三浦哲郎文学を読む会

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「なにゃとやら」踊りの歌を聴くと、これが本当にヘブライ語に関係しているのかなと思い出してしまう。
そのことについて三浦さんも興味を持っていたようで、作品にも取り上げている
以前にも青森県新郷村のキリストの墓について紹介したが、そのことについてテレビ局が取材し放送した番組がYouTubeに掲載されていたので紹介する。

■YouTube 新郷村キリストの墓について
【キリストを解く鍵は日本にあり!-1/3】
【キリストを解く鍵は日本にあり!-2/3】
【キリストを解く鍵は日本にあり!-3/3】

フリーメーソンやテンプル騎士団
もっともらしいが、真実のほどは如何なものか。
『少年賛歌』を著した三浦さんはこのことについてどのように思っていたのだろうか?

金田一温泉まつり

土用だというのに、今日も肌寒い日だったが、夕方、長袖シャツに着替えて自転車に乗って湯治に出かけた。
折しも、金田一温泉は温泉まつりの真最中で、イベント会場の温泉センター駐車場ではなにゃとやら踊り大会」が賑やかに行われていた。

■金田一温泉まつりメイン会場の「なにゃとやら踊大会」の模様
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※老若男女懸命に太鼓を打ち、歌い、踊る優雅な姿が多くの人を楽しませてくれる。
「なにゃとやら」は地区によって囃子も踊りも少しづつ違うところが、又観客を楽しませてくれる。


そのイベント会場を覗きながら、久々に金田一温泉センター・ゆうゆうゆ〜らくの風呂に入って来た。
今日の温泉は何処も入浴料が半額になっていた。
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■入湯料半額で大賑わいの金田一温泉センター・ゆうゆうゆ〜らく

浴場から出るまでの間に、知り合いとあいさつを交わす場面が幾度もあった。
まさに公衆浴場は色々な人に逢える、裸の付き合いの社交の場なのである。
ここの浴場は男女一体の山形天井の大空間になっていて、大勢の響き合う声や物音もさして気にもならず、心地よい「音の風景」が、癒しの空間になっている。
趣向の違う二つの浴場が定期的に男女入れ替えになるのがここのセンターの特色になっているので、今日はどっちに入れるのかなと、秘かな期待が生まれる。
サウナ風呂や水風呂にも浸かり、大きな浴槽に入っては隣り合わせた知人と世間話が弾み、思わず長湯をして、どっぷり温泉に浸かった良い湯治となったのであった。

湯上り時には、もうすっかり日が暮れていた。
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照明に照らされたイベント会場の賑わいに誘われて、出店の列に並んで生ビールと名物の鮎塩焼き、焼きそばを買い、空いているテーブルに腰を下ろして、グググッと喉を潤しながら、ビアガーデンの雰囲気を味わった。
同じテーブルの空席に寄って来た客が幼馴染の同級生とは偶然なことで、これも故郷ならではのビアガーデンの良さなのだろう。
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■温泉地に在る南部馬淵川漁協の養魚場産の大量の鮎が串刺しの塩焼きにされて人気を呼んでいた。

湯上りに野外で飲む生ビールは格別で、大いに癒されたひと時となった。
これを湯治と言うのかな。

出店で懸命に働いていた温泉の人たちに感謝。
また「なにゃとやら踊」を披露してくれた各地のグループの皆さんにご苦労様と申し上げたい。
皆さんも、温泉に疲れた体を浸かって汗を流してくれたことだろう。
これで今年の温泉まつりも終わってしまったけど、暑い夏は来るのかな?







土用の丑の湯

一昨日の30度もあった真夏日とは打って変わって、真夏だと言うのに今夜の気温は12度。
当地には低温注意報が出ていて、半袖シャツでは鳥肌が立つほど寒さを感じている。
それでも今年も夏の土用がやって来た。
19日は土用の入り。
暦の上では土用の丑の日は27日で、本来なら金田一温泉も丑湯の日となるのだが、今年は21日(土)に行われる『金田一温泉まつり』が近年恒例になっている金田一温泉の「丑湯」の日になる。

