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げんじいのブログ
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 明治39年に作られた私鉄版東海道新幹線計画のシリーズ9回目です。
 
 明治40年2月、全国の数百人の経済人が発起人となる民間の大型プロジェクトは、立川勇次郎氏を代表人として当時の逓信省へ免許願いが提出されました。
 鉄道馬車から蒸気機関車に切り替えようとしていた政府には高速度電気鉄道の技術を評価する能力もなく、官尊民卑の考え方とメンツと保身だけを守ろうとしていたためか、鉄道国有法を盾にして、まったく内容を審議せず、3月1日に却下した。
 これはきわめて異常な速さで、通常であれば鉄道会議にはかるところですがそれも省略しての異例な却下でした。

 明治40年3月16日の鉄道時報に下記の記事が掲載されました。

 日本電鉄会社出願の却下

 政府はついに東京大阪間に高速電気鉄道を敷設しようという日本電気鉄道の出願を却下した。
 先例によれば当局者の意は既に却下に決したものといえども、尚必ず鉄道会議に附議するべきなのに今や当局者はこの慣例を破ってこの出願を同会議の議題に附することなく、「聞き届け難し」として之を却下した。

 たぶんこの出願を永く許否未定のままにその手中に留めておけば、一世の疑惑を生じるは固より、そのいわゆる「運動」なるもので、乗じて以って大いにその勢いを逞いする機会を与え、終には議会における政略問題に変じる恐れがあったので、慣例に反して迅速に却下の指令を下したのだろう。

 疑惑、運動の余地をなくした点においては機宜に適した処置と云うのか、又当局者の英断とも云うのだろうか。
 しかもこの英断とはしょせん、消極的な英断であって積極的な大英断ではない。
 現在官線においては特急が13時間かかっているのに、民間企業家の計画はこれを短縮して僅か6時間にしてさらに30分毎に両終端より発車させると云うのであり、まことに決心の企画と云うべきで、これが実行された暁には我国交通界の面目をここに一新することになっただろう。

 しかるに政府は単に国有法の精神に反すると云う理由でこの出願を却下するに止まり、あえて自ら進んでこれに代わる決心と覚悟がなければ、恐らく国有後の鉄道は長足の進歩をしている国家の進運のスピードから遅れてしまうだろう。
 まさかこれが国有化の真の精神なのだろうか。
 政府当局者はこれに対し果たしてどのような処置を採ろうとするのか。

 政府当局者が現状に満足していないことは我々も分っている。
 しかもその改良進歩は牛歩の如く遅いのは、財政上が許さないにしろ、我々はいつも不満を感じている。
 国有化実施によるこの16日に実施される時刻改正も、要するに直通列車、急行列車の増発に止まり、走行時間そのものは殆ど短縮されていない。

 もとより列車本数の増加も大いに歓迎で我々はこの点において今回の時刻改正の一段の進歩を認め、業界のために深くこれに慶賀するといえども、時間の短縮がなかったのは我々には非常に残念である。
 これは我々だけでなく一般国民も感じていることだ。
 もとよりいろんな理由で時間短縮は容易なことではないが、民間では既に進んで6時間を打ち出した者がある今日、速やかに何らかの方法で現行時間の短縮を図るのは、鉄道という交通機関を国有として独占する当局者の当然の責務ではないだろうか。

     応急的にできることは速やかに実行すべきは勿論、根本的な改良、例えば電気鉄道の敷設なども、決して打ち捨てておいていいものではない。
 聞くところによれば日本電気鉄道発起人諸氏は、一旦の敗北に屈せず更に期成同盟会を組織して、当初の目的を貫徹を期すと云う。

 これを国家的事業と見なし我国交通機関の面目を一新しようとする発起人諸氏に対する当局者の今回の却下は、単にこの問題を複雑にしこの解決を遅らせただけで、これでもってうまく解決できたとするのは早計である。
 真の解決は政府自らこれを敷設するか、他にこれに代わるべき方法を採るか、そうでないなら民設を許すべきだ。
 官営でも民営でもどちらでもいいが我々は政府がなるべく早く本問題にまともな解決策を与えることを期待する。


  (つづく)
 
 
 
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