三浦哲郎文学を読む会

三浦哲郎文学ファンの輪を拡げましょう

マスコミ・出版

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

イメージ 1

■画像:東奥日報新聞連載 三浦哲郎特集第44回目の紙面


東奥日報新聞連載 三浦哲郎特集第44回目は長編小説『海の道』である。

  生誕80年・芥川賞受賞50年特別企画

     毎週日曜日に掲載、カラー誌面

     芥川賞作家 三浦哲郎
      作風と文学への旅



 No.44 長編小説『海の道』

  捕鯨の街に生きた女の哀歓…

■三浦文学ゆかりの地(八戸の浜)

 (写真3枚) ・八戸市鮫浦の風景。「海の道」は浜の夜明けであり、ぎんや遺児が歩む道でもあ
        ったのだろう
       ・古地図。焼き打ちされた鯨会社が載る
       ・鯨の形をした鯨石。八戸・マリエントそば、西宮神社に祭られる。地域には鯨にま
        つわる伝説などが多い
         




  入江を囲む丘の斜面が咲き揃った油菜の花で
    黄色く塗り潰されるころ、栃の女に、一目惚れをした
                                                                  (「海の道」から抜粋)



 ■この本:みちのく漁民一揆の記録
              「鯨会社焼き打ち事件」(佐藤亮一著、サイマル出版会刊)



        「八戸の浜が泣いた日」描写


『海の道』は『文學界』1967(昭和42)年1月号から3年余、34回にわたって連載。70年2月、文芸春秋から出版。文春文庫にもなる。

                   (吉田徳壽=日本ペンクラブ会員、前東奥日報社編集委員)



作者の郷里で実際に起きた事件を題材にしながら、混血児の家族の生きる苦悩を描いた作品は、作者自身の家族に起きた出来事と苦悩を感じながら読まされる小説だった。

三浦さんは八戸市の図書館に随分通って過去の新聞や郷土史を調べたようなので、この小説も史実や時代背景を忠実に反映させた内容になっているようだ。鯨会社焼き打ち事件の他にも色々な事件や出来事が描かれている。
この本を読んで、三陸沿岸の地震津波による過去の大被害のことが書かれていることが印象的だった。津波のことを「海嘯」と書くこともこの本で知った。
特にも、昭和8年3月3日の大地震による三陸大津波来襲の場面が詳細に描かれているので、今回の東日本大震災が起こってみて、現実の出来事と同じ惨状がそこに描かれていたことを改めて教えられたのだった。
そのように三陸津波に詳しい三浦さんが、今回の震災を見たらどう思っただろうかと考えさせられるのである。

「海の道」は、「三浦哲郎自薦全集第2巻」にも収録されている。

三浦哲郎の世界

イメージ 1

■画像:デーリー東北新聞社発刊「作家生活50年 三浦哲郎の世界」の表紙


出先で待ち時間中に備え付けの新聞「デーリー東北」を読んでいたら、「三浦哲郎」の文字が目に留まったのでよく見てみたら、デーリー東北新聞社発刊 「作家生活50年 三浦哲郎の世界」 発売中という広告だった。

広告文面にはとても素敵な文章が書かれていたが、控えて来なかったので紹介できないのが残念だ。

もう残り少ないと言われていたので、売り切れたかと思っていたら、広告を出しているからには未だ在庫があったようだ。
三浦哲郎のことに興味をお持ちの方に是非薦めたい本なので、売り切れない内に購入して読んで戴きたい。
以下に本の概要を紹介する。


デーリー東北創刊60周年記念出版物

「忍ぶ川」から「モザイク」シリーズまで、多彩なジャンルで第一線に立つ郷土出身の芥川賞作家。
その文学と人をより深く知るためのガイドブック。
エッセイ特別選「狐のあしあと」を収録

 芥川賞をはじめ数多くの文学賞を受賞、文壇に揺るぎない地位を築いた三浦文学の全貌(ぼう)を写真、解説、図版、さらには氏を知る人の寄稿などを交えて多角的に紹介、その魅力に迫ります。