「丑湯」には一年三百六十五日湯治したのと同じ効果があるそうだから、皆さんも入浴に訪れては如何か。

この金田一温泉の「丑湯」については、三浦さんが『笹舟日記 - 土用の丑の湯』に記載してくれているので紹介させて頂く。

『笹舟日記 - 土用の丑の湯』より抜粋
……私のところでは、この七年来、土用の丑の日には丑湯に入って鰻を食べるのがならわしである。丑の日に鰻を食べるというならわしは何処にでもあるが、丑湯というのには馴染みのない人が多いのではなかろうか。
私は東北の人間だから東北のことしか知らないが、東北の古い温泉場では土用の丑の日を丑湯といって、この日に温泉に入れば、一年三百六十五日湯治したのとおなじ効果があるといわれている。
それで、この日はどこの温泉場も湯治の客で膨れ上がり、それに近在からも骨休めの人々が押しかけてきて、浴場という浴場は裸の人でごったがえすことになる。温泉神社の境内では、草相撲の奉納があり、夜は飛び入り勝手の素人演芸会で遅くまで歌や太鼓の音が絶えない。丑湯は、いわば湯治場の夏祭りである。
私は、この丑湯というのを、父の生まれ在所の温泉村でおぼえた。岩手県の県北の、裏山を一つ越せばもう青森県という県境に、金田一温泉というところがあって、ここが父の生まれた在所だが、私は東京の大学をやめてきて、八戸の海岸町の中学校で二年間教師をしてから、ふたたび上京するまでの一年間をこの村で過ごして、その年の夏、初めてここの丑湯に入ったのである。
いまでこそ、金田一温泉といえば、岩手県の県北では唯一の温泉として人に知られるようになっているが、そのころは誰も温泉などと呼ぶ人がいなくて、金田一村の湯田というただのひっそりとした山裾の集落にすぎなかった。いまでは当世風の温泉旅館が二十軒近くあるが、私の住んでいたころは、自炊の湯治客相手の古びた温泉宿が、たった三軒しかなかった。
田の畔道のそばに、白く濁ったぬるま湯が湧いていて、それを三軒の温泉宿がパイプで引いて、薪を焚いて沸かしていた。それでも、ラジュウムの含有量ではわが国第何位とかで、昔から皮膚病にはとてもよく効くといわれていた。
私が十円の入湯料を払ってよく出入りした温泉宿の、脱衣場に掲げてあった板の額には、そんな効能書のほかに、この湯には、かの俳聖芭蕉も入ったことがあると書いてあった。東海の小島の磯の白砂にの石川啄木も入ったことがあると書いてあった。真偽のほどはわからないが、もしこれが本当なら、芭蕉や啄木は、生前、悪質なおできに悩んだことでもあったのだろうか。
丑湯の日がくると、近在から集まってくる一日湯治の客たちで、静かな山裾の集落は村祭りの日よりも賑やかになる。三軒の温泉宿は忽ち満員になり、部屋からあぶれた人たちは谷間の浴場へ降りる曲がりくねった階段の踊り場などに坐り込んだり、宿のまわりの風通しのいい木陰に茣蓙を敷いて寝そべったりしていた。
浴場からは、終日、爺さん婆さんたちの歌う民謡がのんびりときこえていた。このあたりでは、風呂がひどく混雑することを『大根洗い』といっているが、私が丑湯へ入りにいったときも浴場はまさに大根洗いで、けれども、みんなは口を噤んで、ひとりの婆さんの詩吟に聞き惚れていた。その婆さんは、もう六十近いとみえるのに、とてもそんな齢とは思えぬようないい声で、実に朗々と歌っていた。湯船の縁に腰をおろして、胸の上から小娘のようにタオルを縦に垂らして、二重にも三重にもたるんだ腹を隠しているところが、可憐にみえた。
東京の銭湯では、菖蒲湯や柚子湯はやってくれるが、丑湯というのはやらない。銭湯は温泉ではないのだから、やっても意味がないのかもしれないが、要は暑いさかりに一日骨休めの日を作って、心身共にのんびりと過ごすというのが丑湯の眼目なのだから、どこかの温泉場の湯の花でも取り寄せて、丑湯というものもやってみたらどんなものだろう。
私は、七年前、風呂場のある家に住むようになってから、毎年丑湯に入っているが、私のところの丑湯にだって、別段、種も仕掛けもあるわけではない。普通の水をガスで沸かした、ただの風呂にすぎない。けれども、私は普段、季節も目に留まらないほどあわただしい暮らし方をしているから、こんな思い出のある日ぐらいは、田舎の流儀に従って人心地が取り戻したくて、この日は朝から丑湯と称する湯に入り、湯あがりにビールを飲んで、終日うつらうつらと過ごすのである。

以下省略

この後には八甲田山の酸ヶ湯温泉の丑湯の面白い話が続いているので、是非読んでみることをお薦めする。

文中の三浦さんが入ったという温泉宿は「古湯=神泉館」になるが、残念なことに数年前に廃業してしまって今はもう無い。
三浦さんが金田一温泉で過ごした一年は1952(昭和27)年4月〜1953(昭和28)年3月だから、今から60年も前のことで、私が生まれて間もない頃だった。
そして、この『笹舟日記 土用の丑の湯』が書かれたのが1972(昭和47)年の夏だから、それから丁度20年後のことになる。
この作品が書かれてからも既に40年が経っている。

