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蝉 3 フリーベルの長い睫毛が偏光シールドの彼方に向かって見開かれているのを、傍から冷やかすように窓辺に近づくと、 「尤も、偏光シールドという奴は、紫外線の波長を跳ね返すための不可視光線のバリヤーだからな。と言っても紫外線を完全にカットできないみたいだ。」 栄吉は雀斑のはっきり浮き出た自分の鼻を指差して見せた。
紫外線を大幅にカットする偏光シールドを通した日光でさえ、地下帝国出身者の顔に一週間で雀斑を浮き出させるほどの威力を持っている。
「どうやら、あれを通して、国民の思考制御を行うのに都合のいい通信網を張り巡らしているらしい。」しかし、強烈な紫外線から人体を守るという名目の下で各都市をドーム状に覆っているが、偏光シールドの役目は、紫外線をカットするだけではない。サイドボードに飾るランプの火屋(ほや)を磨きながら、ヘドロヘアーが口を挟んだ。 「思考制御?」
続く
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