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昨日、CYCLE MODE international 2011 に行ってきた。もちろん愛車で。
このイベントは年々盛大になってくる。メッセの1−4ブロックを使っているので、興味あるブースを全部訪問しようと思えば、とても1日では周りきれなくなった。出展企業のブースも軒並み大きくなったし、出展者側の参加者も多くなった。およそ日本で販売されている製品が一堂に介しているんじゃないだろうか?
今年はクラフトマンシップにあふれたハンドメイドの自転車も紹介されていた。それは製品でなく作品と言えるものだった。デラローザで修業して29歳で「ナガサワ」ブランドを立ち上げたフレームビルダー長澤義明氏のトラックレーサーもあった。ほれぼれする。
長澤義明氏のフレームを使った完成車
この4年ほど趣味の軸足を自転車に移して時代の流れを見てきたが、ブームからライフスタイルに、そして文化として定着していく様子が感じられる。今年初めて見かけたものに、女性サイクリスト向けのセレクトショップのようなブースがあって、女性向けの自転車だけでなく、ウェアから装備・小物にいたるコーディネートを提案しているのに注目した。これなど自転車のあるライフスタイルの提案の象徴に思える。
展示場でも、ハードとしての自転車展示や試乗に加え、ソフトとして自転車に関する道交法改正をポジティブに捉えた講演などがあり、ますますサイクリストの拡大に拍車がかかると思った。
自治体では奈良県が「自転車利用促進計画」を掲げ、観光立県にサイクリストを巻き込む形で推進しているのが興味深かった。奈良は、イベントもコースも宿泊面でもサイクリストを優遇する。奈良県周辺のサイクリストがうらやましい。
千葉県も何かやっているようだけど、肝心なハードが悪い。道幅が狭く片側一車線が多く、右折レーンもないところが多い。自動車走行に適さない道路が多いのだから、ましてや軽車両に優しい訳がない。交通事故はいつもトップクラスだから、その当たりから手をつけないとソフトだけではすそ野は広がらない。南房総などサイクルショップを目にしたこともないから、伴走に自動車が必要なんじゃないかな?
δφσ〜
ペダルは株式会社三ヶ島製作所(MKS)の「ROYAL NUEVO」(ロイヤル・ヌーヴォ)を使っている。適当な画像がないので、ほぼ外見は同じ「CUSTOM NUEVO」(カスタム・ヌーヴォ)の画像を載せておく。色彩で黒を使う気がなかったのでROYAL NUEVOの方を選んだ。すべてのパーツがシルバー。どちらもNJS認定品。(ディスコンになるのかな? あまり売りたくなさそう。) 色の他の両者の違いは、シールドベアリングの圧入(CUSTOM)とボールベアリングをシーリングしているシールドメカニズム(ROYAL)。いまのところROYALに耐久性の問題を感じたことは一切ないけど。
MKS の CUSTOM NUEVO
私はレッグプレスで230kg以上押す。(ウェイトがないので、それ以上はやっていない)
最初に乗ったシングルスピードのクランクがあまりにヤワで撓む感じが嫌で、シマノのDURA-ACE TRACK のクランクセットに替えた時に、DURA は完璧だったけどペダルが折れそうだったのでMKSに替えた。
シングルスピードはトップギアだけの車に似て、クランク周りにはいつも大きなトルクがかかる。このROYAL NUEVO はDURA との相性も良いし、止めようがバックを踏もうが申し分ないほど応えてくれる。
ペダルにこれ以上、求めるものはない。
固定ギアということで足の力を効率よくペダルに伝える&ペダルに足を飛ばされないためのトウ・クリップだが、最初は「サンダル替わり」の発想だったことや、市街地走行ではクリップへの靴の出し入れが頻繁なことから、「ハーフクリップ」にしている。消耗品のストラップレスだけど、靴のホールドはいい。
問題があるとしたら、結構硬い鉄製であることから、前輪タイヤを蹴った時や、クリップが重たいので路面を擦った時の衝撃が少々大きい。驚かなければどうってことはないのだが。
もう一つの問題は、つま先の厚い靴が入らないこと。サイズはLのワンサイズだけど、それでもつま先高は30mmもない。競輪用シューズやランニングシューズ、スニーカーなら大丈夫だが、厚手の靴を履いて乗りたいなら、つま先が40mm以上ある「ハーフクリップ・ディープ」を装着すべきだろう。頑丈な鉄でつま先が傷むのも、ディープの方は革付きバージョンを選ぶことで避けられると思う。
