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高校生教科書採用作品

高等学校で使われている教科書で、(株)明治書院の「高校生の現代文」(「新編現代文」を書名変更)に、三浦哲郎氏の『汁粉に酔うの記』が採用されている。

この作品は、『笹舟日記』に納められている随筆であるが、教科書では小説として扱われていて「小説を楽しむ」の項で扱われている。

『汁粉に酔うの記』は、確かに読んでいて楽しい作品である。
作者が戦後間も無くの高校生の時に、金沢で開催された国体に、バスケットボールの選手で参加したときの思い出を書いているのだが、お汁粉にまつわる話など、さり気なくユーモラスな内容になっていて、読みながらついつい拭き出してしまうのである。

 この教科書は、高校生の心情や生活体験に近い内容の教材を豊富に採り、内容が具体的で読みやすい評論文や感動的な小説がたっぷり入った2,3年生用の現代文として纏められているとのこと。

岩手県で使われているかどうかは確認できていないが、高校生たちが三浦哲郎文学に親しんで貰える切っ掛けになればと思っている。

高校生の子供をお持ちの方がいたら、情報収集にご協力を頂きたい。


■(株)明治書院の「高校生の現代文」
http://www.meijishoin.co.jp/search/ken/syosai4.html

三浦哲郎作品リスト

三浦哲郎氏の作品リストのデーターベース化をしたいと思って整理している途中である。
カード型データーベースソフトのFileMakerに入力しているが、困ったことに『笹舟日記』等のように、一冊の本に五十以上もの作品が乗っていると項目が頁ないに納まらないのである。
それでも、検索には支障ないのでどうにか列記だけはしている。
これが完成すると、作品がどの本に掲載されているかの検索が容易にできるようになるので便利になる筈である。

取り合えず、作品リストを知るには。このようなサイトもあるので参考にして利用してみて下さい。

■三浦哲郎 作品リスト
http://www.n2dm.com/author/jau000013.html

一戸にまつわる話を一つしよう。

三浦さんが一戸町で過した時の姿を見掛けたという人たちの話を聞くと、着物姿で歩いていたのを見たと誰もがいう。
その事実を三浦さん自身が認めて書き残している作品を読んだので紹介することにしよう。


三浦さんと長女晶子さんとの往復書簡の作品『林檎とパイプ』の中の「泣きどころ」より



《 ところが、おまえはお手伝いさんでもなければ、仕事をしているわけでも勉強をしているわけでもなく、ただ自分の眠気ざましと気晴らしに犬と一緒に歩いているだけだ。つまり、おまえは、自分が実に何者でもなく、実になにもしていないということに気づいて、胸の奥がどきりとしたはずだ。
 その気持ち、僕にもわかる。
 それはね、ぼくはさいわい受験浪人はしなくて済んだけど、大学を出てから、文学浪人というのをしたことがあるからだ。
 僕は大学の三年生のとき小説の新人賞を貰って、これなら卒業後も就職をせずに暮らしが立てられそうだと思っていたが、世の中はそんなに甘くはなかった。忽ちひどい貧乏に陥って、作品を書くどころか、毎日、明日の米を心配しなければならなくなった。そのとき、おまえはちょうどお母さんのお腹のなかにいたのだが、情けないことに、僕には出産費用を作る当てもなかった。その上、僕は原因不明の熱病にかかり、それこそ、にっちもさっちもいかなくなって、とうとうお母さんをつれて田舎へ逃げ帰った。つまり、都落ちしたわけだ。
 僕とお母さんとは、田舎の家にちょうど一年厄介になった。その一年の間に、僕は健康を取り戻し、お母さんはおまえを生んだ。だから、おまえが無事に生まれたのは、本当はお祖母ちゃんや伯母ちゃんのおかげなのだよ。
 僕は、都落ちをしていた一年間、毎日くたくたにくたびれた久留米絣の着物を着ていた。ひどい貧乏暮らしで洋服をみんな無くしてしまって、着るものといえばそのくたくたの久留米絣しかなかったからだ。ところがね、僕がその久留米絣で道を歩いていると、町の子供たちが物陰から、こういうんだよ。
 「寝巻きの人!寝巻きの人!」
 町の子供たちは、男の和服といえば、お婿さんの紋付きと、盆踊りのときの浴衣しかしらない。それに、町の人々はみな勤勉で、朝から野良着や作業衣で働いている。和服の着流しでぶらぶらしている若い男など、一人もいない。
それで子供たちには、僕の着物姿が寝巻きだとしか思えなかったんだ。
 「寝巻きの人!寝巻きの人!」
 あれには参ったな。自分では、なにかを目指しているいっぱしな存在だと思っていても、一歩、世の中へ出てみれば、実に何ものでもない、実になんにもしていないということがわかって、とても辛かった。
 まあ、何事も経験だが、受験浪人にしても文学浪人にしても、浪人はせいぜい一年で切り上げた方が良さそうだぜ。頑張れよ。》



