人権協会・福祉情報交換会/李恵順さんが報告連帯の力で障害児童のサポートを2018年度第3回 在日本朝鮮人人権協会・福祉情報交換会が10月26日、東京・上野の人権協会事務所で行われ、福祉の多様な分野で活動する27人が参加した。
約10年前から行われている同交換会は今回で22回目を迎えた。事務局の地道な活動により、参加者の輪が少しずつ広がりを見せ、今回は大阪や愛知など遠方からの参加者の姿もあった。
この日は、社会福祉士で静岡市委託障害者相談支援事業所で相談支援員として活動する李恵順さん(65)が「ウリハッキョ、トンポ障害児・者相談から見えること」と題して報告を行った。
李さんは朝鮮学校の教員を30年間務めながら障害のある生徒たちと出会う中、悩んだ末に障害について大学で学び、さまざまな資格を習得し現在に至る。障害があっても、朝鮮学校や同胞コミュニティとの関わりの中で言葉や文化、歴史を学ぶ機会を確保するため、現場の教員らによる個別の取り組みがなされてきたが、李さんはそんな朝鮮学校や日本の多くの学校で、ボランティアとして障害児童のサポート活動に従事している。
「今の仕事をはじめて新たに気付いたことは、できないことに対して、できるようにしてあげないといけないのでなく、できないことがあっても良い。信頼できる仲間を作り、できないときにサポートして貰えばいい。そうすれば世の中を渡っていける。『活きる』でなく『活きる』とは誰にでもできることなんだということ」(李さん)
李さんは報告で、これまでの相談実人数およびその障害の種類・相談の経緯について言及したあと、2000年4月から現在までの朝鮮学校における相談傾向の変遷について述べた。
00年当初は、障害を持つ児童の属する学年の保護者らからの、学校・担任・他生徒・他保護者が「困っている」という「困った児童への対処法」についての相談が主だったのに対し、ボランティア開始5年後くらいからは「困っている子・親をどのようにサポートすれば良いのか」という内容に変わってきた。とりわけ、教員らの障害についての学習会も行われ、発達障害児・者支援センターをはじめとする関係機関の紹介、保護者からのウリハッキョ進学相談、子どもたちに向けた福祉教育など支援内容も「困っている児童・困っている教師双方への指導支援と親支援」が多くの比率を占めるようになったという。
後に行われた質疑応答の場で李さんはこの要因について「日本社会で障害に対する認識が深まるにつれ、同胞たちの認識にも『障害は隠すものじゃない』という変化があったと思う」とした。
つづいて李さんは、ここから見える朝鮮学校での障害児・生徒支援の変化について話しながら▼障害児受け入れやその支援などを学校のみで抱えるのではなく、外部や日本の専門家らの協力を受け入れている学校もでてきた、▼保健室を整えそこを拠点とした支援を行う学校が見え始めたことなどを例示した。
一方で解決すべき課題と思われる点について▼障害児童の受け入れ、受け止めに障害種別や軽重、ハッキョ体制によってばらつきがある、▼各学校内での経験や実績の積み重ね、データまとめがされていないケースが多い、▼学校の立地条件や体制から情報交換の連携が取りにくいことなどを指摘。そして「児童は成長し、成長に伴い課題も変化していく」としながら、ニーズや課題の複合化について次のように提案した。「地域同胞生活相談綜合センター、女性同盟、朝青、青商会にも障害について理解していただき、地域の同胞有識者、医療・保険・福祉専門職との連帯を図るなどの取り組みによってウリのマンパワーを発揮していく」。
最後に同胞障害児・者支援とその役割について、児童と関係者への支援としては支援体制の構築および保健室設置の取り組み、同胞障害者支援に向けては、地域組織との連帯と障害児・同胞障害者支援体制の「対策本部」のようなシステム構築など障害福祉施設・制度・サービスに則った支援が必要だとした。
報告後の質疑応答では主に、児童福祉法の矛盾や、朝鮮学校教員らの障害についての研修の制度化の可能性、参加者それぞれの活動のヒントにつながる問題などが話された。
一条校ではない朝鮮学校は、放課後児童デイをはじめ、児童福祉法によるさまざまなサービスの適用対象から除外されている現状がある。
李さんはこのような法制度に対しても「学ぶ権利」の問題としてきちんと訴えていくことが大切だとしながら、「障害をもつ子の教育と、ウリハッキョを守るというのは同じ線上にある。諸々の理由によりそれを同じ速度で併進できない現実がある。個々ができることを持ち寄って、点を線にしていくとすごく力になると思う。その方法をみんなで考えていけたらと思う」と話した。
