三浦哲郎文学を読む会

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三浦哲郎著書

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改めて『妻の橋』を読み返してみた。
一つの橋に纏るこれだけの物語を表現している小説は他に在るだろうか。
今となっては木橋だった頃の昔の岩瀬橋が残っていて欲しかったと思われてならない。
この小説は短篇でありながらも、三浦さんの両親、兄弟そして妻子それぞれのことが凝縮されていて三浦さんの家族全員のことを知ることができるようになっているのには驚いた。

叉、一戸の街のことが実に良く描かれていて、駅から実家までの道程や、家から銭湯や稽古場へ行く道程など、実に良く説明されているので、読みながら頭の中で実在の場所を思い浮かべてしまっている。
このまま、この本を頼りに町を散策しても、十分三浦さんの豊かな文章表現を満喫できる文学散歩になりそうだ。
橋と共に馬淵川の色々な表情を表現している文章が幾つも描かれている。
皆さんも是非楽しんでみて下さい。

三浦文学に親しむために最もお薦めしたい作品は何か?

勿論、小説では芥川賞受賞作『忍ぶ川』と言いたいところだが、三浦さんの人となりを知るという意味では『笹舟日記』が良いのではないかと思っている。

バイブルとしての『作家生活50年 三浦哲郎の世界』も外せないが、毎日新聞日曜版に一年間連載された小品の中にこそ自身が語った三浦文学の真髄が描かれているように思う。

『自作への旅』
『母の微笑』に掲載されている「私の履歴書」

三浦文学を理解するには是非読んで貰いたい本であるが、昭和48年5月に発行されている『笹舟日記』はそれらの源になっている作品と言っていいだろう。

あとがきで三浦さん自身が語っている

〈私は、この一年間五十二回の連載を通じて、一篇の風変わりな自伝を書こうと試みた。毎回、それぞれ四季折々の日常生活に取材した小品として完結させながら、全体としてみればひとりの人間の自伝にもなっている、というふうにしたかった。私はこれまでにも自伝的な小説を多く書いてきたが、こういう形で自分の半生を書きつづけたのは初めてのことである。そういう意味で、この『笹舟日記』は私にとって一つの決算だったといえるかもしれない。〉


同じような思いで、三浦哲郎『笹舟日記』を解説してくれているブログがあるので紹介しよう。

■ブログ「BOOKRIUM 本のある生活」さんの
三浦哲郎『笹舟日記』      2009年 11月 26日

http://bookrium.exblog.jp/13067698

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ドイツ語に翻訳されたというので「赤い衣裳」を読み直してみた。
う〜ん、読んでみて小町英恵という人がこの物語をドイツ語に訳そうと選んだのはどうしてだろうと思った。

ドイツも日本と同じ戦争の敗戦国で、貧しさから這い上がって復興を遂げた経緯があるから、貧困からの脱却や都会と地方の格差など、日本と同じような境遇だったと思うので、このような物語も理解しあえるのかもしれない。
それにしても、作中の方言や風俗、習慣など、こんなところはドイツ語でどんなに訳すのだろうかと思うところが幾つもあって、日本のこのような情景がドイツ人に理解して貰えるのだろうかと思いながら読んでいた。

  鉛筆を舐め舐めしながら書かれた葉書のシーン。
  郵便局で印鑑を落とすシーンの水晶の印鑑や三文判のこと。
  秋刀魚の塩焼定食を食べるシーン、特にも「おろ呑み」。
  銭湯に入ったあとで、一緒に同じ布団で寝るところ。
  自分の命を絶ってしまった妹の結末。

これらにピッタリ当て嵌まるドイツ語なんてあるのだろうか?
将又、ドイツ人って、こんなことを想像し、理解することができるのだろうか?
朗読を聞いているドイツ人の反応をみてみたいなどと思ったりしている。

地方の情景とともにある方言に拘って作品を描いていた三浦さんの作品は、異文化の外国人へ理解して貰うように訳すのは大変難しいことだろうと思うのである。

「流燈記」入手

先日ネットで注文しておいた新刊本・三浦哲郎著『流燈記』が今日届いた。

先ずは、後ろを覗いてみると、解説は

 「言葉の灯籠を灯す闇」   … 堀江敏幸

となっている。

そして、珍しいことにもう一人

 「装幀に寄せて」      … 司 修

も掲載されている。

ここには装幀を担当した司さんの拘りと思いが分かる文章が綴られている。


〈 暗くなってからまた『流燈記』を読み始めました。再び懐かしい思いに包まれながら、「この本の装幀は、もういない三浦哲郎さんが、喜んでくれるものにしたい。」、という思いが目まぐるしく頭の中を駆けているうちに、なぜか。『井伏鱒二自選全集』の装幀が浮かんできました。その他、井伏さんの単行本の装幀が気になって離れませんでした。
 そうしているうちにぼくはとんでもない決断をしました。
『燈流記』を手にした、あの世の井伏鱒二さんが喜ぶものにしようと。
 すると、ぼくは書道全集を持ち出してめくり、「流」「燈」「記」という文字を集め始めたのです。文字のみの本をイメージしていたのでしょう。そこへ森の小道に茂る野の萩を描き、墓前に手向けるよう置いたのです。〉


この週末にじっくり味わいながら読むことにしよう。

短篇「まばたき」

このblogの訪問者sxd​*s37*さんから短篇「まばたき」について情報と問合せのコメントを戴いた。


 2012/1/8(日) 午後 8:38 [ sxd*s37* ]

1999年1月(2月?)に、行われた、センター試験・追試の国語・現代文に、三浦哲郎先生の、「まばたき」が、出題されています。どんな作品なのでしょうか?そして、単行本なのか、何かの全集の中の、一作品でしょうか?
・・・そして、何といっても、共通一次試験、そしてそれに続く、センター試験・・・2回以上作品を、採択された、作家は、太宰・漱石など、超有名作家ばかりです。哲郎先生も、なんと、そのおひとりに、なられるのですね。
雌雄を決する、大学入試!その場に、何度も携わってこられた、先生に、心より、敬意を表します!


短篇「まばたき」は、入院していた病棟で、隣りの病室に中風に中(あた)って入院している高校時代の級友と付添の細君と偶然に出会ったことが描かれている。
目を見開いたままで仰臥し意識がなく既に手の施しようがない級友が、周囲に反応してまばたきをすると言って、夫の意識がある事への希望をつなぐ細君のけなげで気の毒な姿がさりげない文章の中に濃密に描かれている。

いつものようにお節介な説明や解説の無い文章なのに、物語が大きく膨らんで読み取れる三浦文学の真骨頂が見て取れる短篇の作品になっている。
そのような魅力が入試に用いられる要因なのだろうか。

三浦さんは1998(S63)年8月30日、57歳の時に帰省していた八戸のホテルで多量に吐血して、救急車で青森労災病院に運ばれてそのまま2ヶ月間入院したことがある。
この作品はどうもその時にあった出来事のようにも思われるが、事実かどうかは定かではない。

この作品の掲載著書は、

・初出:「文學界」1995(H7)年7月号
・『短篇集モザイク-3 わくらば』   2000(H12)年9月新潮社刊
・ 同上文庫本            2002(H14)年9月新潮文庫刊
・『完本 短篇集モザイク』      2010(H22)12月新潮社刊

に掲載されている。


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