読む会の田中(利)会員などは、著名な文学作家が道を通ると言う噂を聞いて、広全寺の手前の通りで一目見ようと待っていたことがあるそうで、それは、文章に書かれている通り、久留米絣だったり、冬にはドテラ姿だったりしたそうだ。

『林檎とパイプ』

今最も読みたい本をインターネットでゲットした。
それは『林檎とパイプ』という作品である。
長女の晶子さんと三浦さんの往復書簡を本にしたもので、晶子さんが大学受験に失敗したことを心配した父親の思いがこの本のきっかけになっている。
ネットに、この本の内容が詳しく書かれているサイトを見つけたので、それを紹介する。
私の注文した本は明日にも届く予定なので、読んでの感想はその後に掲載することにしよう。

原作 三浦哲郎 晶子著   (文藝春秋刊)より
                           

   『 林 檎 と パ イ プ 』

              脚色  コロンブドール
http://www.d5.dion.ne.jp/~youzo_or/colombe_d'or_4-4-1.htm

 あらすじ  

 私小説作家・三浦氏の家にわたくし父と母、そして愛犬ボスが日中早春の日溜まりをほのぼのと三人三様の生活リズムで暮らしていた。
その中に、新たな仲間が一人この春静寂なこの家庭に入ってきたのである。

 その仲間とは、長女・晶子(18)である。
今年の大学入試に失敗して自宅浪人生になったのである。
晶子は、私の母校を受験したのであるが、本人自身その志望動機についてはっきりした理由は明確には述べられないのである。
私自身、二度に渡って同じ大学に入学してきたのであるが、わたし同様、我が娘において志望の選択ミスによる人生の挫折はさせたくないし、大学を卒業して何をやりたいのかが本人にまったくもって欠落していたならば、子を思う親として心配であった。

 また、私が幼年の頃、姉が女子大の試験に失敗して、津軽の海に入水自殺したのであるが、
私は今でも姉が海に吸い込まれる夢を見る。
わたしはこの年頃の女の子に対する一つの不信さと家系の“呪われた血”による不浄を我が娘、晶子に見てしまうのであった。

 この不安を少しでも解消するためにわたしは雑誌社に頼んで、
『林檎とパイプ』のタイトルでわたくし父と晶子の手紙のやりとりを雑誌に載せることにしたのである。晶子にとっては半強制で馴れない文章を毎週書くのは大変であろうが、私にとっては、晶子の心の中を見たかったからである。
まして、まさかと思うが、
私の姉のように一度ぐらいの失敗で、自殺など考えているとは思わないが、私に流れている病んだ “呪われた血”の誘惑が娘の破滅へと導かないかと心配してしまうのである。

 そんなことにより父と娘晶子と、心の手紙のやりとりが始まったのである。

 春、晶子は新しい希望に燃え自宅で受験勉強しているが、一歩外に出てしまうと近所の意地悪なおばさんに浪人生とからかわれたり、また公園にいる子供たちには、犬を散歩させているお手伝いさんと間違えられたりして、改めて浪人生の社会的存在のなさを感じてしまい気を消失してしまうのである。逆に身体的弱者から激励の言葉をかけてもらったりして、この社会の矛盾を初めて感じるのであった。