現在、人権協会ではこの情報交換会を通して福祉の現場で個別に活動している同胞有志らをネットワークし、福祉分野の総合相談窓口の開設を目指している。
(李鳳仁)
|
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2018年11月11日
全1ページ
[1]
|
境を越えて火薬のにおいを漂わせる日本の野望 朝鮮中央通信社論評 【平壌11月10日発朝鮮中央通信】日を追って積極化されている日本の軍事的海外進出が、国際社会の深刻な懸念をかき立てている。
先日、日本防衛省はアジアで初めて陸上「自衛隊」をベトナムに派遣すると公式に発表した。
これは、「国連平和維持活動(PKO)」の美名の下、アフリカに限られていた「自衛隊」の海外軍事作戦範囲をアジアへ拡大することを意味する。
今月5日からは、「インド太平洋地域の安定」を口実にして米国、カナダと共に史上最大規模の合同軍事演習を開始した。
これについて伝えながら英国のロイター通信(3日)は、「日本はアジア安保について懸念しながら軍事的増強に没頭している。今年の2カ月間に日本で最大の軍艦である『かが』をフィリピン、インドネシア、スリランカ、インド、シンガポールをはじめとするインド太平洋地域諸国に派遣した。観測者らは今回の演習が南シナ海で軍事力を強化している中国を目標にしていると評価した」と報じた。
日本が列島の境を越えて各国との軍事演習を全方位的に拡大している目的は、火を見るより明らかである。
世界の任意の所で軍事作戦の遂行を容易に行い、「自衛隊」の実戦化を最終的に完成して海外膨張野望をなんとしても実現しようとすることである。
報復主義の野望が骨髄に徹した日本の反動層は、いつも海外膨張の夢を見ている。
近年だけでも、「日米防衛協力指針(ガイドライン)」の改正と「安全保障関連法」の採択などで自国周辺に限られていた「自衛隊」の活動範囲を全世界へ拡大し、「同盟国」に対する軍事的支援を口実にして「集団的自衛権」まで行使できるようにした。
「平和維持」と「対テロ」の美名の下、巧妙な方法で少しずつ海外進出の道を築いてきた「自衛隊」は、こんにちになって「積極的平和主義」を唱えて公然と全世界を奔走しながら火薬のにおいを漂わせる域に至った。
今、日本の政界で首相安倍の自民党総裁再選以後、「自衛隊」の存在を憲法に明記するための改憲の動きが速まっているのを見ると、憲法の改正まで視野に入れて軍事的海外進出を露骨に追求しているということは明白である。
20世紀にアジア諸国の人民に実に多大な被害を与えた戦犯国であり、交戦権、参戦権はもちろん、正規軍も持てなくなった戦敗国である日本が、またもや実現しようとする海外膨張はすなわち侵略戦争として、その企図自体が罪悪である。
日本の反動層は、火薬のにおいを漂わせるほど地域の人民と国際社会からよりいっそう孤立し、排撃されるということをはっきり認識すべきである。
軍国主義の復活によって、日本に与えられるものは悲惨な破滅だけである。−−− |
|
「労働新聞」 公正かつ正義の新しい国際秩序の樹立は時代の要求 【平壌11月10日発朝鮮中央通信】10日付の「労働新聞」は署名入りの論説で、非同盟運動加盟国をはじめ多くの国が国連舞台で社会経済発展を阻害し、国家間に不平等と葛藤だけを助長、激化させる古びた国際秩序を壊して公正な国際秩序を樹立すべきだと主張していると指摘した。
同紙は、公正かつ正義の新しい国際秩序の樹立はこれ以上、先送りすることのできない時代の歴史的課題であり、新しい国際秩序を樹立するのは自主的で平和な世界で暮らし、発展することを願う世界の進歩的人民の共同の要求であるとし、次のように明らかにした。
全ての国と民族は国際社会の同等な構成員として、自主的で平等な権利を持っている。
大国と小国はあっても高い国と低い国が別にあり得ず、発展した民族と発展途上の民族はあっても支配する民族と支配される民族が別にあり得ない。
新しい国際秩序を樹立するためには、国際政治分野で自主性を実現することが優先的な要求として提起される。
平等と互恵の原則に基づいた国際経済秩序を樹立するのは、新しい国際秩序を樹立するうえで解決を待つ焦眉の問題の中の一つである。
古びた国際秩序の最大の被害者は発展途上国、非同盟国である。
これらの国にとって、新しくて公正な国際秩序を樹立するのは国家の存亡を左右する死活の問題として提起されている。
同紙は、発展途上国、非同盟国は互いに固く団結して支配と隷属の古びた国際秩序を壊し、正義と公正さに基づいた新しい国際秩序を樹立するために積極的に闘わなければならないと強調した。−−− |
全1ページ
[1]



