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水中写真家・大方洋二の魚って不思議!
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ニザダイ科のクログチニザは藻食性で、全長約25cmになる。西部太平洋から中部太平洋にかけてのサンゴ礁域に生息する。


クログチニザの成魚(奄美)

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どの海でもよく出会うので、種として繁栄しているのだろう。その理由は、幼魚期に擬態するからと考えられている。











幼魚の色彩パターン
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幼魚には色彩パターンがいくつかある。①全身黄色いタイプ ②前が黄色で後部が黒いタイプ ③前が白で後部が黒いタイプの三つが基本的な体色・斑紋。①はヘラルドコガネヤッコに、③はナメラヤッコに似ているので、擬態と考えられている。②は通常の成長過程の色彩パターンだと思う。







コガネヤッコとクログチニザの幼魚(タヒチ)

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サイパンからタヒチにかけてはコガネヤッコが多く分布しているため、クログチニザの幼魚はコガネヤッコに似ている。コガネヤッコも先述したヤッコも小型種でアブラヤッコ属のグループだ。









ヘラルドコガネヤッコ(左)と(奄美)
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クログチニザの幼魚はこれらをモデルにした擬態と思われるのだが、理由がない。モデル側に有毒とか不味いとか、毒牙があるのなら真似しても納得できるのだが、いずれも該当しない。そこである魚類学者は、アブラヤッコ属のヤッコ類は警戒心が強く、危険を察知すると素早く隠れるという行動に着目し、捕食者は捕えるのは無理と考えて最初から狙わない、という解釈をした。この仮説にはぼくも賛成した。





『魚はすごい』の口絵
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だが『魚はすごい』(井田斎著、小学館)では「ミューラー型擬態」としている。ミューラー型とは、有毒などの防衛機能を備えた動物がいると、同じような体色・斑紋の別種がいることが多く、1種よりも危険度をアピールすることができる。ヤッコ類はエラ蓋のトゲ、クログチニザは尾柄部のトゲが防御機構とのこと。しかし捕食者にとって小さなトゲは問題ないし、もしトゲが武器になるならもっと堂々としているはずだ。いろいろな見解があって、生態はおもしろい。




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