 梅雨、次女志のぶのお小遣強請りを機に、父と母の昔話になり、この家の庭にある池は実は京都の寂光院の池を模していることを晶子は知るのである。この池は“心”という字を表わしているのであった。父と母は、晶子がこの池がこの浪人中に読める様にと願うのであった。

 夏、高校のバレーボール部で同級生でもある浪人生と予備校の夏季講習にいく。ここでも、クラブの現役の後輩達にしっぺ返しを受けてしまう情けない日々を送るのであった。

 そんなある日、バレー部の同級生で唯一現役で国立大学に合格した典ちゃんが精神衰弱で入院してしまったのである。典ちゃんは、今まで人に言われてきたことをただやってきただけで、自分自身一人では何もできないことに気づき悩み傷ついたのであった。そして「小学校の時に何かを忘れてきた」と言った。晶子自身も典ちゃんの話に心当たりがあり、父の心配していたことを少しづつ考えるようになった。

 そのような悩みを持ちはじめ、父が避暑に行っている別荘へ志のぶと二人で八ヶ岳山麓へ出かけるのであった。別荘では、古いつきあいのある出版社の森川が雑誌用の写真を撮っていた。改めて父の偉大さを身に感じた姉妹であった。

 そこへ、典ちゃんから一通の手紙が届いた。読んでみると忘れていたものを見つけ、
来年転部し福祉の勉強を始める意志を伝えてきたのであった。 
そんな中で、父と晶子で幼い頃行った野辺山の高原に行った。晶子は私が以前ここで教えた詩を思いだした。そして典ちゃんからの手紙で晶子も忘れものを思いだし、その詩の意味を深く理解できるようになったのである。

 秋、晶子が参考書を買いに行った途中、近くの古本屋の店頭に父の小説を見つけ手に取ると、
姉を題材にした箇所に出くわし、姉が津軽の海に入水自殺したことを知るのであった。晶子は、父の“呪われた血”の秘密を知るのである。
そして、晶子自身にもその血が流れていることを自覚するのであった。

 こうして、父の気持ちを察して、晶子はこの浪人中に一歩大人に近づいていったのであった。
晶子には、庭の池が“心”と読めるようになったのである。父はもう手紙のやりとりは必要ないと言った。父の書斎で夏撮った写真に写った父と晶子と姉の写真を見比べていると、三人はよく似ているのであった。

 冬、晶子が未来に向け希望に燃え入試問題に取りくんでいる・・・・。



  脚色初版 1998年1月17日脱稿    第1版 1998年1月21日 40×32 37頁

三浦文学地図【一戸】

私たちにとって三浦哲郎文学のバイブル的要素のある『作家生活50年 三浦哲郎の世界』(デーリー東北新聞社発行 1,200円)の中に「三浦哲郎文学地図」という項があり、一戸町にゆかりのある作品のリストも掲載されている。
これは八戸の人たちの編集により出版されている本なので、数ある作品の中にはまだまだゆかりのある作品が埋もれているものと思われるので、地元の人たちで三浦哲郎さんの作品を丹念に読んで掘り起こしに協力して頂きたいと願っている。



『作家生活50年 三浦哲郎の世界』(デーリー東北新聞社発行 1,200円)

三浦哲郎文学地図【一戸】

□文学碑など:「忍ぶ川」文学碑

■一戸に縁のある作品
:小説及び掌篇集を主体とし随筆は主なものにとどめた。
 忍ぶ川
 初夜
 恥の譜
 妻の橋
 柿の蔕
 拳銃
 化粧
 夜道
 おらんだ帽子
 離郷
 毟る
 乱舞
 晩秋
 旅雁の道草
 除夜の鐘まで
 かりがね通信
 舞台訪問ー私の小説から
 落葉
 墓参
 銀杏が衣を脱ぐ時
 時のせせらぎー一戸
 私の履歴書
 母の微笑
 ほか


次回の移動例会の時には、新たな情報が出てくることを期待して楽しみにしている。


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