|
■画像:岩手日報新聞'10.H22.12.19「郷土の本棚」の『みちのく怪談名作選 vol.1』
先日、岩手日報新聞日曜版の「郷土の本棚」欄で『みちのく怪談名作選 vol.1』を紹介していた。
『みちのく怪談名作選 vol.1』 東 雅夫編
税込価格:2,310円 (本体:2,200円)
出版 :荒蝦夷
サイズ :19cm / 461p
ISBN :978-4-904863-07-7
発行年月:2010.11
東北の風土に根差した怪談集と銘打って、東北出身あるいは、ゆかりの作家17人それぞれの怪談作品を集めた精選集である。
これらの著名作家の中に三浦哲郎さんも連ねていて、作品『お菊』が掲載されている。
この作品『お菊』は、初出が「小説新潮」1981年(S56)12月号で、単行本『蟹屋の土産』(1983.S58.8.15福武書店発行)に収録されている。
●作品一覧
作品 著者 ページ
鍋の中 井上ひさし 著 7−35
魑魅魍魎 石上玄一郎 著 37−83
日照雨 佐々木鏡石 著 87−89
寺 佐々木鏡石 著 89−90
念惑 佐々木鏡石 著 90−91
星の塔 高橋克彦 著 93−133
怪談享楽時代 野村胡堂 著 135−140
死者に近い土地 長部日出雄 著 141−154
魚服記 太宰治 著 155−167
種山ケ原 宮沢賢治 著 169−189
お菊 三浦哲郎 著 191−207
冬の宿り 島尾敏雄 著 209−230
新道 斎藤茂吉 著 233−236
仁兵衛。スペクトラ 斎藤茂吉 著 236−238
金瓶村小吟〈抄〉 斎藤茂吉 著 239−242
きりすと和讃 寺山修司 著 245−264
恐山 寺山修司 著 265−268
ミイラ志願 高木彬光 著 269−299
鳥海山物語 杉村顕道 著 301−316
黒船 山田野理夫 著 319−320
狐とり弥左衛門 山田野理夫 著 321−324
骨なし村 佐藤有文 著 325−350
「奥州ばなし」より 只野真葛 著 351−367
「谷の響」より 平尾魯僊 著 369−389
『お菊』
北国の海岸都市でタクシーの運転手をしている幼馴染の体験話となっていて、八甲田連峰が見えると言うから、やはり舞台は八戸市と想像できる。
運転手は配車係からの指示で、県立病院から黄色い和服姿の若い女を乗せた。
案内されて着いた遠方の自宅で、一面満開の菊畑にその女性は姿を消してしまう。
両親の話では、その病院に入院していた娘が亡くなったとの知らせを受けて、これから病院に向うところだったというのである。
果たしてその女性は……。
食用菊の栽培の盛んなこの南部地域の晩秋の菊畑の情景が描かれていて、特にもこの地域特有の菊の食べ方についても色々運転手に語らせている。
菊の花の印象を強くさせてくれる作品である。
|