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■写真:新刊『おふくろの夜回り』


今日の例会で情報を得たので、早速検索してみたら、3日前に発売されていた。
待望の三浦哲郎氏の新書が発行になったので紹介する。

故郷に思いを馳せ、亡き父母を追慕し、毎日の生活を静かに見つめる。作家としての日々をつづった、肺腑に届く名文。『オール讀物』巻末に書きついできた随筆47編に、『日本経済新聞』掲載の1編を加え書籍化された。

以下文藝春秋ホームページより転記

おふくろの夜回り
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784163727509
 立ち読みできます! ※08年5月以降の立ち読みにはAdobe Flash Playerが必要です。

三浦 哲郎・著

●書誌データ

発行所  :文藝春秋
定価   :1700円(税込)
ページ数 :168ページ
判型   :四六判上製カバー装
初版発行日:2010年06月10日
ISBNコ−ド:9784163727509
Cコード  :C0095



選びぬかれた言葉が胸に迫る珠玉の随筆集

故郷青森に思いを馳せ、亡き父母を追慕し、作家としての日々をつづる。「オール讀物」巻末に書きつがれてきた随筆をまとめた1冊


●内容紹介

名文家でつとに知られた三浦氏が「オール讀物」の巻末名物コラム「おしまいのページで」に初登場したのは昭和50年。以来35年、年2篇の割で書きつづけられてきた50本近いエッセイをまとめた、まさに珠玉の随筆集。故郷の青森に思いを馳せ、亡き父母を追慕し、作家としての日々をつづる。確かな重みをもった言葉ひとつひとつが、細心の注意を払って配列され、そこには文芸作品ならではの奥深い響きが聞こえてきます。(HY)



上記の紹介文中の〈故郷の青森に思いを馳せ…〉のところは、違う!〈青森・岩手〉だろう!と声を大にして言いたい。
東京の人から見ると、青森も岩手も一緒のように思っているのだろうか?

果たして、どんな内容の作品が書かれているのか、読むのが楽しみだ。早速、書店に注文しよう。

先日紹介した『東北戦国志』に続いて、三浦哲郎さんの最新本が入手可能になって、皆さんに薦めることができるので嬉しい。

一戸には、三浦哲郎文学に関して知りたいことがまだ沢山ある。

以前にもこのブログで取上げた九戸城落城を描いた歴史小説『贋まさざね記』という作品に描かれている「郷里の居酒屋」と、そこの常連客たちのことも、まだ解明されていない。

喋れば、忽ち議論になり、まるで、議論するのでなければ話に身が入らないとでも思っているような常連客。つまらないことでものんびり議論に耽っていられるという。そんな居酒屋「魚籠屋」に作者は通っていたという。
「五郎」という主人が大の釣好きで、店の中を釣り道具で飾り付け、軒先には赤提灯のかわりに魚籠(びく)を吊るしてあり、川端にあるから、町の人たちは『岸の魚籠屋』といっていたそうだ。
「郷土史家の志木先生」「洗濯屋の小田さん」「遊び人の七やん」
九戸政実と九戸合戦のことを、橋の袂の銭湯(実在の「松乃湯」)で湯に浸かりながら教えてくれた志木先生とは果たして誰のことだろう。
三浦さんは、実体験を元に書く人だから、昭和34年4月11日から翌年3月までの一年間一戸で過した頃の、モデルになった居酒屋や、実在の人物を探し当てることができるはずだ。
一戸の人達に協力してもらって、探してみることにしよう。


■『贋まさざね記』九戸城落城  2007/4/28(土)
http://blogs.yahoo.co.jp/onikosato/10216478.html

■『贋まさざね記』判明     2008/12/12(金)
  http://blogs.yahoo.co.jp/onikosato/26977323.html

■『贋まさざね記』発表の頃   2008/12/15(月)
  http://blogs.yahoo.co.jp/onikosato/27024938.html

『軍鶏』

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■写真:ゆかりの家に掲げられた軍鶏の絵


金田一温泉郷の三浦哲郎文学散歩コースを歩いていると、途中の小径で軍鶏(シャモ)に出会うことがある。

「ゆのはな交流館」から「ゆかりの家」に行く途中の曲がり角(通称「十文字」)に供養塔石碑群がある。この角の家の住人が闘鶏好きのようで軍鶏を飼育している。時々、放し飼いにして散歩をさせるので、暢気に道端を歩いていたりする。

ある時、「ゆのはなガイド」をしながらツアー客を案内していて、この場所に来た時に鳥の鳴き声を聞いた客が、「あっ、軍鶏の鳴き声が聞こえる!」と驚いたのだった。鳴声で軍鶏だと分るとは凄いものだ。そして、さすがに三浦ファンだけあって、「軍鶏」が三浦作品に欠かせない貴重な存在であることを、その人は知っていた。
それ以来、この場所は三浦文学散歩コースのワンポイントとなっているのである。

三浦さんは、文学を志して金田一温泉を離れる時のことを書いた小説『ブンペと湯の花』の最後の方で、軍鶏の歩く姿に胸を打たれた思いを綴っている。

《離村の決意を固めた朝、私は一羽の軍鶏が無人の村道を東の方へ歩いて行くのを見た。血走った目をけいけいと光らせ、羽毛がこそげ落ちて赤肌がむきだしになった胸を張って、一歩一歩霜柱をふみしめる歩調で歩いて行くのを見て、私はなんとなく胸を打たれた。
私は、ひさしぶりに金釦の学生服を着て、石垣の突端に立ってみた。学生服はながいあいだ行李の底にしまい込んで置いたので、すっかり樟脳くさくなっていた。しかし、私はやがてそれに数年前とおなじように、汗と煙草の匂いをしみこませることができるだろう。私は再び東京へでてもう一度自分をためしてみようという決意を固めていた。》
(『ブンペと湯の花』の「赤い毛布」章より)

