おーちゃん の ブログ

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ぼくがぼくであること  山中恒
 なかなかの名作でした。児童文学として括られているんですが、子を持つ大人 
にも読んで欲しい物語りです。
(学研の「6年生の学習」に連載されていた作品です。)
 成長著しい小学6年生を主人公に、夏休みの経験を経て自立していく様子や
家庭に君臨する教育ママゴンに叱られ続けた子供との親子間の人間関係を描
き出している。
 
 秀一は優等生の兄姉妹を持つ小学6年生。秀一自身は勉強嫌いでいつも先生
や母親に叱られていた。特に母親は教育ママで、兄弟を比較しながら怒っていた。
 夏休みの初め、一学期の成績不振を母親に詰られた秀一は、つい家出を宣言し
てしまう。お喋りな妹が吹聴して廻った為、秀一は引っ込みがつかなくなった。
公園脇のトラックの荷台に隠れ乗り、ついうたた寝をした間にトラックは動き出し
てしまった。外を見ると、秀一の知らない街、益々山間に向かうトラック。
 
 林道を走っている時、事件が起きた。スピードを上げていたトラックが自転車を
撥ねてしまったのだ。運転手は車を降り、撥ねた人を確認した後、その体を谷に
落としてしまった。秀一は轢き逃げ事件の一部始終を目撃してしまったのだ。
 見つからないよう必死で荷台に隠れた。トラックは少し離れた山間の村に着き
運転手が車を離れた隙に、秀一は必死に逃げた。
 
 夜、知らない村で無一文であることを思い起こした秀一は目の前にあった民家
のドアを叩いた。現れたのは同年代の女の子「夏代」であった。秀一は泊めて欲
しいとお願いした。夏代のお祖父さんの鋭い視線と厳しい口調での問い質しに、
秀一は正直に答えた。そして、一宿一飯の恩義を与えられた。
 次の日の朝、働くことで居候を許された秀一は、夏代に教わりながら家事や作
物の収穫を手伝った。お祖父さんと二人暮らしの夏代は食事の用意から家業の
手伝いまでよく働いていた。秀一も負けじとよく手伝った。
 
 夏代に一人の男が声を掛けてきた。「正直」といい、親戚筋の者だった。秀一
はその顔を見て驚いた。件の轢き逃げ犯であった。夏代も正直のことを敬遠して
いたので避けることにした。
 夜になってもテレビがない夏代の家は食事後は、勉強して寝るだけだった。
ある日、夏代が武田信玄の宝の話しをしてくれた。お祖父さんが持っている裏山
に宝が眠っている可能性があるとのことだった。
 
 物語りはこの後、夏代の家の財産(信玄の宝)を狙う正直が夏代の母親への思
いに付け込み画策する。秀一がその悪巧みを阻止するという少年活劇へと展開
する。
 もう一つのテーマ、親子の間の物語り。家出から帰った秀一は、怒り狂う母親を
尻目に自分のやりたいことをするようになる。武田信玄の財宝を調べたり、夏代を
見習って自ら勉強を始める。言われた事をやるのではなく、やりたいことをやる。
そのことが、秀一の自立を促す。
 
 母親には秀一の自立が反抗に見えた。秀一が書いた夏代への手紙を妹を使い
横取りしてしまう。秀一の知る所となり、深い溝が出来てしまう。
 優等生であった次男が、先生のいい加減さを暴露する出来事があった。逆恨み
した先生が次男を目の敵にし、母親に次男の批難を伝える。母親は先生の話しを
鵜呑みにし、次男を責めた。
 時を同じく、長男が学生運動の渦中で警察に逮捕された。聞くと、学生運動をし
ていた友人が無抵抗にも拘わらず、暴力的に拘束された。余りに酷かったため止
めに入り逮捕されたとのことだった。母親は事情を無視し逮捕されたことのみを責
め立てた。
 母親に従順だった兄達が母親に愛想を尽かした。
イライラが募った母親の不始末で家が全焼してしまう。家は母親の実家で母親の
寄り処であった。 家で君臨していた母親は気を失ってしまう…。
 
 親が思うより子供は成長している。
子供の自立を妨げているのは親の干渉である。
そんなことを考えさせられるテーマでした。
 
読み終わりもスッキリしたイイ作品でした。◎

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おはようございます。
このたびは6年半も前の記事に、初コメントをつけていただき誠にありがとうございました!
小学生の頃見たNHKのドラマもよく覚えています。
TBさせてください!

2013/6/6(木) 午前 6:38 gutch15

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