「鉄製で重いからせっかくの軽量ペダルが泣くのでは?」の突っ込みは甘受するとして。
ハーフクリップ と ハーフクリップ革付き(茶)
ハーフクリップ・ディープ
調整には「トークリップスペーサー」(より足の裏の中央に近いところでペダルを踏みたい場合)も用意されている。私の場合はつま先で踏みたいのでいまのところ必要なし。
トウクリップを付けたペダルとつま先位置調整用のスペーサー
オーソドックスなのはこれ。
普通のトウクリップ+ストラップ
ペダルによっては装着できないので注意が要る。
ハーフクリップ付きのペダルに足を上手く通す方法だが、クリップの重さでペダルのつま先が真下より30度ほど後ろを向くため、上がったペダルの前をつま先で手前に擦って、ペダルが水平になったところでつま先を入れる。慣れれば簡単なのだが、慣れないうちは焦らずに、とりあえずペダルの裏側に足を乗せて漕ぎ、余裕ができたところでつま先でペダルの先を手前に引き起こしてつま先を入れればOK。上手くいかなければ何度でも挑戦を。そのうち簡単にできるようになる。
δφσ 〜
ペダルには関係ないが、MKSでもうひとつ愛用しているのがチェーン引きだ。ロストワックスでいかにも所有する喜びをかき立ててくれるものだ。
チェーン引き(CA-NJS) と フレームのリアエンドに装着した様子
ところでこれは街乗りではアクセサリに近い。
よほど神経質な微調整をしない限りは、ハブのナットが締め付けてあればチェーン引きは無くてもいい。
実際に市販されているシングルスピードではチェーン引きが付いていないものが多いのでは?
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固定ギアの自転車
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「趣味を極めるのに何か良い方法はないか?」 そう聞かれた名人が言ったことは 「高い道具を買いなさい」、この話に私は納得する。
価値は値段ほどだから、腕前も値段ほどしか上達しない。高い道具を買って、途中で投げ出す訳にもいかない。そういう「抑止力」も働く。
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サドルは株式会社加島サドル制作のKASHIMAX FIVEGOLD製品をずっと使っている。
FG-8P。色はフレームに合わせたので茶、といっても黄土色に近いものを選んでいる。すると本革でなく人工皮革になるのだけれど、ここは色を優先した。
NJS(競輪規格)認定品。だけどそれにこだわった訳ではない。もともとピストを組んだのは4年前になるが、その頃はミーハーで、とにかくルックスにこだわっていた。
レーサーの厚い変速機構が無い分ピストフレームの幅は狭く、華奢でスマートな印象がある。
それに似合うサドルは細身で精悍なものしかない。
ということでもう加島のサドルしかなかった。
実際にシートポストに乗せてみると、写真でみるよりずっとカッコイイ。芸術品と言えるフォルムだと本気で思った。もうその時からKASHIMAXの虜になった。
また実際に乗ってみるととてもお尻にしっくりくる。この感覚的な話は言葉にするのは難しいが、つまりは日本人のお尻を知り抜いているということなんだろう。
短距離用だから座り心地など考えていないだろう、とお考えの方もいるだろう。私もそうだった。形に惚れてしまったので、他は犠牲にしても良いかと思った。しかし乗っていると馴染んでくるし、1日乗っていても不都合はない。「存在を忘れるサドル」。
これでいいと思っているから試していないが、パディング付きのものもあるようだ。
色を重視したので人工皮革バージョンにした。
ちょっと乗ると色は剥げてくるし傷がついた。素材が柔らかい。消耗品だとその時思った。見栄えの良い状態を保つなら、耐久性はない。寿命が短い。
ところがこれも味だと考えるようになった。すると、ベースのつくりはものすごくしっかりしているから、当分はこれでまったく問題ない。
骨盤の骨の形やペダルを踏むときの癖などを吸収して、このサドルは形を穏やかに変えてくれる。馴染んでくる。これが存在を消してくれる。ちょうど履きなれた靴のように。靴で起こるようなことが、このサドルで起こる。
だから最初からハンドメードもあるんだろうけど、お尻でOJTで形状記憶していくことでカスタマイズができるから、少々時間がかかって良いなら、あつらえの製品で構わないと思う。
サドルに関しては、フォルムが理想だし、実用的にも素晴らしく、他のものを試そうという気はまったくない。
