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Riser drilling of Nankai Trough earthquake zone
 
海底掘削で大地震を誘発する可能性はないのであろうか?
 
科学研究とは言え、あまり岩盤を刺激しない方が良い。世界でも有数の地震発生帯で地震活動の理解などは不要である。
 
2011年3月には、下北八戸沖の海底探査のために八戸港に停留していた所に東北地方太平洋沖地震に遭遇とあるが、深海海底を刺激して、今回の大地震を誘発した可能性はゼロではあるまい。
 
南海トラフの巨大地震と、深海掘削船『ちきゅう』
 
2011年5月 8日      wiredvision.jp/news      Hadley Leggett
 
地球深部探査船『ちきゅう』に乗った研究者たちは2008年、世界でも有数の地震発生帯で地震活動を理解するためのデータの収集するための初の深海掘削の研究航海を行なった。
 
『ライザー掘削』と呼ばれる特殊な技術を使用して、日本の南東58キロメートルほどに位置する地震発生帯である『南海トラフ』の上部まで(海底から1.6キロメートルほど)貫通させたのだ。
 
[ちきゅうは、日本・米国が主導し24カ国が参加する統合国際深海掘削計画(IODP)において中心的な活躍をしている科学掘削船だ。
 
水深2500メートルの深海域で、地底下5000メートルまで掘削する能力を備えており、マントル物質等を採取することができる。建造・運用は、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の一部門である地球深部探査センター(CDEX)。
 
南海トラフとは、四国の南から駿河湾内まで連なる、海底にある水深4000メートル級の深い溝(トラフ)のこと。ちきゅうが2009年に掘削した場所は、和歌山県新宮市の南東沖の複数箇所だ]

東海・東南海・南海地震震源域。画像はWikipedia
イメージ
南海トラフの断層が直近で大きく動いたのは、1944年[昭和東南海地震、M7.9]と1946年[昭和南海地震、M8.0]の2回だ。広範囲に大地震を発生させ、破壊的な津波を引き起こした。
 
[日本では、1945年の敗戦前後にかけて、4年連続でそれぞれ1000名を超える死者を出した4大地震が起こった。
 
1.1943年の鳥取地震、
2.1944年12月7日の昭和東南海地震、
3.1945年1月13日の三河地震(前述の地震の余震)、
4.1946年12月21日の昭和南海地震)
 
当時の日本軍部の情報統制により情報が隠蔽・改竄され、また多くの1次的記録も消滅・散逸していることなどから、被害の全体像は把握されていないが、昭和東南海地震時に発生した津波の最大波高は、尾鷲市賀田地区で記録された9メートルとされる。
 
1946年に起きた昭和南海地震の被害は高知県、徳島県、和歌山県が中心で、津波は静岡県より九州にいたる海岸に来襲した]
 
1944年と1946年の大地震以来、両プレートは動き続けているが、プレート境界は固着しており、圧力を高める原因となっている。
 
「固着した断層帯が安定したものではないことはわかっているが、それがなぜかははっきり解明されていない。固着が何を意味するかがわかれば、どのようにエネルギーが蓄積されて次の段階へと進むのかが明らかになる」
 
と、カナダ地質調査所(Geological Survey of Canada)所属の地質学者Kelin Wang氏は語る(同氏はこのプロジェクトには参加していない)。
 
ちきゅうによる南海での掘削と試料採取活動は、2007年9月から開始、2009年8月1日に完了した。
 
さまざまな計器や記録装置が孔に降ろされ、温度や孔内圧力、水圧、岩盤の透水性などを測定した。さらに、孔内に将来のための長期的な観測装置を設置した。
 
イメージ岩石資料を採取し、長期観測装置を設置することによって、フィリピン海プレートが日本列島の下に滑り込んでいる南海のようなプレート沈み込み帯で、圧力がどのように蓄積されていくかが解明できると期待されている。
 
今回南海トラフの調査で明らかになることは、ブリティッシュコロンビア州からカリフォルニア州北部まで太平洋沿岸に伸びている『カスケード沈み込み帯』など、地震が発生しやすいほかのプレート境界を理解するのにも役立つだろう。
 
[南海トラフは、北西に進んできたフィリピン海プレートが、ユーラシアプレートの一部である西南日本と衝突してその下に沈み込んでいる場所に相当し、非常に活発で大規模な地震発生帯。東海地震、東南海地震、南海地震などのマグニチュード8クラスの巨大地震がそれぞれ90 - 150年の間隔で発生している。
 
このうち静岡県南方では1854年12月23日の安政東海地震(推定M8.4)以来150年以上が経過しており、次の東海地震の発生が懸念されている。

歴史的に見た東海・南海・東南海連動型地震。画像はWikipedia
 
今後発生が予測されている東海・南海・東南海連動型地震のうち、最大の場合はマグニチュード8.7、破壊領域は長さ700キロメートル程度の宝永地震(1707年)]クラス。10メートルから30メートルの津波が発生する可能性があるとされている]
 
  ちきゅうは、2009年5月中旬からは熊野灘周辺での本格的な南海掘削を再開したが、同年11月、掘削プロジェクトが行政刷新会議による事業仕分けの俎上にあがり、次年度以降の継続が不透明な状況となった。
 
2011年3月には、下北八戸沖の海底探査のために八戸港に停留していた所に東北地方太平洋沖地震に遭遇し、津波の被害を避ける為に一時沖合に待避。
 
見学の為乗船していた中居林小学校の生徒・教師は船内で一夜を過ごし、翌日海上自衛隊のヘリコプターにより下船する事態となった。
 
イメージちきゅうが行なうライザー掘削システム(PDF)では、ライザーと呼ばれる巨大な金属パイプのなかに深海ドリルを入れ込んでおり、これを船体から掘削地点まで伸ばし、効率よく船体と海底とを固定する。
 
地層圧よりも比重をやや高く設定した泥水を、ドリルパイプを通して送り込み、ライザーパイプによって回収して循環させる[二重のパイプを掘削坑に下ろして泥水を循環させながら掘る。これは通常海洋石油掘削に利用されているが、科学掘削では初となる]。
 
コネチカット大学の地質学者で、このプロジェクトを率いる1人であるTimothy Byrne氏は、ライザー掘削システムについて、電子メールで次のように説明した。
 
「主な利点の1つは、ドリルパイプに孔壁が崩れかかるのを、比重を高めた泥水が防ぐので、うまく制御しながらより深く掘り進むことが可能になることだ。たとえば、ほとんど垂直に近い孔や、急角度で傾斜する孔を掘削することが可能だ」
 
さらに、ライザーの使用によって、柱状地質試料(コア)や掘り屑(カッティングス)、小さな岩のかけらなどを掘削しながら集めて、船に回収することも可能になる。

 

転載元転載元: 時の旅人Yoshipyuta

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