旧金田一村生まれの私たちは、金田一温泉をキュリー夫人もびっくりのラジュウム温泉」といってよく自慢したものだった。
そのキュリー夫人が二戸の偉大な物理学者田中館愛橘の友人だったとは…。
そのラジュウムも何故か今は表に出なくなっている。泉質が変わってしまったのだろうか。

夏の暑さを元気に過ごすためにも、是非、三浦さんも自慢だった金田一温泉の土用の丑の湯をご堪能頂きたい。
盛岡市在住の工藤Nさんから頂いた手紙を読んでとても励まされた思いがしている。
工藤さんもこのブログを読んで下さっているようで、南郷図書館の「三浦文学の部屋」を本会の例会の前日にわざわざ訪れたり、金田一、一戸の文学散歩も楽しんで頂いたとのこと。
とても、味わい深い内容の手紙なので、多くの人に共有して貰いたくてここに紹介させて戴くことにする。


 南郷での朗読会が成功裏に終了しおめでとうございます。
生憎、当日は都合が付かず、前日の7日に南郷図書館「三浦文学の部屋」を訪れました。
執筆机は落ち着いた色調かつ質量感のあるもので、右側の袖が当たる部分が磨り減っており、沢山の作品がここから生まれたと思うと一歩三浦ワールドに近づいた様な気になりました。
また、壁面の写真には師井伏鱒二のふたつの姿があり、屈託の無い満面の笑顔が大変印象的でした。
きっと筆を走らせながら、合間に煙草を燻らせ師を仰いでいたことでしょう。
ところで、7月2日付日経コラム春秋に、上司が部下の背中を押すことの大切さの導入部として、井伏と三浦の出会いが掲載されていましたのでコピーをお送りします。
曰く、「君、今度いいものを書いたね」、「僕は、あの一行に羨望をかんじたな」の繋がり。すぐに日経「私の履歴書」や「師・井伏鱒二の思い出」を読み返し、『死ぬことじゃなくて、死のあっけなさがこわいんだ』というあの一行の意味を再度味わいました。
大学三年生と六十歳近い文士との出会い(これ程年齢差があると思わなかった)は、その時点で濃密かつ揺るぎ無いものになったのは間違いないし、今日の殺伐とした世界にあっては作品以外のところでも大いに感化されるものがあります。きっかけ、さりげなさは大事ですね!
7日の小旅行は、このほか一戸、金田一も回りました。過去の貴会の文学散歩に参加させて戴いたことをおさらいしながらガイドマップを片手にしての駆け足訪問でしたが、一戸のゆかりの家(と思われる家)、小倉かりんとう店、金田一の三葉沼、共同墓地、どんどん淵は初めてで作品の一端をしばし思い出すことが出来ました。
一戸町図書館では、三浦の家族からの寄贈もあり蔵書の多さに感激しました。また、きたぐに旅館も訪れましたが、情報収集不足(日帰り入浴は無し)で、ロビーの書籍や色紙をちらり見させて戴き、最後に温泉センターゆうゆうゆ〜らくで草鞋を脱ぎ旅の汗を流しました。
念願が叶い、いやぁ結構結構、満足満足の一日でした。
今度は、久慈街道、八戸市三日町界隈、小中野、鮫、白銀、種差、種市あたりを訪ねてみたいと思っています。
井伏作品の「七つの街道」(久慈街道は三浦が取材旅行に同行)、「おろおろ草子」、「白夜を旅する人々」、「海の道」等や憧れの諸随筆にどっぷり漬かれますように……。
貴会のますますの充実をご祈念申し上げます。

追伸  小生の住まいの近くでもあり、「岩手の文学展」を見てきましたが、三浦ワールドをもっとしらしむべきと言う意を強く感じました。春秋じゃないですが、良いものは良いんですね。地道に知らしめましょう!

追伸の追伸  同展で三浦の菩提寺が広金寺となっておりましたので、広全寺と訂正するようお願いしました。

平成24年7月12日  工藤 拝




工藤さんがこのように三浦文学の世界に浸り、満足いただけたことを知って大感激している。
この手紙を読んで、訪れてみたい思いに駆られる人が多くいると思うので、是非、参考にして頂きたい。

「岩手の文学展」では、三浦哲郎氏に大変気の毒な扱いになっていたことを知って、私達もとても不満を感じていただけに、同じ思いの人がいたことを知って大変心強く思っている。
工藤さんたち理解者の協力を頂きながら、これからも芥川賞作家三浦哲郎が岩手に大変ゆかりが深いことの周知を図っていこうと意を強くしている。


工藤さんからは、続きの八戸編もお便りいただけることを楽しみにして待つことにしよう。

先日、盛岡市在住の工藤Nさんから手紙を頂いた。
それには、精力的に三浦文学を堪能している様子が書かれていた。
内容については後で皆さんにも紹介させて頂くとして、新聞記事の情報も頂いたので、それを紹介しよう。

■日経新聞コラム・春秋  7月2日
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