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三浦哲郎文学評

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情報が遅れましたが、先日、盛岡の馬場勝行さんからの手紙で知ったのでお知らせします。

昨年末に新潮社から発売になった三浦さんの新刊2冊について、長谷川郁夫氏と出久根達郎氏の批評が掲載された冊子が発売されていたことを教えてもらった。 


●新潮社 『波』 2011年1月号(2010/12/27発売)
 定価100円(税込)
 http://www.shinchosha.co.jp/nami/backnumber/20101227/

  三浦哲郎『師・井伏鱒二の思い出』
   長谷川郁夫/酒、旅、将棋、そして酒

  三浦哲郎『完本 短篇集モザイク』
   出久根達郎/モザイク画は何か?

である。
この中には、やはり昨年亡くなられた岩手にゆかりの作家・井上ひさしについても載っているのが興味深い。

  井上ひさし『井上ひさし全芝居 その七』
   扇田昭彦/笑いとユートピア

因みに、私はこの『波』に馴染が無かったが、三浦さんの作品が生まれた雑誌でもあるようだ。

『木馬の騎手』が月刊誌『波』s53.5月号〜54.4月号に1年間連載され生まれた作品だだった。
いずれも幼い者を主人公にした20枚ほどの短篇が12篇綴られている作品である。

馬場さんによると、盛岡の書店では店頭で無料配布してくれているそうだが、二戸の書店には見当たらないのが残念だ。
値段と規模の割には中身の充実した冊子のようなので、盛岡や八戸に出かけた際にでも、大きな本屋さんで探して見ることにしよう。

今回は、版元にまだ少し在庫が有るそうなので、「ゆのはな文庫」用も含めて2冊取り寄せてもらうように高村書店にお願いしたところである。

伝説

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少し古いが小説『忍ぶ川』についての記事を紹介します。


■YOMIURI ONLINE ポケットに1冊
『忍ぶ川』 三浦哲郎著

http://www.yomiuri.co.jp/book/column/pocket/20100914-OYT8T00765.htm


 8月末、79歳で死去した作家の三浦哲郎さんには伝説がある。30年ほど前、小説の原稿を編集者がなくしてしまい、再度書いた。間もなくして元の原稿が出てきて、編集者が照らし合わせたところ一字一句同じだった――。

 真相は、書き直す直前、元の原稿は見つかっていた。クビを切られることを覚悟して謝りにいった編集者に、「見つかったのは残念。句読点すら同じに復元する自信もあったのになあ」と語った三浦さんの言葉が誤伝されたらしい。とはいえ、伝説には説得力があった。「小説は文章」と思い定め、とことん推敲(すいこう)する短編の達人だったからだ。

 妻との出会いから結婚までを描いた初期代表作「忍ぶ川」も文章が端正で、〈読むたびに心の中を清冽(せいれつ)な水が流れるような甘美な流露感をたたえた名作〉である。1988年の「文芸春秋3月号」に発表された読者アンケート「思い出に残る芥川賞作品」では、「太陽の季節」に次ぐ第2位。新潮文庫は86刷162万3000部のロングセラーになっている。(514円)(飼)
(2010年9月15日 読売新聞)



なるほど、三浦哲郎さんの伝説か。
苦難を体験した作家だっただけに、これからもまだ知られていない伝説が表ざたになり、語り継がれて行くことになるだろう。

「思い出に残る芥川賞作品」の読者アンケートで第2位とは凄い。
新潮文庫が86刷162万3000部のロングセラーだなんて驚いてしまう。
文庫本だけでもこの数なのだから、全国にはこれ以上の多くの読者がいるのだと思うと、「みちのく文学路・三浦哲郎文学散歩」へ誘う手立てを講じないでいられなくなる。
一戸町には『忍ぶ川』の文学碑が在り、何よりも小説の舞台がそこに在るのだから、愛読者がそれを知ったら堪らないだろう。
やはり「三浦哲郎」は偉大な作家なのである。

インターネットTVとでも言うのだろうか。
ある動画サイトで三浦哲郎氏の文学批評を流しているのを見付けたので紹介する。
出演している文芸評論家の富岡幸一郎氏は、秋山駿しとも交流が深い方のようだ。
2ヶ月も前に放送されたものだが、今でも見ることが出来るので、皆さんもご覧になって下さい。

SakuraSoTV
【ズバリ!文化批評】最後の私小説作家・三浦哲郎[桜H22/10/8]
http://www.youtube.com/watch?v=h5fg7xx7EXk
SakuraSoTV ― 2010年10月08日 ―
今年の8月に物故した作家の三浦哲郎。彼の遺した「私小説」の世<wbr>界について振り返ってみたいと思います。

◆チャンネル桜公式HP
http://www.ch-sakura.jp/


この文化批評のサイトの画面右に掲載されている動画リストの上から5番目のところに、読む会が1月に盛岡で開催した講演会・朗読会&映画『忍ぶ川』上映会の動画が掲載されているのを見ることが出来る。

