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『月蝕』について

先日、ete*ni*y*seiren*s*2000から、次のようなコメントを頂いた。


高校1年生の時に現代文の教科書で読んだ短編「月蝕」
本当に本当にささやかな家族の幸せをてらう事なく描いた作品に爽やかな感動を覚えた事を今でも覚えています。
それから地元の図書館で三浦さんの本を読み耽り、
(中2の時に国語の教科書で読んだ「盆土産」の作者だと知ったのもこの時)
大人になってから働いたお金で念願叶って、三浦さんの本をそろえる事ができました。

市井に生きる人々の喜びや悲しみ、様々な思いを描いた三浦さんの作品は私にとってかけがえのない存在達です。

ご冥福をお祈り致します。
ありがとうございました。

2010/8/30(月) 午前 0:40 [ ete*ni*y*seiren*s*2000 ]


『月蝕』は、「すばる(臨時増刊)」1979年1月号に初出された作品で、『冬の雁』(1980.S55.11.15文藝春秋発行)、『三浦哲郎自選全集第11巻』(1988.S63.7.10講談社発行)に掲載されているので、関心のある方は手に取って読んで見て下さい。

尚、このブログでも以前に記事にしているので紹介する。

■過去の記事:『月蝕』-1、2           2009/9/19(土)
  http://blogs.yahoo.co.jp/onikosato/30578137.html
  http://blogs.yahoo.co.jp/onikosato/30578138.html

昨日は、65回目の終戦記念日であった。

NHKテレビで『15歳の志願兵』というドラマを観て、いたたまれなくなって、三浦さんの敗戦体験をつづった『15歳の周囲(旧「遺書について」)』を読み返してみた。

これは、三浦さんの終戦の実体験そのものを描いている作品で、テレビドラマの主人公たちと同じ歳の出来事だったことを思うと、読んでいる内容がドラマと重なってしまって、画面の映像を思い浮かべながら読んでいた。


三浦さんは、文学を志すことを決意し、早大文学部仏文科に再入学して、同人雑誌「非情」を級友七人とともに創刊した。
そして、生い立ちをありのままに書いた「誕生記」、父親の故郷・金田一村湯田(現二戸市金田一)で過ごした一年間を記した「ブンペと湯の花」、敗戦体験をつづった「遺書について」の習作を相次いで発表した。

第三作の「遺書について」が井伏鱒二氏の目にとまり、井伏氏の助言でこの作品を書き改めて、新潮同人雑誌推薦小説特集に発表した。
その「十五歳の周囲」は、第二回新潮同人雑誌賞に選ばれた。
今から55年前の1955(昭和三十)年のことである。

一年に一度、終戦記念日に読み返して置きたいこの作品は、三浦さんの作家活動の原点でもある。

この作品が収められている『三浦哲郎短篇小説全集 第一巻』の巻末に、三浦さんが自身の文学の原点を模索している『文学的自叙伝 揺籃のころ』という随筆が載っていた。
読んでみて改めて三浦さんの文学への初心を確認できたような気がしている。

山形にゆかりの話し

山形から来られた山形鉄道のツアーのお客様を、今日夕方到着した金田一温泉駅に出迎えに行った。
明日の朝の文学散歩について、事前に散歩マップ・しおりを見て興味を持って貰おうと思って、添乗員に配布をお願いしてきた。
序でに、読む会で取扱っている書籍の宣伝もお願いした。

折角山形からの来訪者を迎えるのならば、三浦文学と山形とのゆかりについての話題も取上げて見たいと思い、資料を整理してみた。

三浦作品としては即身仏「鉄門海上人」を題材にした『贋お上人略伝』を掲げたい。
湯殿山注連寺に収められている鉄門海上人の即身仏についての物語りを描いている作品で、日本で唯一のミイラ・即身仏のことが詳しく書かれている。因みに、山形県荘内地方には13体の即身仏が現存すると三浦さんは書いているが、現在の観光資料には6体と書かれているものもある。いずれ実在の話しであることに違いは無いから、物語りには信憑性がある。
この作品は『オール讀物 昭和46年12月号』に発表されたもので、三浦哲郎自選全集・第9巻に初収録されている以外は発表されていない。
山形県立図書館などでは、この作品を讃えて、芥川賞作家三浦哲郎の山形県ゆかりの作品として大きく掲げているので、インターネット検索でもヒットする程であった。

作品に直接関係しないが、実は、映画『忍ぶ川』の後半部分で実家に帰省する場面の、一戸町である筈の多くのシーンの撮影現場が、山形県米沢市とその近郊で行われたのであった。
詳しくは熊井啓『映画を愛する』(近代文藝者発行)に書かれているので、明日のガイドの際にその一端を披露してみたいと思って、資料を抜き書きして作ってみた。

果たして来訪者の皆さんの反応は如何に?

新刊本『おふくろの夜回り』の内容について触れてみたいと思う。
各作品はNo.48を除いて、僅か1,000字ばかりの随筆だが、それぞれが何とも味わい深い内容の作品である。
先ずは目次を列記してみるが、郷里のことを書いた作品にチェックをいれながら見てみることにしよう。
月刊小説『オール讀物』の『おしまいのページで』昭和50年4月から平成21年9月までの掲載順になっている。

