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昨日、金田一温泉「まべち苑」の宿泊客から依頼を受けて文学散歩のガイドを行った。
埼玉県所沢市から来られたというTさんは一人旅の女性の方で、仕事の休暇が取れたので、大好きな宮沢賢治の岩手に来たのだそうだ。
岩手はこれまでにも度々訪れているが二戸は初めてだそうで、今回は賢治が化石を探しに来たことがあるという金田一温泉に泊まることにしたそうだ。
そこで、金田一温泉のことを色々調べていて、三浦哲郎文学散歩があることを知って興味を持ったそうで、一昨日の夕方、私のところにガイドの問合せの電話をくれたのだった。
三浦哲郎については、NHKの少年ドラマシリーズの『ユタとふしぎな仲間たち』を見て興味を持ち、本も買って読んだことがあるということだったので、ガイド役としては話題の共通点が見つかり大助かりだった。
他の作品に触れたくても、三浦作品は書店でいくら探しても見当たらなくて、『ユタとふしぎな仲間たち』の本もヤッと見つけて買って読んだくらいで、他のことはよく分らないと言っていた。
話しているうちに、狭山丘陵で自然観察のガイドなどを務めている人だということが分り、ガイド役の専門家を相手に文学散歩のガイドをする羽目になり恐縮してしまった。
盛岡で新幹線に乗継ぐ時間が決まっていると言うので、時間調整を計り、今回は8時半にホテルに迎えに行き、観光案内所から出発して、しおりの通りのコースを予定通り90分で回り、最期はIGRいわて銀河鉄道「金田一温泉駅」まで送って上げて予定の電車に間に合わせることが出来た。
駅までの車の中で、三浦さんの随筆『黒髪の思い出』について話をして上げたら、Tさんも小さい時から琴を習っていて名前も貰っているというほどの人だった。和服の着物の生地でケースを作った話しをしたら、自分の琴もそうだといって、大変喜んでくれた。
そして、三浦さんの琴についての作品があったら読んでみたいと言ってくれた。
ガイド役として、このように三浦作品に興味を持って貰えることが何より嬉しい。
しかし、咄嗟に紹介するのにふさわしい作品の名前が浮かばなかったのが口惜しく、修行の未熟さを痛感した。
明けない梅雨で心配していた空模様も、折爪岳がスッポリ隠れるほどのどんより雲だったが、途中で少しパラ付いたものの、何とか持ちこたえてくれて、草露と増水が心配で取止めにした[どんどん淵」コースを除いて、無事に文学散歩のガイドを終えることが出来た。
一夜明けて枕元の本(「おふくろの妙薬」S46.7.31三日月書房発行)を何気に開いたら、偶然にも『琴の思い出』という作品が出て、暫く振りで読み返して見て、Tさんに紹介したかった作品がここにあったと気付いて悔やんでいる。
今回のTさんのように、情報が入りさえすれば関心を持って訪れてくれる人がいる筈なので、如何にして情報発信をするかが、大きな鍵となるのである。
ガイドマップを差し上げる際にお願いしている読む会への支援金を、通常より多く差し出してくれたTさんに感謝している。
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