これは、以前にも紹介したことがあり、知人が作成し、掲載してくれたものだが、再生回数が9,440回にも及んでいるのには驚かされる。
アクセスカウントが高い分だけ、上の方に掲載されるようになっているのだろう。
三浦文学に関心のある方は、是非『忍ぶ川』の舞台「岩手県一戸町」や、座敷わらしが描かれている『ユタとふしぎな仲間たち』の舞台「二戸市金田一温泉」を訪れて、小説の舞台の文学散歩を体験して行って貰いたい。

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■画像:月刊『群像』11月号の表紙と目次



以前に情報を掲載した月刊誌『群像』11月号がヤッと入手できたので、特集「追悼 三浦哲郎」を読んでみた。
 
 坂上弘     「三浦さんのこと」
 佐伯一麦    「三浦さんを偲ぶ」
 長谷部日出雄  「私小説風のフィクション」
 大村彦次郎   「思い出幾つか」
 富岡幸一郎   「「痛み」としての「郷里」」
 

追悼特集とは別に

 秋山駿     連載『「生」の日ばかり』20 

にも、後半の部分に葬儀の時のことが書かれている。

その中で、三浦さんの「地唄〈黒髪〉の思い出」にまつわる大変興味深い話しが載っていたので、その部分を抜き出して紹介することにしよう。

《三浦さんには、私小説家の純粋な流れに汲むような、作家の態度、というものがあった。四十年以上の交流になるが、ただの一度も彼と電話で話したことはない。ファックスを出しても返事は来ない。必ず文章の整った葉書の返事になる。
 ある文学賞選考会のとき、これを家に戻ってから読んでくれ、とそっと手渡された。「地唄〈黒髪〉の思い出」である。いい文章だった。感想を書き送った。後で再会したとき、なぜそうしたのか、と問うと、苦しんで書いたので、「文体」の乱れが心配だったと言う。……
 三浦さんにとっては、「文体を磨く」ことが命であった。……》(9月20日月曜日)


それぞれの追悼文を読むと、新たな三浦さんの一面が見えてくるような思いがしている。
皆さんにも、是非、一読をお勧めする。

この本は「ゆのはな文庫」の蔵書用にも購入したので、12月例会の時に会員の皆さんに披露することにしよう

先日このブログで紹介した書籍『東北戦国志』を入手した。

■『東北戦国志』に『贋まさざね記』掲載   2010/6/2(水)掲載
http://blogs.yahoo.co.jp/onikosato/31929935.html

三浦氏の埋もれていた小説『贋まさざね記』をよくぞ発掘して掲載してくれたものだと、編者の努力に感心していたところだったが、本の巻末の細江正充氏の解説文を読んで納得した。

《選り取り見取りな伊達政宗に比べ、作品そのものを見付けるのに難渋したのが九戸政実だった。豊臣秀吉の天下平定の最期に立ちふさがり、九戸合戦を引き起こした、北の猛将である。高橋克彦の大作『天を衝く』で広く知られるようになったが、それまでは戦国武将の中でも、かなりマイナーな存在だったといっていい。
 それでも本書のコンセプトを考えると、どうしても九戸政実を扱った作品が欲しかった。あちこち捜したところ、やっと発見したのが本作である。ただしこの話、かなり変っている。物語は現代からスタートし、語り手の“私”とその知人たちが、戦前夜にタイムスリップ(?)。九戸勢と豊臣勢の戦いに巻き込まれてしまうのだ。
 何ともゆかいな作品だが、その一方で、歴史と人物を見据える作者の眼光は鋭い。特に、九戸政実の描き方が秀逸である。騎馬隊を指揮して打って出た政実が、にこにこしながら帰ってきたのを見た“私”は、彼が合戦好きの野人であり、「ちからを恃んで勝手気ままに振舞っているうちに、急激な世のうごきにとりのこされて、その奔放な生き方がおのずと叛逆な色彩を帯びてきていたのではなかろうか」
 と思うのだ。もはや秀吉の天下が決した時代に、なぜ九戸合戦は起きたのか。その作者なりの答えが、ここにあるのだ。
 人は生まれる土地を選べない。
天下取りを考えた場合、中央から遠く離れた東北の武将が、最初から重いハンディを背負っていることは、改めていうまでもないだろう。だが、それを不幸というのは傲慢だ。本書に収録された七篇を見よ。ここに登場する東北の武将たちは、自分の生まれた大地を踏みしめ、力の限りに生き、あるいは死んでいったではないか。その命のきらめきを感じ取って頂ければ編者として、こんなに嬉しいことはない。       (文藝評論家 細江正充) 》



この小説『贋まさざね記』は、今まで捜しても初刊の月刊誌『歴史読本』に掲載された以外にお目にかかることができなかった。
編者も恐らくこの小説が掲載された昭和38年2〜3月号の月刊『歴史読本』まで探し着いたものと思われる。
今回このように新たな書籍に取上げて戴いたことによって、多くの人にこの作品を知ってもらえるようになったことが何より嬉しいことである。
武将九戸政実のことを書いた数少ない小説の一つなのだから、大いに注目を浴びることを期待している。

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