『おふくろの夜回り』
   目 次
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『おしまいのページで』
B 1.いびきの話     
A 2.雉笛(きじぶえ)   …郷里(八戸)ゆたさん。タラッポ採り。ラジオドラマ。
B 3.野獣         …郷里(八戸)野犬狩り         
B 4.マラッカのダボシャツ
  5.挨拶         …郷里(八戸)消防団団長挨拶の異変
D 6.同郷人        …郷里(八戸)の同級生に新橋駅前で鉢合わせ。次女を勘違い。
C 7.車椅子のマフィア   …郷里(八戸)八戸グランドホテル
C 8.乾きの刃(やいば)  …郷里(八戸)八戸グランドホテル・労災病院
C 9.幽霊
C 10.膝の上の鐘)
D 11.目のなかの満月
D 12.毒について      …郷里(八戸)ゆたさん。シドケ。トリカブト。
D 13.鯨はいずこ
D 14.樹の上の少女     …郷里(八戸)S8.3.3日の大津波。サイカチの大木。
  15.まばたき       …郷里(八戸)労災病院
  16.おさななじみ     …郷里(八戸)立花歯科医院
  17.酔客         …郷里(八戸)南郷村役場の職員
D 18.わが祈り       …郷里(八戸)母校野球部甲子園出場
D 19.炉辺小景       …郷里(一戸?)診療所待合室
D 20.海鞘(ほや)の話   …郷里(八戸〜金田一)親許へ帰省中見た行商人の海鞘食う姿。
D 21.私の古地図      …郷里(八戸)
D 22.うるし酒       …郷里(八戸・一戸?)
  23.脳味噌        …郷里(八戸)「おろおろ草紙」と海胆(うに)
D 24.祝電
D 25.鮭を撃つ       …郷里(八戸)とみさん
D 26.メドツ        …郷里(一戸・八戸)
E 27.湯漬け        …郷里(八戸)焼きたての鰯
E 28.八月四日記      …郷里(一戸)父の命日
E 29.惜別
E 30.かみなり       
  31.夜ふけの音
  32.ささやかなファンタジー
  33.ふくちゃんの妙薬   …郷里(八戸)幼友達ふくちゃんからの荷物
  34.べそをかく      
  35.おいこらの記憶    …郷里(一戸)一戸病院
  36.犬のため息
  37.石鹸が目に滲みる   …郷里(八戸)
  38.川べりのライバル
  39.おふくろの夜回り
  40,叶わぬ夢
  41.ちちははの面影
  42.老いたるいたち    …郷里(八戸)
  43,かかとを病む     …郷里(一戸)
  44.鮎風呂        …郷里(一戸)松乃湯
  45.のどの笛
  46.華の中の夢      …郷里(八戸)
  47.短か夜ばなし
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
F 48.地唄〈黒髪〉の思い出 …郷里(一戸)


■作品の初出
 ・1〜47  『おしまいのページで』: 文藝春秋「オール讀物」
 ・48    地唄〈黒髪〉の思い出 : 日本経済新聞

■収録本 書籍名アルファベット別に
 A=『せんべの耳』    (1975年 講談社刊)所収
 B=『おしまいのページで』(1979年 文藝春秋刊)所収
 C=『一尾の鮎』     (1990年 講談社刊)所収
 D=『狐のあしあと』   (1999年 講談社刊)所収
 E=『母の微笑』     (2001年 講談社刊)所収
 F=『日曜日の随想 2007』(2008年 日本経済新聞出版社刊)所収


こうしてみると、郷里のことを書いた作品が実に多いことが分る。
郷里をこよなく愛して止まない作家の思いを感じる一冊なのである。 

高村書店に書籍の取寄せ注文をお願いしたら、とても便利になったもので、今回も中2日で届いた。
ということで、6月10日に発売になった三浦哲郎氏の新刊書籍『おふくろの夜回り』を入手した。
「オール讀物」に掲載された「おしまいのページで」の随筆47篇と日経新聞掲載の『地唄〈黒髪〉の思い出』が掲載されている。

中にはこれまでに出版された随筆集『せんべの耳』、『一尾の鮎』、『狐のあしあと』、『母の微笑』そして、単行本『おしまいのページで』にすでに掲載されたものもあるが、今回初めて目にする作品もあるので、読むのがとても楽しみである。

オール讀物の『おしまいのページで』は、先日取上げた『のどの笛』(H20.3月掲載)以降にも昨年の3月号と9月号に掲載されていたとは知らなかった。
今のところ、他に情報がないので、これが三浦さんの最新作と言うことになるのではないだろうか。

今までに何度も取上げている日経新聞平成19年10月7日日曜版に掲載された『地唄〈黒髪〉の思い出』が、このように単行本に掲載されたことは、身近な人達に読むことを薦めるためにも好都合で大変うれしいことである。なぜなら、文中の貰われて行くお姉さんの琴の行方が、我が母校金田一中学校であることと、それをライトバンで運んだご夫婦が私の知人なので、本当にゆかりの作品の最新作と言うことになるからである。

そのお姉さまは先日他界されてしまわれた。

他にも、一戸や金田一温泉にゆかりの作品が見受けられるが、各作品については、追々紹介するとして、三浦さんは「あとがき」に以下のように記している。


    あとがき

 毎号多彩な小説や読み物を満載して発行されている分厚い月刊誌の巻末に、字数にしてわずか千字の短いエッセイを収める欄があり、ずいぶん前のことだから誰かに誘われたのだったかもう思い出せないが、もともとそのような小文にかかわることが嫌いではなかったから、誘われるままにその欄の書き手の仲間に加わって読者への近況報告のつもりの身辺雑記を寄稿しながらうかうかと足掛け三十数年を過してしまった。本書の巻末の一編を除く47篇がそのすべてである。

 平成二十二年春
                                三浦哲郎



田口会員からの情報によると、『おふくろの夜回り』が最近の讀売新聞の新刊紹介欄に取上げられていたそうだが、詳しく知りたいので、読まれた方がいたら、コメントを頂けないだろうか。

尚、二戸市堀野の高村書店では、地元にゆかりの作家・三浦哲郎の新刊なので、『おふくろの夜回り』を取寄せて店頭に陳列してくれるそうです。
皆さんも是非購入して読んでみて下さい。


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