株式会社加島サドル制作のFIVEGOLDで、私の旅は終わりだと思う。
FIVEGOLD FG-8P brown
これは表面素材がスウェードなので私のものとは少し違う。
あまり頻繁に乗らない、あまりケーデンスをあげない、すり減っても気にしない、そういう貴方なら良いと思う。
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震災後自転車事故が増加したという興味あるニュースが警視庁から発表された。
読めば自転車が増加したからだと解る。 人は必ずエラーを起こす。気をつけていても。だからたまに旅客機が背面飛行したりする。人間にエラーを起こすなといっても無理なのだ。人によって頻度は違うが、統計的にある割合でエラーを起こす。 だから人間に関するシステムはエラーを起こすことを前提でデザインしなければならない。 何を言いたいかといえば毎度おなじみの「道路を変えないと事故は減らない」だ。 罰則を強化したり取締りを厳しくしても、整備不良の自転車は減るかもしれないが事故の本質的な解決にはならない。減らないとは言っていない。 自転車はふらつく、時には倒れる、乗っている人間は停まりたくない、急に進路を変える。これらはいわば自転車の性質であり、これを「いけない」と言っても始まらない。ならば自転車を禁止するしかない。 しかしこれを認めるなら、弱い自転車を守る工夫を道路に求めなければならない。ふらつき、倒れても大事故にならず大怪我もせず、できるだけ信号で停まらないでよく、逆走もない道。 それは自転車専用道か専用レーンでしか実現できない。 |
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学生が乗る数台の自転車がふらふら中央寄りに広がって走っていた。
何やら話しながら走っている。
もちろん道交法では横に並んで走ること自体違法である。
しばらく追走して、左から抜こうとした時に、じゃれ合って急に左に寄ってきた。
ぶつかるのを避けるためやむを得ず左に緊急避難。
それで路側の段差に後輪を擦った。
左右の段差はほんの2cmぐらいでも細いタイヤには死活問題。
バーストまでいかなくて良かったがご覧のようにタイヤの横腹が削られた。
ミシュランはグリップが良いけど、タイヤのゴムも柔らかい。
タイヤも私も寿命が縮んだ。
空気量の少ないハイプレッシャーのタイヤは段差に弱い。
前後の段差ではリムにチューブを噛まれてパンクする場合がある。
スネークバイト。
パンクでなくても、段差がキツいと体を投げ出される場合もある。
左右の段差はタイヤの横腹をこすったりリムを傷つけたり、悪くすればバーストやバランスを崩して倒れることもある。
ペダルをぶつけることもある。
ともかく自転車にとって、穴や陥没を含め、道路の段差はとても危険だ。
自動車のドライバーの幅寄せなどもってのほかと言って良い。
それは崖から追い落とす殺人行為にも匹敵する。
今の道路が「自転車にとってのバリアフリー」になっていない以上、未必の故意の幅寄せなどを避ける意味でも、専用レーンや専用道を造るべきだと思う。
幅寄せされて自損事故を起こしても、現状なら泣き寝入りだろう。
δφσ〜
「それは、あなた方にとっては遊びであっても、私たちにとっては死である」 − ファーブル。
道路を走ってみると、自動車と自転車の間には、人間と昆虫ぐらいの差がある。
自動車にはまるで問題なくても、自転車には致命傷になる場合がある。
どうも大半の道路は自動車で走ることしか考えない人間がデザインしている。
おそらく自転車に乗らない人間だろう。
自分が自転車に乗る人間なら、あんな道路は作らない。
それで結局、自動車に乗れば自転車が目障りで、自転車に乗れば自動車が煩わしい、お互いに不満がある道路ができてしまっている。
私の場合、車に乗るし自転車にも乗るから、不満も2倍だ(笑)。
δφσ〜
もう一度考え直してみよう。
道路はすべての人間の共有物だ。
道路はすべての人間の交通のインフラという意識を誰もが持つべきだ。
ともかくこれまでは自動車優先で道路が造られてきたことは間違いない。
これからは自転車のような軽車両も、歩行者も、身障者の車いすや電動カートも通ることを前提に、道路のすべての利用者にとって安全で便利な道路をこしらえて欲しいものだ。
道路=車だけの単純な方程式で道路を造るのではなく、すべての道路の利用者を元とした多元連立方程式を解ける人間に、道路のデザインに取り組んでもらいたいものだ。
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