三浦哲郎文学を読む会

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弘前市在住の鼻和会員から教えて戴いた、三浦哲郎作品が載っている雑誌『鉄道歳時記4 冬』を、ネット通販で購入した。

先日の例会でも取り上げて、皆で輪読したその作品は「我が思い出の冬の旅 夜汽車の思い出」というタイトルで、8ページ弱書かれている。
〈セピア色の記憶〉〈冷えとぬくもりの記憶〉〈酒の匂いのする記憶〉の三章からなっている。

内容は、三浦文学の愛読者なら誰でも興味を持ちたくなるいくつかの発見が見られるから堪らない。
そして、何よりも私たちにとって懐かしい一昔前の一戸駅や八戸駅、上野駅の写真が掲載されているから、購入しないでいられなかったのである。

〈酒の匂いのする記憶〉では、都落ちして一戸町で暮らしている時に生まれた長女に、父親らしいことを何一つしてやれないでいたので、せめてクリスマスのプレゼントを買ってやりたい思いで、短編小説を書いて八戸の総合雑誌に持込むのだった。
そして、貰った原稿料でデパートに行ってセルロイド製の起き上がり小法師を買い、残りのお金で同僚と酒場で飲んでから、夜半の汽車に乗って帰る。
しかし、酔いが回って盛岡まで二時間半も乗り越してしまった。
それでも運良く、直ぐに下りの夜行列車に乗ることができて引き返し、一戸駅まで戻った時は、既に夜中の三時半を過ぎていたそうだ。
足跡ひとつない雪降りの道を、途中から足袋はだしになり、脱いだ雪下駄を片手に持って、おもちゃの箱包みを抱えながら、除雪車のように歩いて家路に急いだという。


ここで、書かれた小説とは、この頃書いた唯一の小説は「村の災難」だったと記憶しているが、果たしてそれのことだろうか。
お銀さんの旅館の部屋を借りてそこで書き上げたもので、仕事が見つかって上京するために背広を買う原稿料稼ぎが目的だったと何かの作品に書いていたことを思い出すのだが、これを読むと、少し話が違っている。
はたして真相は如何に。

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■写真:三浦さんの「我が思い出の冬の旅 夜汽車の思い出」が載っている雑誌「鉄道歳時記4 冬」
(昭和60年12月10日 小学館発行)
表紙写真は北上線陸中大石〜陸中川尻間とのこと。

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