〈石垣の突端〉とは、ダンジャ坂を登った庚申塚の分かれ道のところのこと。

三浦さんは、『軍鶏』という題名の小説も書いている。

この小説は、郵便配達の六さんが、村の道で軍鶏に出会ったのが元で、村一番軍鶏気違いの権七爺さんが、入浴中の湯舟で中気にあたって倒れている所を発見して一命を取留めたが、見舞いに訪れた闘鶏仲間たちが、快気祝いに庭先で催してくれた闘鶏大会を見ていて、自分の軍鶏の出番を前にして興奮した所為に死んでしまい、闘鶏仲間たちが今度は追悼闘鶏大会を開く算段をするという、軍鶏にまつわる話しになっている。

ここでも、三浦さんは軍鶏の歩く勇ましい姿を描写している。

《雨あがりの朝、湯あがりの軍鶏が一羽、浅くぬかるんでいる村はずれの街道を、ゆっくり東の方へ歩いている。長い脛をまっすぐに立て、鋭い目つきをして、肩を怒らせ、羽毛がこそげ落ちて粟立った地肌がむき出しになっている胸を張り、太くてがっしりとした肢で、一歩一歩、大股に、しっかりとぬかるみを踏み締めながら。》(『群鶏』より:単行本1974.S49.12.文藝春秋発刊、文庫本1990.H24.10.講談社発刊『野』に収録)

この時の軍鶏の体には、石鹸代わりに使っていたサイカチの実の切れ端がくっついていて、そこに、三浦さんが丁寧にサイカチの実について解説を入れてくれている。

このように、紹介した二つの小説に描かれている情景は、正に金田一温泉郷そのものが描かれているので、皆さんにも一読戴いてから文学散歩を味わって見ることをお薦めする。

因みに、軍鶏が歩いていた場面の村の街道とは、緑風荘の前の辺りと推測される。

このような三浦哲郎文学作品にあやかって闘鶏大会の盛んな金田一温泉になって欲しいと思う。
7月の温泉まつりの催し物の一つに加えてみては如何だろうか?
その際には、マニアだけでなく、一般客も見られるような企画にしてもらえたら、大きな評判になると思う。
そして、サイカチの実の提供もできるようになれば、入浴客に懐かしんで喜んでもらえるのではないだろうか。

色々な場所を舞台に描く小説の中でも、 「便所」 が舞台の小説はそうあるものではない。

トイレ = 便所 = 厠

都会の洗浄装置の付いた近代的な便器。
郷里の農家の床板を跨ぐ肥溜兼用の外便所。

北の在所の村から、死んだ息子の嫁に引き取られて東京暮らしをしている老人が、厠で落とした入れ歯を拾おうとして身動きが出来なくなった事件の短篇小説 『おとしあな』 は、滑稽なようでいて笑えない老人の話しである。

今は見られなくなった、田舎の農家の厠を思い出すところの描写が懐かしい。
私たちの子供のころの便所は、尻を拭いた紙は決して汚物と一緒にしないで、後ろの箱に入れて置いて後で燃やした。そして、跨いだ床板の穴の下に溜まった排泄物は、畑に撒いて肥やしにしたものだった。
屋外に在る厠の中は、目に滲みるほどの濃い臭いが常に充満していたもので、衣類に染みついた匂いが、用事を済ませて戻った食卓にまで付きまとい、困ったものだった。
それでも、毎日の厠での一時は、朝には朝の、夜には夜の鳥の鳴き声、雨風の音が手に取るように聞こえて、気持ちを和ませてくれた。

短篇モザイク3 『わくらば』 に収録されている 『おとしあな』 (新潮H12年6月号に発表)は、何か忘れてはいけないものを思い出させられた気がする、懐かしさのこもった、三浦さんらしい作品になっている。

この小説の最後に、子供のころに母親から聞かされた 「座敷童子」 の話として、障子のかげで洟(はなみず)をすすり上げては独居の老女をからかうという話しを書いているが、それは果たして、金田一の地域でも語られている話しなのだろうか?

三浦さんは 《座敷童子というのは、在所の古い家に棲むといわれている子供の姿をした妖怪》 と、いつものように解説をしてくれている。

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■写真:「芽を出したどんぐりの実」日ノ沢観音の参道脇にて。「いとしきものたち」の生命力。


<四季、琴線にふれた“命”の物語。相和して生きる“友”の詩。>

三浦さんの作品に、八ケ岳山麓の別荘暮らしの四季や、自宅や故郷での暮らしに関わる自然の情景や、動植物から生まれた心像風景などの小文を拾い集めて収録した『いとしきものたち』(2002.H14.10.1世界文化社発行)という著書がある。
奇麗な写真と共に、三浦さんの感性豊な文章が綴られていて、自然のすばらしさや生命力の凄さを感じさせられる本である。

一昨日、「よりゃんせ金田一」http://ninohekitune.blog17.fc2.com/の人達が主催した『日ノ沢観音トレッキング』に参加して来た。
観音様への参道の山径で足元に「芽を出したどんぐりの実」を見付けて、目を奪われてしまった。
健気に根付いている姿は、正に「いとしきものたち」の姿であった。

北国の遅い春には、野山に多くの息吹が芽生えて、日々刻々と変容していく。
この季節になると、三浦さんのこの著書のタイトルが、無性に心に響いてくる。

果たして、このどんぐりの芽は、周りの植物との生存競争に打勝つことができるだろうか。

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