 ◇主な内容
  グラビア/三浦哲郎とその時代/エッセイ特別選/名作の舞台/小説の力 エッセイの泉
  /三浦哲郎文学地図/主要24作品ガイド/三浦哲郎著作リスト/三浦哲郎自筆年譜ほか

 ◇体裁 A4判、76ページ

 ◇頒布価格 1、200円(税込み)

 ◇問い合わせ 本社事業局出版部(電話0178-44-5111)
        
                       デーリー東北新聞社

イメージ 1

■画像:東奥日報新聞連載 三浦哲郎特集第43回目の紙面



東奥日報新聞連載 三浦哲郎特集第43回目は短篇集モザイク『わくらば』である。

  生誕80年・芥川賞受賞50年特別企画

     毎週日曜日に掲載、カラー誌面

     芥川賞作家 三浦哲郎
      作風と文学への旅



 No.43 短篇集モザイク『わくらば』

  落葉に重ねる自らの姿…

■三浦文学ゆかりの地(八ケ岳)

 (写真3枚) ・三浦さんの山荘。八ケ岳(長野県南佐久郡南牧村)にあり、周りには ササが
        茂り、落葉松や白樺などに囲まれる。
       ・山荘でくつろぐ三浦夫妻=右が写真提供の大村彦次郎さん(1980年代後半の夏、
        撮影)
       ・人気の短篇集「わくらば」をテーマにした八戸市読書団体連合会の合同読書会=
        2011年月、市立図書館
         




  ヴェランダの日溜まりに帆布を張った椅子を持ち出して寝そべっていると、
     その葉擦れの音がまるでまぼろしの谷川のせせらぎのようだ。
                          (「わくらば」から抜粋)



 ■この話:鳴海征子さん(68)元RAB青森放送アナウンサー、青森市


        作品の数々、ラジオで紹介


『わくらば』は雑誌『新潮』2000(平成12)年1月号へ発表。他の作品16編と合わせこの9月に同題を冠し短篇集モザイク3(ローマ数字)で新潮社から出版。文庫版にも。
                 吉田徳壽=日本ペンクラブ会員、前東奥日報社編集委員)




短篇集モザイク3『わくらば』の単行本は既に廃刊になっているが、新潮文庫は今も販売されているので、書店に注文すれば入手可能の筈である。
値は張るが一昨年暮れに短篇集モザイク三部作を一冊に纏めた『完本 短篇集モザイク』(本体価格2,800円税別)が新潮社から発刊になっているので、是非お買い求め戴いて多くの人に読んで貰いたい。
きっと三浦文学の短篇の魅力が分かってもらえると思う。

『わくらば』に描かれている父親と一緒に入った銭湯は一戸町の万代橋の袂に在った「松の湯」である。
残念ながら今は廃業して浴場の建物は無くなっているが、跡地に建つ住まいの一部に脱衣場のガラス戸が嵌められていて当時の面影を残している。

今回掲載されている写真の内、大村彦次郎さん提供の「山荘でくつろぐ三浦夫妻」は、バックの建物の雰囲気では開口部や柱が大き過ぎて三浦さんの山荘というよりも、別のどこかの大きな施設で写したもののように思えてならない。

イメージ 1

■画像:東奥日報新聞連載 三浦哲郎特集第42回目の紙面



東奥日報新聞連載 三浦哲郎特集第42回目は短篇小説『妻の橋』である。

  生誕80年・芥川賞受賞50年特別企画

     毎週日曜日に掲載、カラー誌面

     芥川賞作家 三浦哲郎
      作風と文学への旅



 No.42 短篇小説『妻の橋』

  清流の川面に下駄の音…

■三浦文学ゆかりの地(岩手・一戸町)

 (写真3枚) ・一戸町の馬淵川に架かる愛称“妻の橋”いまはコンクリートの橋で、写真の左下に
        「忍ぶ川」の文学碑。近くには三浦さんの母や姉が長年暮らした家がある。
       ・「忍ぶ川」の文学碑完成祝いに出席しマイクを握る三浦さん(右が徳子夫人。1978
        年11月撮影)遊座昭吾さん提供
         




  不意に彼の耳のなかで、あの橋を
    駆ける妻の足音が爆竹のように爆ぜた。(「妻の橋」から抜粋)



