owlish
画家にして名うての装幀家、そして川端康成文学賞受賞の作家ならではの、味わい深い一冊。
「装幀は、ぼくが絵を描き続けるためのアルバイトとしてはじめた。(中略)タイトルの『本の魔法』とは、本を魔法にかけるのではなく、本の魔法にかかってしまったことである」と著者は記す。
タイトルの「本の魔法」に関して、江藤淳『なつかしい本の話』(司修=装幀)の、印象的な一節が引用されている。
「本というものは、ただ活字を印刷した紙を綴じて製本してあればよい、というものではない。
つまり、それは、活字だけででき上がっているのものではない。沈黙が、しばしば饒舌よりも雄弁であるように、ページを開く前の書物が、すでに湧き上がる泉のような言葉をあふれさせていることがある。」
古井由吉、武田泰淳、埴谷雄高、島尾敏雄、中上健次、江藤淳、三島由紀夫、森敦、三浦哲郎、真壁仁、河合隼雄、松谷みよ子、網野善彦、水上勉、小川国夫の15人の作家の作品に寄せた装幀・装画に関するエピソードにとどまらず、それぞれの作家との深い交流、さらに作家の生や作品世界にまで踏み込み、「本」という不思議な存在について、著者ならではの洞察を展開していく。
司修の装幀で、最も好きなのは森敦『月山』だ。この装丁のしかけは、冒頭の数ページ読むとわかってしまう。著者自身、「ぼくは、何もしないで仕事になってしまう」という思いを消せずに代案をいろいろと考える。それでも、臥牛山を思わせる牛の墨絵を使う以外、『月山』の装丁はありえなかった。
数多くの仕事のなかで、著者は「テキストを深読みしてかえって不興を買うこともあった」と述べる。だが、その「深読み」こそが、「装幀」の、そして「本の魔法」の核心なのだろう。
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