 ■この本:「作家の愛したホテル」(伊集院静著、日経PB社刊)

        世界のご満悦な宿紹介

『妻の橋』は1971(昭和46)年8月号の『新潮』へ発表。翌年4月、短篇11作品を合わせ同題で新潮社から出版。

                   (吉田徳壽=日本ペンクラブ会員、前東奥日報社編集委員)



この中に描かれている稽古場で知り合ったS嬢が、先日紹介した『春の舞踏』に関連していることがここで明らかになるのである。

平成22年3月にこの橋の直ぐ川上に新しい橋が架けられてからは、この橋を通行する車や人がめっきり減ってしまった。
新しい橋の名前は三浦文学ゆかりの場所にちなんで『しのぶ橋』と名付けられて、三浦氏揮毫の銘板が袂の柱に埋込まれている。

芥川賞、直木賞発表

今年も芥川賞、直木賞の選考発表の時期が来た。

第146回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が17日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、

芥川賞に
 円城 塔(えんじょう とう)さん(39) 「道化師の蝶」(群像7月号)
 田中 慎弥さん(39)          「共喰い」  (すばる10月号)、

直木賞は
 葉室麟(はむろ りん)さん(60)    「蜩(ひぐらし)ノ記」(祥伝社)

に決まった。

又もや異色の作家たちの登場である。
高年齢の受賞者のせいか、文学の中身も評価が高いらしい。

葉室麟さんの「蜩(ひぐらし)ノ記」を選考委員の浅田次郎さんが「これまでにない完成度だ」と絶賛している。
二人は私と同じ60歳である。

この発表には文学の興味もさることながら、受賞者の人間味の方に興味を覚えるのは私だけだろうか。
田中さんは山口県下関市在住。県立下関中央工業高卒。5度目の候補だという。
これまでに一度も就職をしないで、母親の世話になりながら小説を書き続けてきたという異色の人である。
記者会見では「気の小さい選考委員が倒れて都政が混乱しますので、都知事閣下と都民各位のためにもらっといてやる」などと発言したが、芥川賞の選考委員を務める東京都の石原慎太郎知事(79)は「いいじゃない、皮肉っぽくて」と受け流しているという。

その石原さんは「今回で辞める。刺激がない。駄作のオンパレードだ」と選考委員会を退任する意向を示したそうだ。


同じく芥川賞選考委員の黒井千次さんは「古いタイプの伝統的作品と、現代的で知的な作品の同時受賞となった」と言い、「共喰い」は「文章の密度が高く、人物を含めた生活の描き方がダイナミック。普通の才能ではない」、「道化師の蝶」は「不思議でファンタスティックな面白さを追いかけることができる。今までの小説と違う新しさと面白さが注目された」と評している。
その黒井千次さんも今回で退任するらしい。

「忍ぶ川」で第44回芥川賞(昭和35年/1960年下期)を受賞した三浦哲郎氏も選考委員を長年務めた

  在任期間    第91回〜第133回(通算21.5年・43回)
  在任年齢    53歳3ヶ月〜74歳3ヶ月

退任する時に三浦さんが語ったことを思い出してしまう。


■当ブログ過去の関連記事
  芥川賞選考       2010/1/14(木)

  http://blogs.yahoo.co.jp/onikosato/31253815.html


芥川賞…「文章が一番大事」 選考委員を退任した三浦哲郎さん
(2006年1月19日 読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20060119bk09.htm


「この賞を取るか取らないかで、将来が大きく違ってくる。僕自身、身をもって分かっているので、軽々に作品を判断することはできなかった


時代性重視の風潮に違和感

 作家の三浦哲郎さん(74)が、芥川賞の選考委員を退任した。1984年の第91回から昨夏の第133回まで20年余。退任を決意した経緯、選考会での思い出などを語ってもらった。(聞き手・山内則史)

 病気(脳梗塞(こうそく))はいっこうに良くならないし、段々体力がなくなってくるでしょう。年齢もあって、一人になると、もうおしまいだなあと思うことがしばしばなんですよ。そういう身体の状態で、人の作品について言うのは、どうかと思いましてね。
 時代も変わって、今、作品の中に出てくる高校生の生活なんか、僕には理解できないんだ。僕らの高校生活とは全く違いますから、読めないんですよ。先に進めない。
 吉行淳之介さんが健在のころ、「自分は芥川賞をもらって世の中に出たから、いくらでも後輩のために力になろうと思ってやってきたんだけど、もういいだろう。もう勘弁してくれ」と言っておられたのが70の時。非常に印象的でした。いかにもくたびれたっていう感じでね。僕も、「もういいだろう」と言いたいな。
 僕は本来、選考委員なんていう役目の素質がないんだ。人と争って、言葉で相手を圧倒するようなことはできない。こういうのに芥川賞を出してはいけないと、テーブルを叩(たた)いて反対意見をいう勇気がないんですよ。そういうのがなければ、選考会では駄目ですね。
 川端康成っていう人は強かったんだなあ。何も言わないで、最後にポツッと「これは駄目ですね」って言ったんでしょう? 今、そういうのはないんです。一人ずつ順番に意見を言って。あれは本当に嫌なんだ。
 僕が選考で重視したのは文章です。文章が一番肝心なことで、文章さえよければ気持ちよく読めるわけですから。作品の中に、作者はいろいろな思いをつぎ込みます。それがより伝わって来る。自分の中で推敲(すいこう)しながら読むみたいな作業になりますから、文章が悪いといけませんねえ。
 で、選考会で文章が大事だってことを力説するんだけれども、段々効力がなくなってきた。それは職人的な考え方ではないか、という風潮が強くなった。文章が大事という思いを、編集者も作家も持たなくなってきた気がします。何か別に大事なものがある。例えば、時代性のようなことでしょうか。
 その点、開高健は、わりに文章を重視するところがありました。作品の中に人をドキッとさせるような一行があればいいんだ、その一行をあらわすのが新しい小説なんだと言っていた時期があったんです。僕も、その通りだと思うなあ。
 読者にとって忘れられない一行というのがあるわけです。そういう一行でぴたっと文章を終わらせなければいけないといつも思っている。だから僕は、どうしても少数派の肩を持つことになる。僕の推薦したものはいっこうに受賞しない。
 しかし何行かでも、いいところがある作品を推したかった。そして、励ましたかったんですよ。だからせいぜい、選評でそれを書く。もったいない人だな、という気持ちもあるし。会心の選考会というのは、だから残念ながら経験がない。
 でも、松浦寿輝さんが出てきたときは、文章がいいと思った。それと藤野千夜さん、受賞に至らなかったけれど栗田有起さんの「お縫い子テルミー」も好きな作品だった。
 何しろ、病気ですからね、なかなか思うようにいかない。力の調節がつかなくて、鉛筆をうまく握れないんですよ。僕は原稿の字がきれいなので有名だったんですが、今はミミズの行列になってしまいました。
 しかし、病気の状態にもある程度慣れてきましたので、群像で近々、連載小説「肉体について」を再開します。おととしの夏以来ということになりますか。自信がなくて編集者に聞いたら、面白いっていうんで、もう何回か頑張ろうと思って。
 「モザイク」は、これまで70編ぐらい書いたのかな。そっちもとても気になっています。何とか100編書きたい。『白夜を旅する人々』の続編もやりたい。早々に山の方(八ヶ岳の山荘)へ行って「モザイク」を書いてみたいな。去年は一度も行けなかった。そんな年は今までなかったんですよ。



 みうら・てつお 1931年青森県生まれ。61年「忍ぶ川」で第44回芥川賞。著書に『拳銃と十五の短篇』『白夜を旅する人々』など。100編を目指して書き継いできた短篇集〈モザイク〉は、第3集まで刊行されている。

(2006年1月19日 読売新聞 記事より転載)



今回の受賞者の三者三様の生き様が、多くの人に刺激を与える物語性を秘めていることに芥川賞、直木賞の価値があるように思えてくるのである。


.
oki*_
oki*_
男性 / A型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索 検索

過去の記事一覧

三浦哲郎文学愛読者

三浦哲郎情報

登録されていません

二戸のブロガー

登録されていません

旧南部藩の住人

登録されていません

友だち(2)
  • よしO
  • ooh*ra*
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事